あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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漏れる愚痴

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エリックとリーシアと別れたティールはバースの店へとやって来ていた。
そして今日起きた出来事を話した。

「はっはっは!!! そりゃドンマイだな。バーバスか……確か体格が大きい奴だったか。ルーキーの中じゃそこそこかもしれねぇが、ティール相手じゃ遊び相手にもならないだろ」

「本当にそうでしたよ。かなり粋がっていたんで、それなりに強いんだろうと思っていましたけど……大剣をブンブンと振り回すだけの脳無しでしたよ」

「まっ、客観的に視ればそうだろうな。ただなぁ……Eランクぐらいだと、あの体格で大剣を使っていれば大体は対処出来るんだよ」

FランクやEランクのモンスターの中で大型のモンスターは比較的少ない。
いないこともないが、バーバスの攻撃力でも十分に対処出来た。
そしてそのレベルのモンスターは技術も持っていない。なので、バーバスの大剣に対処する方法を持っていなかった。

だが、Dランク以上になってくれば話は変わる。
そしてティールはそんなDランクモンスターを容易に葬る実力を持っており、対人戦の経験数や技術も一般的なルーキーと比べるには差があり過ぎる。

「はぁーーーー……討伐の時が不安だ」

「そんなに気にしなくても良いんじゃないか? ベテランも付き添うんだろ。ジェネラルがいても相手をするのはベテラン陣だお前らルーキーは基本的に通常種、もしくは上位種狩りだろ」

「基本的にそうですけど、実戦では何が起こるか解らないじゃないですか」

「……それもそうだな。バーバスがその討伐で暴走しないかが心配って訳か」

「そういう事です。いや、正確にはあいつが暴走して俺達に被害が及ばないかどうかが心配ですね」

暴走による二次災害。
過去に一人の暴走による勝てる筈の戦いで負けてしまった。

なんて話はよくある。

「けど、お前はそいつが死にそうになったらきっと助けるんだろ」

「……嫌いというか、興味無いって感じですけどそれとこれは別かなって感じです」

「そういうもんだ。てか、ティールならベテラン陣と組んで前線に行くことも出来るだろ」

「ど、どうなんですかね? 可能かもしれませんけど、俺としてはエリックとリーシアを万が一から守るために参加するんで」

ゴブリンの群れの討伐に参加する際に報酬は当然出るが、決して高いものではない。
一人でも多くのモンスターを狩れるティールにとっては普通に狩りをしていた方が稼げる。

ただ、今回は友人が心配なので参加するだけだ。

「あぁ、なるほどな。惚れた女を守ってやりたいってことだな」

「エリックがいるから基本的には問題無いと思ってるんですけどね。でも、リーシアに惚れているバーバスが良い姿を見せようと暴走しないかが……」

「若いのに色々と悩み事が多いな」

「笑い事じゃないですよ」

ティールは確かに強い。ベテラン達と比べても抜きんでた強さを持っている。
だが、なんでも出来るという訳ではない。

多くのスキルを持っているティールにも出来ない事はある。

「でもよぉ、襲ってくるモンスターを全部ティールが始末すれば結果オーライだろ。それが出来るだけの実力が、お前にはあるだろ」

「……群れのボスにもよりますけど、多分出来ます。ただ、一人が独走して終わらせれば良いってことじゃないって事ぐらいはバースさんも解ってますよね」

「ん~~……あれだね、今更だが横の繋がりもちょいちょい面倒だな」

今回の討伐でティール一人で襲ってくるモンスターを対処すればどうなるか。
エリックやリーシアはその結果に納得するかもしれないが、ティールの事を良く知らない他のルーキー達は話が別だ。

特にバーバスはティールに向かって「俺が活躍する機会を奪ってんじゃねぇよっ!!!!」と、喚き散らすかもしれない。

「なぁ、いっそティールだけ……そうか、二人を万が一の危険から守るために参加するんだもんな」

影からティール一人で始末すれば誰も怪我を負うことなく終わるのではと思ったバースだが、ティールが離れている間に万が一が起こる可能性がある。

なので、その案は却下。

「ちょっと暴力的ではあるが、バーバスが暴走したら気絶させてしまうのが一番じゃないか?」

「……後から文句を言われそうですけど、それが良さそうですね」

本人から文句を言われるのは確実だが、周囲に危険が及ぶかもしれなかったからという正当な理由があるので問題無い
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