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何故そう呼ばれるか
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リーシアのスタイルと容姿に妄想を含まらせていた翌日、ラージアントという巨大なアリ型モンスターの討伐を受け、直ぐに街を出て森へ向かう。
ラージアントのランクはE。体は大きく、力も強い。そして脚が遅い訳では無い。
Eランクにしてはそこそこの強さを持つ。
そして自分の命が危機的状況になると、大声を出して仲間を呼ぶ。
その際には十以上のラージアントが集まる。
パーティーの状況にもよるが、戦力差が覆らなくなるだろう。
ただ、それは危機的状況になった際に起こす信号。
なのでそういった状況になる前に一瞬で殺せば問題無い。
しかしHやEランクの冒険者が相手では、よっぽど物理攻撃か斬撃に優れた者でなければ瞬殺する事は出来ない。
「……こんなもんか」
ティールが受けたラージアントの討伐依頼の数はニ体。
ただ、ティールが遭遇したラージアントの数は四体と討伐依頼内容より多く、一人で倒す数ではない。
だがティールは長剣に魔力を纏わせて切れ味を上昇させ、身体強化のスキルを使用。
それだけでラージアントはティールの動きに対応することが出来ず、魔力の刃を防ぐことが出来ない。
ラージアントの魔石を回収し、甲殻等も解体してアイテムバッグの中に入れていく。
そしてその日は特に他のモンスターに襲われる事無く街へと戻れた。
「すいません、これの買取をお願いします」
討伐証明部位を出して以来達成を完了させた後、ラージアントの魔石と甲殻等を全て売る。
「……アイテムバッグ、持ってるんですね」
「はい……おかしいですか?」
「いえ、そんなこと無いですよ」
そんな事ある。低ランクの冒険者がアイテムバッグを持っている訳が無い。
貴族の子息や令嬢なら話は別だが、ティールはただの村出身の子供。
なのでアイテムバッグを持っているなんて考えられない。
しかし受付嬢は目の前で普通サイズのバッグからラージアントの魔石と甲殻等の素材が取り出される様子が確認した。
(……苗字は無いし、貴族の子息じゃない……もしかして隠してるの?)
そもそもラージアント四体をソロで倒すというのがルーキーが達成出来る功績では無い。
それらの理由も含めて受付嬢がティールを貴族の子息と勘違いしてしまうのは仕方がない。
換金された金をしまい、ホクホク顔になるティール。
そして宿へと帰ろうとするティールの一人の男が声を掛ける。
「よう、俺は職員のゾルってもんだ。一緒に晩飯でも食べないか?」
元冒険者で現在はギルド職員のゾル。そんな男がティールを食事へと誘う。
(……この人、もしかして結構強い?)
鑑定を使っていない。しかしティールはリースやジンという強者との交流があり、強者が放つオーラが何となく分かる。
ただ、その二人ほどは強くない。それだけは確信する。
(なんで職員の人が俺に声を掛ける? 別に悪い事はしていないよな)
確かに悪い事はしていない。ただ、目立つ行動は行ってしまっている。
しかしゾルはそんなティールの行動にどうたら言うつもりは無い。
単純にティールという期待のルーキーに興味がある。
そんなゾルに対し、ティールは少々警戒心を抱くが……夕食がタダという事で了承する。
「良いですよ。自分はティールです。よろしくお願いします」
「知ってるぜ。ギルド職員の間じゃ噂のルーキーだからな」
噂のルーキー、その単語に首を傾げる。
しかしそれが自分に向けられていると解かり、驚いた表情をして何故自分が噂のルーキーと呼ばれているのか考える。
(……なんで俺が噂のルーキーなんだ? 別に何か目立つの事は……アイテムバッグは目立つか。でも、その他には・・・・・・あっ)
そこでティールは自分の状況を思い出し、何故噂のルーキー等言われているのか解った。
(俺がソロでモンスターを倒しているから、か)
まさにその通り。
四人パーティーであればティールがこの街に来てから遭遇したモンスターを倒すことは不可能では無い。
ただ、ソロで倒してしまうのは基本的に不可能。
一対多数など超危機的状況。
にも拘わらず、ティールはそんな状況を余裕な表情で乗り越えて返ってくる。
そんな存在が噂されない訳が無い。
ラージアントのランクはE。体は大きく、力も強い。そして脚が遅い訳では無い。
Eランクにしてはそこそこの強さを持つ。
そして自分の命が危機的状況になると、大声を出して仲間を呼ぶ。
その際には十以上のラージアントが集まる。
パーティーの状況にもよるが、戦力差が覆らなくなるだろう。
ただ、それは危機的状況になった際に起こす信号。
なのでそういった状況になる前に一瞬で殺せば問題無い。
しかしHやEランクの冒険者が相手では、よっぽど物理攻撃か斬撃に優れた者でなければ瞬殺する事は出来ない。
「……こんなもんか」
ティールが受けたラージアントの討伐依頼の数はニ体。
ただ、ティールが遭遇したラージアントの数は四体と討伐依頼内容より多く、一人で倒す数ではない。
だがティールは長剣に魔力を纏わせて切れ味を上昇させ、身体強化のスキルを使用。
それだけでラージアントはティールの動きに対応することが出来ず、魔力の刃を防ぐことが出来ない。
ラージアントの魔石を回収し、甲殻等も解体してアイテムバッグの中に入れていく。
そしてその日は特に他のモンスターに襲われる事無く街へと戻れた。
「すいません、これの買取をお願いします」
討伐証明部位を出して以来達成を完了させた後、ラージアントの魔石と甲殻等を全て売る。
「……アイテムバッグ、持ってるんですね」
「はい……おかしいですか?」
「いえ、そんなこと無いですよ」
そんな事ある。低ランクの冒険者がアイテムバッグを持っている訳が無い。
貴族の子息や令嬢なら話は別だが、ティールはただの村出身の子供。
なのでアイテムバッグを持っているなんて考えられない。
しかし受付嬢は目の前で普通サイズのバッグからラージアントの魔石と甲殻等の素材が取り出される様子が確認した。
(……苗字は無いし、貴族の子息じゃない……もしかして隠してるの?)
そもそもラージアント四体をソロで倒すというのがルーキーが達成出来る功績では無い。
それらの理由も含めて受付嬢がティールを貴族の子息と勘違いしてしまうのは仕方がない。
換金された金をしまい、ホクホク顔になるティール。
そして宿へと帰ろうとするティールの一人の男が声を掛ける。
「よう、俺は職員のゾルってもんだ。一緒に晩飯でも食べないか?」
元冒険者で現在はギルド職員のゾル。そんな男がティールを食事へと誘う。
(……この人、もしかして結構強い?)
鑑定を使っていない。しかしティールはリースやジンという強者との交流があり、強者が放つオーラが何となく分かる。
ただ、その二人ほどは強くない。それだけは確信する。
(なんで職員の人が俺に声を掛ける? 別に悪い事はしていないよな)
確かに悪い事はしていない。ただ、目立つ行動は行ってしまっている。
しかしゾルはそんなティールの行動にどうたら言うつもりは無い。
単純にティールという期待のルーキーに興味がある。
そんなゾルに対し、ティールは少々警戒心を抱くが……夕食がタダという事で了承する。
「良いですよ。自分はティールです。よろしくお願いします」
「知ってるぜ。ギルド職員の間じゃ噂のルーキーだからな」
噂のルーキー、その単語に首を傾げる。
しかしそれが自分に向けられていると解かり、驚いた表情をして何故自分が噂のルーキーと呼ばれているのか考える。
(……なんで俺が噂のルーキーなんだ? 別に何か目立つの事は……アイテムバッグは目立つか。でも、その他には・・・・・・あっ)
そこでティールは自分の状況を思い出し、何故噂のルーキー等言われているのか解った。
(俺がソロでモンスターを倒しているから、か)
まさにその通り。
四人パーティーであればティールがこの街に来てから遭遇したモンスターを倒すことは不可能では無い。
ただ、ソロで倒してしまうのは基本的に不可能。
一対多数など超危機的状況。
にも拘わらず、ティールはそんな状況を余裕な表情で乗り越えて返ってくる。
そんな存在が噂されない訳が無い。
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