36 / 723
己の手札を確認
しおりを挟む
「それで、これは三人共出来る内容なんだけど、投擲スキルが役に立つと思うよ」
「投擲というと……投げる投擲だよね」
「あぁ、その投擲だ。投擲は腕を上げるとこういう事も出来るんだ」
落ちている石ころを拾い、適当に投げる。
投げられた石ころは直線に進むだけでは無く、縦横無尽に動いてから地面に落ちる。
「こんな感じで適当に投げても思い通りに動いてくれるんだ」
「す、凄いですね」
「だろ? ただの石ころでも投擲のスキルレベルを上げていけば威力や貫通力も上がる。それに、石に魔力を纏わせればそれなりに威力が上がる。Eランクのモンスターぐらいなら一発で倒せるぞ」
「そ、それは凄いですね。私にも出来るようになるでしょうか?」
「あぁ、問題無いと思うよ。投擲のスキルレベルさえ上げれば可能だ。それにセリナさんは魔力の量が二人よりも多いから石に魔力を纏って投擲出来る回数が多い」
石に魔力を纏うのと纏わ無いとでは威力に大きな差が出る。
勿論自身の魔力を物体に纏わせるというのも技術の一つなので、センスが無ければそう簡単に行うことは出来ない。
しかいそれは努力次第で何となるので、努力次第で三人共出来るようになる。
「訓練に掛かる費用も無く、実戦でもそこら辺に落ちてる石ころを投げれば良い。乱戦ならモンスターの死体を投げるのもありだな」
過去に多数のモンスターに囲われた際にmティールは思い付きでモンスター死体を投げつけた。
するとモンスターの死体にはある程度の重さがあるので、ティールが思っている以上の威力を見せた。
「それと、戦う上でのアドバイスだったら……今自分達には何が出来るかっていうのをしっかりと把握しておいた方が良いと思う」
「それは状況によって適した攻撃を行えるようにするためかしら」
「その考えで大体合ってる」
サールの考えはティールの考えと大体合っているが、まだ足りない。
攻撃だけを考えていれば言い訳では無い。
「ただ、もっと言うと逃げる為でもある。自分達の攻撃が攻めている状況でどう使えるのか。強敵から逃げている状況ではどう使えるのか。そういうのが解っていれば無理ない冒険が出来る」
「……す、凄いね。ティールはいつもそういう事を考えて行動しているんだね」
「あぁ……まぁ、一応な。自分の手札がどの場面で何に使えるか、覚えておいて損は無いって教えられたからな」
リースとジンに教えられたことを思い出す。
(あの二人って結構心配性というか……まぁ、俺の年齢で冒険者をやっているという事を考えれば心配性になっても仕方ないか)
ティール程の年齢で冒険者になる者が多い訳では無いが、決して珍しく無い。
中には生きていくには冒険者という道しか選べない子供もいる。
「俺がアドバイス出来るのはそんな感じかな?」
「いや、本当に有難う。助けて貰った上にアドバイスも貰ってしまって……本当に感謝の言葉しかないよ」
「ライとの言う通りね。私達がもっと稼げるようになったらご飯でも奢らせて貰うわ」
「い、いつかこの恩は絶対に返します」
そんなに重く感じなくても良い。
そう思うティールだが、三人にとっては本当に自分達はここで死ぬかもしれないと命の危機を感じていた。
そこで颯爽と現れて数体のブラウンウルフを瞬殺したティールに恩を感じるなというのは無理な話。
「そうだなぁ……まっ、今度飯でも奢ってくれると嬉しいよ。さて、他のモンスターが寄って来る前にブラウンウルフを解体してしまおう」
肉、爪、牙、毛皮、魔石と売れる部分が多いブラウンウルフの死体をそのまま放置するのは非常に勿体無い。
四人で手分けして解体を行う。
そして解体が終わるとティールは自分の取り分を魔石だけで構わないと伝える。
それに三人は猛反対。
「確かに魔石は一番高い素材だが、それでもブラウンウルフはティールが倒したモンスターだ。せめて牙や爪はティールが持つべき素材だ」
ライトの言葉にサールとセリナも同意するように何度も頷く。
しかしティールとしてはブラウンウルフの討伐依頼を受けていないので、魔石以外には大して興味が無い。
なのでお金には困っているであろう三人に他の素材は渡した方が良いと考える。
そして結果的にティールが三人に魔石以外を押し付けるような形で取り分の話は終わった。
「投擲というと……投げる投擲だよね」
「あぁ、その投擲だ。投擲は腕を上げるとこういう事も出来るんだ」
落ちている石ころを拾い、適当に投げる。
投げられた石ころは直線に進むだけでは無く、縦横無尽に動いてから地面に落ちる。
「こんな感じで適当に投げても思い通りに動いてくれるんだ」
「す、凄いですね」
「だろ? ただの石ころでも投擲のスキルレベルを上げていけば威力や貫通力も上がる。それに、石に魔力を纏わせればそれなりに威力が上がる。Eランクのモンスターぐらいなら一発で倒せるぞ」
「そ、それは凄いですね。私にも出来るようになるでしょうか?」
「あぁ、問題無いと思うよ。投擲のスキルレベルさえ上げれば可能だ。それにセリナさんは魔力の量が二人よりも多いから石に魔力を纏って投擲出来る回数が多い」
石に魔力を纏うのと纏わ無いとでは威力に大きな差が出る。
勿論自身の魔力を物体に纏わせるというのも技術の一つなので、センスが無ければそう簡単に行うことは出来ない。
しかいそれは努力次第で何となるので、努力次第で三人共出来るようになる。
「訓練に掛かる費用も無く、実戦でもそこら辺に落ちてる石ころを投げれば良い。乱戦ならモンスターの死体を投げるのもありだな」
過去に多数のモンスターに囲われた際にmティールは思い付きでモンスター死体を投げつけた。
するとモンスターの死体にはある程度の重さがあるので、ティールが思っている以上の威力を見せた。
「それと、戦う上でのアドバイスだったら……今自分達には何が出来るかっていうのをしっかりと把握しておいた方が良いと思う」
「それは状況によって適した攻撃を行えるようにするためかしら」
「その考えで大体合ってる」
サールの考えはティールの考えと大体合っているが、まだ足りない。
攻撃だけを考えていれば言い訳では無い。
「ただ、もっと言うと逃げる為でもある。自分達の攻撃が攻めている状況でどう使えるのか。強敵から逃げている状況ではどう使えるのか。そういうのが解っていれば無理ない冒険が出来る」
「……す、凄いね。ティールはいつもそういう事を考えて行動しているんだね」
「あぁ……まぁ、一応な。自分の手札がどの場面で何に使えるか、覚えておいて損は無いって教えられたからな」
リースとジンに教えられたことを思い出す。
(あの二人って結構心配性というか……まぁ、俺の年齢で冒険者をやっているという事を考えれば心配性になっても仕方ないか)
ティール程の年齢で冒険者になる者が多い訳では無いが、決して珍しく無い。
中には生きていくには冒険者という道しか選べない子供もいる。
「俺がアドバイス出来るのはそんな感じかな?」
「いや、本当に有難う。助けて貰った上にアドバイスも貰ってしまって……本当に感謝の言葉しかないよ」
「ライとの言う通りね。私達がもっと稼げるようになったらご飯でも奢らせて貰うわ」
「い、いつかこの恩は絶対に返します」
そんなに重く感じなくても良い。
そう思うティールだが、三人にとっては本当に自分達はここで死ぬかもしれないと命の危機を感じていた。
そこで颯爽と現れて数体のブラウンウルフを瞬殺したティールに恩を感じるなというのは無理な話。
「そうだなぁ……まっ、今度飯でも奢ってくれると嬉しいよ。さて、他のモンスターが寄って来る前にブラウンウルフを解体してしまおう」
肉、爪、牙、毛皮、魔石と売れる部分が多いブラウンウルフの死体をそのまま放置するのは非常に勿体無い。
四人で手分けして解体を行う。
そして解体が終わるとティールは自分の取り分を魔石だけで構わないと伝える。
それに三人は猛反対。
「確かに魔石は一番高い素材だが、それでもブラウンウルフはティールが倒したモンスターだ。せめて牙や爪はティールが持つべき素材だ」
ライトの言葉にサールとセリナも同意するように何度も頷く。
しかしティールとしてはブラウンウルフの討伐依頼を受けていないので、魔石以外には大して興味が無い。
なのでお金には困っているであろう三人に他の素材は渡した方が良いと考える。
そして結果的にティールが三人に魔石以外を押し付けるような形で取り分の話は終わった。
97
お気に入りに追加
1,803
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる