婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ

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幕間 奴隷事件の余波

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 シューラが出て行ったコーンラッド国。

 前王太子であるディーナが起こした婚約破棄騒動はコーンラッド国に大ダメージを与えていた。

 外交はマウントの取り合いみたいな物で1つでも隙を見せれば影響が出る。

 なんとか噂になる前に早々に決着をつけようと国王を含めた上層部は関係各位に厳しい処分を言い渡した。

 それで全て解決がと思っていたが良くない事は立て続けに起こる物でリンダー国から書状が届き国王は頭を抱えていた。

 それはリンダー国で起こった奴隷の違法売買に関してコーンラッド国の奴隷業者が関係しているので調査を行い直ちに引き渡す様に、との通達だった。

 しかもご丁寧に近隣国、特にもっとも領地が広い帝国の署名までついている。

 近隣国は帝国を中心に同盟を組んでいて判断を間違えると下手したらコーンラッド国が地図から消える可能性が出てくる。

 国王はすぐに調査をする様に指示を出した。

 そして、その調査結果に頭を抱えた。

 問題の奴隷業者はコーンラッド国内でも多くの貴族と取り引きを行っていた。

 そして貴族の中には人身売買に協力する輩もいたのだ。

 つまりは支配する領内で生活に苦しい家族の子供を奴隷業者に売り懐に入れていたのだ。

 余りにもモラルの無さに国王は顔面蒼白となっていた。

 すぐに国王は奴隷に関わった貴族達に処分を言い渡した。

 簡単に言うと財産没収の上、取り潰しとなった。

 婚約破棄騒動で減った貴族の数は更に減ってしまった。

 取り潰しとなった家にはシューラと婚約関係を結んでいたミモンド侯爵家も入っており勿論婚約は解消となった。

 シューラの実家は関係性を疑われた物の関わり合いは無かった、と判断されお咎めは無かった。

 ミモンド侯爵家の面々は侯爵、夫人、更にシューラの元婚約者である令嬢は捕縛され裁判の結果、奴隷落ちとなった。

 ただ、ミモンド侯爵家にはもう一人娘がいた。

 レイラ・ミモンドはただ1人処分を逃れた物の頼る者がいない。

 そこで彼女はリンダー国に行く事にした。

 そこでまさか姉の元婚約者に会うとは思っていなかった。 
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