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ギルドに戻って来た、そして面倒事に巻き込まれそうだ
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ギルドに戻って来た俺はすぐに受付に向かった。
「おかえりなさい、ってどうしたんですか? その背中の娘」
「森で倒れてたんだ、悪いけど治癒士の手配をしてくれないか」
「わかりました、専属の治癒士がいますので呼んできます。その娘は長椅子に寝かせてください」
俺は獣人の少女を降ろし長椅子に寝かせた。
すぐに受付の女性と共に治癒士がやって来た。
「この女の子ですか、すぐに診ましょう」
そう言って治癒士は少女のお腹に手を当てた。
「ふむ……。どうやら毒に当たったみたいですね。すぐにでも薬を調合しましょう、ただ……」
「ただ? 他にも問題があるのか?」
「彼女、腕やら足やらに叩かれた跡がありますね。 彼女、暴力を受けていたんじゃないでしょうか」
言われて初めて気がついた。
「それとこの首輪、これは奴隷の印ですが国が認めている印とは違いますね」
「えっと、どういう事だ?」
「あぁ、お二人はこの国に来て間もないからご存知無いと思いますが我が国には奴隷制度があるんですがある程度の人権は認められているんです。例えば理不尽な命令や暴力を受けた場合は訴えを起こす事も可能ですし賃金や住まいも保証されています」
受付嬢の説明を聞いて母国よりも最先端な考え方に驚き感心した。
「ただ、まだまだ完璧ではなくてこうして被害者が出てしまうのも事実です。それとさっきの印ですが合法の奴隷業者には公認の印が与えられるんですがこの娘の場合は印が違っていて違法の奴隷業者が扱っていたんじゃないか、と思います」
「じゃあこの痣はその業者に付けられた、という事か」
「もしくは雇い主ではないか、と。どっちにしてもこれは騎士団に通報しないといけない事案です」
……あれ? 初日から厄介事に巻き込まれてる?
「おかえりなさい、ってどうしたんですか? その背中の娘」
「森で倒れてたんだ、悪いけど治癒士の手配をしてくれないか」
「わかりました、専属の治癒士がいますので呼んできます。その娘は長椅子に寝かせてください」
俺は獣人の少女を降ろし長椅子に寝かせた。
すぐに受付の女性と共に治癒士がやって来た。
「この女の子ですか、すぐに診ましょう」
そう言って治癒士は少女のお腹に手を当てた。
「ふむ……。どうやら毒に当たったみたいですね。すぐにでも薬を調合しましょう、ただ……」
「ただ? 他にも問題があるのか?」
「彼女、腕やら足やらに叩かれた跡がありますね。 彼女、暴力を受けていたんじゃないでしょうか」
言われて初めて気がついた。
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「えっと、どういう事だ?」
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受付嬢の説明を聞いて母国よりも最先端な考え方に驚き感心した。
「ただ、まだまだ完璧ではなくてこうして被害者が出てしまうのも事実です。それとさっきの印ですが合法の奴隷業者には公認の印が与えられるんですがこの娘の場合は印が違っていて違法の奴隷業者が扱っていたんじゃないか、と思います」
「じゃあこの痣はその業者に付けられた、という事か」
「もしくは雇い主ではないか、と。どっちにしてもこれは騎士団に通報しないといけない事案です」
……あれ? 初日から厄介事に巻き込まれてる?
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