24 / 33
幕間 リコット、事件の詳細を聞きに行く
しおりを挟む
翌日、リコットは詳細を聞く為に特別警備隊の詰所に来ていた。
「すいません、リディアール伯爵の息子のリコットと言います。父上の件について聞きたいんですが……」
「リディアール伯爵ですか? ちょっとお待ち下さい」
受付に来た事を伝えると受付は席を外し奥に消えた。数分後にはある騎士がリコットの元にやってきた。
「特別警備隊薬物捜査部のレイアンと言います。今回の事件の担当をしています」
「リコット・リディアールです。今回は家の両親が申し訳ありません」
「いえいえ、貴方も大変ですね」
レイアンと名乗った男性は流石は警備隊所属だろう、非常に体格が良い。
「それで今両親は……」
「現在、取り調べを受けていますが余り協力的ではありません。自分達は被害者だ、と喚き散らしています」
「重ね重ね申し訳ありません……」
リコットは穴があったら入りたい気分になった。
素直に取り調べを受ければ良いものを心象の悪い態度を取ればどうなるかわかるはずである。
それとも本当に自分達は悪くない、と思っているのか。
多分そう思っているんだろうな、とリコットは心の中でため息を吐いた。
「事件については捜査中の為、詳細は話せませんが我々は前からある高位貴族が薬物に関与している、という話を掴んでいました。そして、別荘で薬物乱用パーティーが行われる、という情報を掴み我々はその会場に踏み込んだのです」
「そのパーティーに両親が参加していたんですか?」
「えぇ、リディアール伯爵夫妻は既に薬物中毒の症状が出ていました。リコット殿は異変を感じませんでしたか?」
「いえ……、両親とは余り関係は良く無かったので」
「そうですか、まぁ家族でも色々ありますからね……、ただご実家の方にも家宅捜索をさせていただく事になります」
「それは全然構いませんよ」
リコットは詰所を後にしたが足取りは重かった。
「すいません、リディアール伯爵の息子のリコットと言います。父上の件について聞きたいんですが……」
「リディアール伯爵ですか? ちょっとお待ち下さい」
受付に来た事を伝えると受付は席を外し奥に消えた。数分後にはある騎士がリコットの元にやってきた。
「特別警備隊薬物捜査部のレイアンと言います。今回の事件の担当をしています」
「リコット・リディアールです。今回は家の両親が申し訳ありません」
「いえいえ、貴方も大変ですね」
レイアンと名乗った男性は流石は警備隊所属だろう、非常に体格が良い。
「それで今両親は……」
「現在、取り調べを受けていますが余り協力的ではありません。自分達は被害者だ、と喚き散らしています」
「重ね重ね申し訳ありません……」
リコットは穴があったら入りたい気分になった。
素直に取り調べを受ければ良いものを心象の悪い態度を取ればどうなるかわかるはずである。
それとも本当に自分達は悪くない、と思っているのか。
多分そう思っているんだろうな、とリコットは心の中でため息を吐いた。
「事件については捜査中の為、詳細は話せませんが我々は前からある高位貴族が薬物に関与している、という話を掴んでいました。そして、別荘で薬物乱用パーティーが行われる、という情報を掴み我々はその会場に踏み込んだのです」
「そのパーティーに両親が参加していたんですか?」
「えぇ、リディアール伯爵夫妻は既に薬物中毒の症状が出ていました。リコット殿は異変を感じませんでしたか?」
「いえ……、両親とは余り関係は良く無かったので」
「そうですか、まぁ家族でも色々ありますからね……、ただご実家の方にも家宅捜索をさせていただく事になります」
「それは全然構いませんよ」
リコットは詰所を後にしたが足取りは重かった。
0
お気に入りに追加
199
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~
ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。
そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。
自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。
マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――
※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。
※第二章まで完結してます。現在、最終章について考え中です(第二章が考えていた話から離れてしまいました(^_^;))
書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m
※小説家になろう様にも投稿しています。
今さら帰ってこいなんて言われても。~森に移住した追放聖女は快適で優雅に暮らす~
ケンノジ
ファンタジー
「もうお前は要らない女だ!」
聖女として国に奉仕し続けてきたシルヴィは、第一王子ヴィンセントに婚約破棄と国外追放を言い渡される。
その理由は、シルヴィより強い力を持つ公爵家のご令嬢が現れたからだという。
ヴィンセントは態度を一変させシルヴィを蔑んだ。
王子で婚約者だから、と態度も物言いも目に余るすべてに耐えてきたが、シルヴィは我慢の限界に達した。
「では、そう仰るならそう致しましょう」
だが、真の聖女不在の国に一大事が起きるとは誰も知るよしもなかった……。
言われた通り国外に追放されたシルヴィは、聖女の力を駆使し、
森の奥で出会った魔物や動物たちと静かで快適な移住生活を送りはじめる。
これは虐げられた聖女が移住先の森の奥で楽しく幸せな生活を送る物語。
もう、あなたを愛することはないでしょう
春野オカリナ
恋愛
第一章 完結番外編更新中
異母妹に嫉妬して修道院で孤独な死を迎えたベアトリーチェは、目覚めたら10才に戻っていた。過去の婚約者だったレイノルドに別れを告げ、新しい人生を歩もうとした矢先、レイノルドとフェリシア王女の身代わりに呪いを受けてしまう。呪い封じの魔術の所為で、ベアトリーチェは銀色翠眼の容姿が黒髪灰眼に変化した。しかも、回帰前の記憶も全て失くしてしまい。記憶に残っているのは数日間の出来事だけだった。
実の両親に愛されている記憶しか持たないベアトリーチェは、これから新しい思い出を作ればいいと両親に言われ、生まれ育ったアルカイドを後にする。
第二章
ベアトリーチェは15才になった。本来なら13才から通える魔法魔術学園の入学を数年遅らせる事になったのは、フロンティアの事を学ぶ必要があるからだった。
フロンティアはアルカイドとは比べ物にならないぐらい、高度な技術が発達していた。街には路面電車が走り、空にはエイが飛んでいる。そして、自動階段やエレベーター、冷蔵庫にエアコンというものまであるのだ。全て魔道具で魔石によって動いている先進技術帝国フロンティア。
護衛騎士デミオン・クレージュと共に新しい学園生活を始めるベアトリーチェ。学園で出会った新しい学友、変わった教授の授業。様々な出来事がベアトリーチェを大きく変えていく。
一方、国王の命でフロンティアの技術を学ぶためにレイノルドやジュリア、ルシーラ達も留学してきて楽しい学園生活は不穏な空気を孕みつつ進んでいく。
第二章は青春恋愛モード全開のシリアス&ラブコメディ風になる予定です。
ベアトリーチェを巡る新しい恋の予感もお楽しみに!
※印は回帰前の物語です。
マルフィル嬢の日々
夏千冬
恋愛
第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。
それも王命により屋敷に軟禁状態。肉襦袢を着込んだ肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!
改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットを始めた。そして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することをスタート目標に、更生計画を開始する!
※こちらはアルファポリス様、小説家になろう様で投稿させて頂きました「婚約破棄から〜2年後〜からのおめでとう」の連載版です。タイトルは仮決定です。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる