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半信半疑

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三人が集合場所に到着すると、ベテラン組は既に集まっていた。

「おう、三人共早いな」

「ガレッジさん達こそ早い到着ですね。集合時間までにはまだまだ余裕はあると思いますけど」

三人はルーキーが集合時間に遅れるなんてあり得ないという考えで早めに着こうとしていた。

「はっはっは、そりゃ俺達が遅れて着くなんてルーキー達に示しがつかないだろ」

ガレッジの言葉に他のメンバー達も同意するように頷く。
ティール達がルーキーが集合時間に遅れて来るなんてあり得ないと考えている様に、ベテラン達も自分達が遅れて来るなんて示しがつかないと考えていた。

「それで、調子はどうだティール」

「特に問題はないですよ。昨日しっかりと体を動かせたんで」

「そうか……ラージアスキャットを相手に一人で戦ってたんなら、良い緊張感を得られただろうな」

その言葉にエリックやリーシアだけではなく、ガレッジと同じDランク以上の冒険者達も驚いていた。

「おいおいガレッジ、それは本当か?」

「あぁ、マジだと思うぜ。こいつが受付嬢にラージアスキャットの素材や魔石を渡すところをしっかりと見ていたからな」

ティールが感じたように、Dランク以上の冒険者達にとってもラージアスキャットは厄介なモンスターという印象が強い。
鋭い爪に空中でも攻撃を躱す軽やかさ。Dランクに上がったばかりの冒険者では荷が重い相手だ。

Cランクの冒険者でもジャストタイミングでなければ瞬殺することなんて不可能。

「てか、この前の決闘を観てたろ。こいつはスーパールーキーだ」

「ガレッジさん、あんまりそういう事を言わないでください」

ティールとしてはこれからも普段通りに行動したいので、必要以上に人が集まるのは少々嫌だと思っている。

ただ、ガレッジの言葉を聞いて少し前のバーバスとティールの決闘を観ていた冒険者達は、ガレッジがそこまで褒める理由が解らなくもなかった。

バーバスはあの決闘で無様な姿を晒した、諦めが悪過ぎるなどと思われて評価は下がっている。
だが、解る人にはルーキーの中であればそこそこ強いという認識は変わらない。

なのでそんなバーバスを軽くあしらったティールがラージアスキャットを一人で倒したという話に対し、完全に信じることは出来ないが可能性はあると思えた。

「てぃ、ティール! あなたそんな危険な事をしたの!?」

「えっ? いや、確かに厄介なモンスターではあったけど、別に怪我もしてないぞ」

「ティールならそう簡単に怪我はしないかもしれないけど、やっぱり僕達としては心配だよ。ラージアスキャットはグレーグリズリーと比べて隙が少ないモンスターだって聞くしね」

体格なら圧倒的にグレーグリズリーの方が上だが、討伐の難易度でいえばラージアスキャットの方が上に認定されている。

しかもティールは基本的にソロで行動している。
それが二人にとって不安しかない要素だ。

「ティールはもう少しそこら辺を気を付けるべきよ!!」

「まぁまぁ、落ち着いて。でも、今回は僕もリーシアの考えに賛成かな。ティールが強いのは知ってるけど、やっぱりソロで行動していると思うと不安になるからね」

「……そうか。まぁ、気を付けておくよ」

ただし、事実的なところティールに勝てるDランクのモンスターはいないと断言出来る。
それほどまでにティールの身体能力は高く、有しているスキルの数も豊富でギフトも反則と呼べるほどに強い。

Cランクのモンスターであってもミスをしなければ一人で討伐が可能。
それ程までにティールのレベルは高く、実戦経験も豊富なのだ。

「二人も心配してるんだし、今度からはもう少し慎重に行動した方が良いかもな」

なんて言葉を伝えるが、ガレッジは正直ティールがそこまで臆病になる必要は無いと思っている。
ラージアスキャットを無傷で倒す、それは運が良かったからという内容で片付けられない。

(……もしかしたら、史上最速でランクを駆け上がるかもな)

ティールは全くそのつもりは無いが、周りが放っておかない可能性は十分にある。
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