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アメリア④
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「聖女様が現れた?」
「あぁ、これから騒々しくなるだろうが少し我慢してくれ」
アメリアはロナウドから聖女の話を聞いていた。
「私と王太子様の婚約はどうなるんでしょうか……」
「国王ともその話をしてきたんだが……、多分白紙になるだろうな。筆頭と言っても一公爵家よりも聖女と縁を繋いだ方が王家としては良いだろう」
「そうですか……」
「アメリア、もしかしてホッとしているだろう?」
「えっ!? ……そうですね、内心ホッとしているし喜びがあります」
「私だって嬉しいよ、あんな面倒な王家と繋がらなくて良いんだからな」
「お父様、不敬になりますよ」
「いいんだよ、それにこれで決心がついたからな」
「決心?」
「あぁ、私は隠居する事にしたよ。 もう面倒な貴族生活は懲り懲りだ」
「えっ、あの話本気だったんですかっ!?」
「本気だよ、半年後には手続きが完了して自由の身だ」
「いつの間に……、それでこの家はどうなるんですか?」
「弟に譲るよ、マリアとは別れる予定だし」
「お母様とっ!?」
「アイツは私よりスチュアートの方が大事だからな」
その言葉でアメリアは全てを察した。
「なんか全てが腑に落ちました……、お母様は私の事を愛して無かったんですね」
「辛いと思うが私もそう思っている。 それでどうする?」
「私、お父様に付いていきます。私も貴族生活は性に合っていません」
迷う事は無かった。
そして、半年後アメリアとロナウドは イッシュロイヤー公爵家から籍を抜き貴族では無くなった。
勿論、アメリアと王太子の婚約は白紙となったがその際王家の誰かとの婚約の話も出ていたが丁寧にお断りをした。
「あぁ、これから騒々しくなるだろうが少し我慢してくれ」
アメリアはロナウドから聖女の話を聞いていた。
「私と王太子様の婚約はどうなるんでしょうか……」
「国王ともその話をしてきたんだが……、多分白紙になるだろうな。筆頭と言っても一公爵家よりも聖女と縁を繋いだ方が王家としては良いだろう」
「そうですか……」
「アメリア、もしかしてホッとしているだろう?」
「えっ!? ……そうですね、内心ホッとしているし喜びがあります」
「私だって嬉しいよ、あんな面倒な王家と繋がらなくて良いんだからな」
「お父様、不敬になりますよ」
「いいんだよ、それにこれで決心がついたからな」
「決心?」
「あぁ、私は隠居する事にしたよ。 もう面倒な貴族生活は懲り懲りだ」
「えっ、あの話本気だったんですかっ!?」
「本気だよ、半年後には手続きが完了して自由の身だ」
「いつの間に……、それでこの家はどうなるんですか?」
「弟に譲るよ、マリアとは別れる予定だし」
「お母様とっ!?」
「アイツは私よりスチュアートの方が大事だからな」
その言葉でアメリアは全てを察した。
「なんか全てが腑に落ちました……、お母様は私の事を愛して無かったんですね」
「辛いと思うが私もそう思っている。 それでどうする?」
「私、お父様に付いていきます。私も貴族生活は性に合っていません」
迷う事は無かった。
そして、半年後アメリアとロナウドは イッシュロイヤー公爵家から籍を抜き貴族では無くなった。
勿論、アメリアと王太子の婚約は白紙となったがその際王家の誰かとの婚約の話も出ていたが丁寧にお断りをした。
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