異世界帰還者の無人島ライフ(但し王女付き)

こうじ

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王女様がやって来た!?

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「今日も大漁、大漁と♪」

 バケツいっぱいの魚を手に俺はホクホクの笑顔で自宅であるログハウスに帰って来た。

「今日は何して食べようかな、偶には串に刺して焼き魚にするか」

 俺は釣ってきた魚を捌いて内臓と骨を取り、串に刺し塩を振った。

 外に出て薪を焚べてパチンと指を鳴らした。

 ボッという音と共に火がついてメラメラと燃えている。

 焚き火の周辺に魚を刺して焼けるのを待つ。

 香ばしい匂いが辺りを漂ってくる。

「なんか懐かしいよなぁ……、軍にいた頃はみんなでこうして食べていたんだよなぁ」

 急に異世界での事を思い出した。

「そういえばエリーゼ姫、どうしてるかな……」

 エリーゼ姫というのは俺達を召喚した国のお姫様で、本当にこの世に存在するとは思えないぐらいの美少女だ。

 エリーゼ姫以外にも王女とか王子はいるんだけど俺みたいな1兵士なんて相手にもされない。

 そんな中でもエリーゼ姫だけは俺にも優しく接してくれた。

 そういえばこうして焚き火をしながら色々話したよな……。

 あの世界がどうなったかは興味無いけどエリーゼ姫だけは幸せになっていて欲しい、そんな事を思っていた。

 そんな時にある気配を感じた。

「え、魔力反応? しかも近づいてきてる?」

 よくよく耳を研ぎ澄ますと足音が聞こえる。

 しかも、人の足音だ。

 俺は思わず身構えた。

 そして、森の方からその人影を確認する事が出来た。

「え……?」

 俺はその人物を見て言葉を失った。

「もしかして……、ユウイチ様ですか?」

「エリーゼ姫っ!?」

 その人物は先程思っていたエリーゼ姫、その人だった。

「あぁ……、ユウイチ様お会いしたかったです」

 俺の顔を見て涙ぐむエリーゼ姫。

「な、なんでエリーゼ姫が……、ここ日本ですよっ!?」

「えぇ、そうです。 転移陣を使って来ました」

 よくよく見たらエリーゼ姫の服はボロボロだった。

「もしかして国に何かあったんですか?」

「はい……、国は崩壊してしまいました」

 崩壊?

 何があったんだ?    
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