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時間が経ってようやく解かる事
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宿を探し始めたティールは外見がまともそうな宿を探し、ここなら良いなと思えるところを見つけた。
「すいません、えっと……三泊ほど泊まりたいんですけど」
「三泊ですね。銅貨二十五枚になります。一食は基本料金が銅貨二枚になりますがどうしますか?」
「そうですねぇ……朝食と夕食分をお願いします」
「分かりました。えっと、銅貨八十七枚になります」
そこまで細かい銅貨を持っていないティールは銀貨を一枚渡し、十三枚の銅貨を受け取る。
「それではこちらがカギになりますので無くさないでくださいね。無くした場合は罰金がありますので」
「分かりました」
カギに付いている木の札の番号が書かれてある場所まで向かい、ドアを開ける。
部屋の中にはベッドに机と椅子に服を掛けるハンガーなどが置かれていた。
「……うん、超気持ち良いな」
早速ベッドに飛び込んだティールはその柔らかさに満足げな顔を浮かべる。
「流石都会って感じだな。村とは人の多さも活気も全然違う。というか……都会にはあんな人がたくさんいるのか?」
ティールの頭の中には先程冒険は登録を担当して貰ったリーナの顔……そいて体型が浮かんでいた。
(リースさんもエルフという要素が加わって本当に綺麗だったけど、あの人は別に長身って訳じゃ無さそうだけど……超可愛かった。そしてなんといってもデカかった)
今まで一度もあそこまで大きな乳は見た事が無かった。
あれはもはやある意味凶器と言えるのではとティールは思っている。
「そうえいば冒険者の初恋は受付嬢が多いってジンさんが言ってたな。確かにあれは惚れてしまうよ、いろんな意味で」
そう、色々な意味でリーナに見惚れてしまったティールのティールは元気になっている。
ジンの話は正しく、初めて出会った可愛い、もしくは美しい容姿を持つ受付嬢に対してマジで惚れてしまう冒険者は多くいる。
そしてそんな新人冒険者達はその受付嬢と付き合うために多くの依頼を達成してランクを上げて一人前の冒険者になれるように日々努力し続ける。
だが、そんな冒険者達の大半が残酷の現実に気付いてしまう。
才能が全てという訳では無いが、人々は皆どこかで壁にぶつかってしまう。
そんな時に諦めてしまうのか、それとも諦めずにぶつかり続けるのか。
だがぶつかり続けても壊せるかは分からない。
なので多くの冒険者達は途中で自分達が高嶺の花である受付嬢と付き合うなど、夢のまた夢だと解かってしまう。
「それで、受付嬢の功績を上げる為の便利冒険者として育てられてしまう人もいる……そう考えるとやっぱりちょっと恐ろしいと感じるな」
受付嬢は担当した冒険者に依頼達成率などで給料が変わってくる。
そしてギルドに届く依頼の中には冒険者達が避ける様な依頼も存在する。
そういった依頼を自身の魅力等を使って冒険者に依頼を受けて貰い、達成すれば上からの評価が上がる。
なので受付嬢の中には自分の評価や給料を上げる為に新人冒険者を扱いやすい自身の駒として育てようとうる受付嬢も存在する。
ベテランの冒険者達ならばそういったルーキーの頃は全く知らなかった情報を得られるので、受付嬢の駒として育てられてしまいそうなルーキーにそれとなく忠告する。
しかしルーキー達は優れた容姿やスタイルを持つ受付嬢達によいしょされ、自分は将来有望でこのまま上手く行けば本当に受付嬢と付き合えるかもしれないと思い、ベテランの忠告を聞き流す。
「でも、あんな可愛いくてスタイルが良い人に褒められたりお願いされたらなんでも言う事を聞いてしまうのは……解らなくも無いな」
ジンやリースから何度も忠告されているのでティールはその手に掛からない自信がある……のだが、それでも気持ちが少々揺らいでいる。
「よし、とりあえずご飯を食べてしまおう」
食堂に降りたティールは夕食を食べ、追加料金を払って料理を追加する。
「人が多くなってきたな」
夕食時には宿に泊まっている冒険者が冒険を終えて一杯飲んで食い始める。
そんな中で一人で食べているティールは少し寂しく思うが、冒険者を続けていれば信頼出来る仲間ができる筈だと思って追加で頼んだステーキに豪快にかぶりついて食べる。
「……ちょっと食べ過ぎたかな?」
夕食は追加で要らなかった思うが、それでも頼んだ料理は村ではめったに食べられない程の味をしたステーキだったので後悔は無い。
そして夕食を食べ終えたティールは自室で木魔法で風呂を造り、そこに火と水の魔力を混ぜた温水を入れてのんびりと浸かる。
「はぁ~~~~……力が抜ける~~~」
床に温水をこぼさない様に気を付けながら髪も体も洗い、残った温水や木の風呂はティールの意志で消える。
塗れた髪を掌から火と風の魔力を混ぜた温風で乾かし、寝間着に着替えたティールはベッドにダイブして直ぐに眠りにつく。
ティールが行った二つの属性魔力を混ぜて適性使用することはかなり技術が必要な行為なのだが……それを難なく行う。
それがどれほど凄い事なのかリースから教わったティールだが、本人はあまり理解していなかった。
「すいません、えっと……三泊ほど泊まりたいんですけど」
「三泊ですね。銅貨二十五枚になります。一食は基本料金が銅貨二枚になりますがどうしますか?」
「そうですねぇ……朝食と夕食分をお願いします」
「分かりました。えっと、銅貨八十七枚になります」
そこまで細かい銅貨を持っていないティールは銀貨を一枚渡し、十三枚の銅貨を受け取る。
「それではこちらがカギになりますので無くさないでくださいね。無くした場合は罰金がありますので」
「分かりました」
カギに付いている木の札の番号が書かれてある場所まで向かい、ドアを開ける。
部屋の中にはベッドに机と椅子に服を掛けるハンガーなどが置かれていた。
「……うん、超気持ち良いな」
早速ベッドに飛び込んだティールはその柔らかさに満足げな顔を浮かべる。
「流石都会って感じだな。村とは人の多さも活気も全然違う。というか……都会にはあんな人がたくさんいるのか?」
ティールの頭の中には先程冒険は登録を担当して貰ったリーナの顔……そいて体型が浮かんでいた。
(リースさんもエルフという要素が加わって本当に綺麗だったけど、あの人は別に長身って訳じゃ無さそうだけど……超可愛かった。そしてなんといってもデカかった)
今まで一度もあそこまで大きな乳は見た事が無かった。
あれはもはやある意味凶器と言えるのではとティールは思っている。
「そうえいば冒険者の初恋は受付嬢が多いってジンさんが言ってたな。確かにあれは惚れてしまうよ、いろんな意味で」
そう、色々な意味でリーナに見惚れてしまったティールのティールは元気になっている。
ジンの話は正しく、初めて出会った可愛い、もしくは美しい容姿を持つ受付嬢に対してマジで惚れてしまう冒険者は多くいる。
そしてそんな新人冒険者達はその受付嬢と付き合うために多くの依頼を達成してランクを上げて一人前の冒険者になれるように日々努力し続ける。
だが、そんな冒険者達の大半が残酷の現実に気付いてしまう。
才能が全てという訳では無いが、人々は皆どこかで壁にぶつかってしまう。
そんな時に諦めてしまうのか、それとも諦めずにぶつかり続けるのか。
だがぶつかり続けても壊せるかは分からない。
なので多くの冒険者達は途中で自分達が高嶺の花である受付嬢と付き合うなど、夢のまた夢だと解かってしまう。
「それで、受付嬢の功績を上げる為の便利冒険者として育てられてしまう人もいる……そう考えるとやっぱりちょっと恐ろしいと感じるな」
受付嬢は担当した冒険者に依頼達成率などで給料が変わってくる。
そしてギルドに届く依頼の中には冒険者達が避ける様な依頼も存在する。
そういった依頼を自身の魅力等を使って冒険者に依頼を受けて貰い、達成すれば上からの評価が上がる。
なので受付嬢の中には自分の評価や給料を上げる為に新人冒険者を扱いやすい自身の駒として育てようとうる受付嬢も存在する。
ベテランの冒険者達ならばそういったルーキーの頃は全く知らなかった情報を得られるので、受付嬢の駒として育てられてしまいそうなルーキーにそれとなく忠告する。
しかしルーキー達は優れた容姿やスタイルを持つ受付嬢達によいしょされ、自分は将来有望でこのまま上手く行けば本当に受付嬢と付き合えるかもしれないと思い、ベテランの忠告を聞き流す。
「でも、あんな可愛いくてスタイルが良い人に褒められたりお願いされたらなんでも言う事を聞いてしまうのは……解らなくも無いな」
ジンやリースから何度も忠告されているのでティールはその手に掛からない自信がある……のだが、それでも気持ちが少々揺らいでいる。
「よし、とりあえずご飯を食べてしまおう」
食堂に降りたティールは夕食を食べ、追加料金を払って料理を追加する。
「人が多くなってきたな」
夕食時には宿に泊まっている冒険者が冒険を終えて一杯飲んで食い始める。
そんな中で一人で食べているティールは少し寂しく思うが、冒険者を続けていれば信頼出来る仲間ができる筈だと思って追加で頼んだステーキに豪快にかぶりついて食べる。
「……ちょっと食べ過ぎたかな?」
夕食は追加で要らなかった思うが、それでも頼んだ料理は村ではめったに食べられない程の味をしたステーキだったので後悔は無い。
そして夕食を食べ終えたティールは自室で木魔法で風呂を造り、そこに火と水の魔力を混ぜた温水を入れてのんびりと浸かる。
「はぁ~~~~……力が抜ける~~~」
床に温水をこぼさない様に気を付けながら髪も体も洗い、残った温水や木の風呂はティールの意志で消える。
塗れた髪を掌から火と風の魔力を混ぜた温風で乾かし、寝間着に着替えたティールはベッドにダイブして直ぐに眠りにつく。
ティールが行った二つの属性魔力を混ぜて適性使用することはかなり技術が必要な行為なのだが……それを難なく行う。
それがどれほど凄い事なのかリースから教わったティールだが、本人はあまり理解していなかった。
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