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幕間 リコット、会議に出席する

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 貴族会議は城内にある大会議室で行われる。

(ここが大会議室かぁ、やはり実際に見ると違うな)

 リコットは独特の空気が漂っている大会議室の自分の席に座っていたがまだ会議が始まる前から疲れていた。

 いきなり伯爵家を継いだ為に他の主たる貴族に挨拶が出来ていなかった為、始まる前に挨拶回りをしていたのだ。

「この度リディアール伯爵家を継いだリコット・リディアールと申します。若輩者なのでご鞭撻の程をよろしくお願いいたします」

 この台詞を短時間で何回使い何回頭を下げただろうか。

(でも、好感触だったのは良かったな、同情も入っていたかもしれないけど)

 リコットの挨拶に対して貴族の対応は概ね良かった。

 事情が既に知られているみたいで「君も大変だね」とか「期待してるよ」等温かい声をいただいた。

(とりあえずは合格点かな)

 まず1つ目の壁は越えたので一安心である。

「それでは時間になりましたので今年度の貴族会議を開催致します」

 議長の声で場内は静まり返る。

「まずは王族を代表し王妃様からご挨拶がございます」

(あの方が王妃か、堂々とされているな)

「皆様、本日は忙しい中貴族会議にご参加していただきありがとうございます。皆様にはご存知かもしれませんが息子である王太子を巡る一連の騒動でご迷惑をかけて申し訳ありません」

 王妃はそう言い頭を下げた。

「騒動の責任を取り私並びに国王は王籍を辞する事になりました。この会議が最後の公務となります。最後まで全うさせていただきますのでよろしくお願いいたします」

 言い終わると場内から拍手が起こった。

(流石だな、これが国民から支持を受ける理由の1つか)

 リコットは王族の中でも王妃が国民の間で人気がある理由をなんとなくだが理解した、

「それでは最初の議題ですがティアント公爵家に対する処分についてです」

(いきなりレスナー嬢の実家の事からか)

 議場の真ん中には証人席が用意されておりこれから尋問が行われる、所謂公開裁判である。

 証人席には公爵が座っているがその顔は明らかに悪かった。

 この数ヶ月間でかなり年を取った様に思われる。

 その姿に場内はざわついている。

「静粛に、これよりティアント公爵にお聞きしたい事があります。このやり取りは記録されるので正直にお応えください」

 こうして尋問が始まった。  
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