ドアマットヒロインにはなりません!

こうじ

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聞こえてきた元実家の噂

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 エリーナ様と会ってから数日後、学院は休暇に入った。

(入ったのは良いけど特にやる事も無いのよね……)

 勿論、休暇期間中は課題があってドリルをやったり自由研究とか読書感想文とかもあったりする。

「こういうのは先延ばしにしない方がいいのよ、後々痛い目に遭うのは自分なんだから」

「うわ、正論過ぎてぐうの音も出ない」

 現在スラーヌが遊びに来ている、というか何故か休暇をどう過ごすかという話し合いをしている。

「スラーヌは実家の手伝いするんじゃなかったの?」

「そのつもりだったんだけどね、お父さんが『学生の本分は勉強なんだからそっちに集中しなさい』て……、要は私の出る隙は無いみたい」

 こっちも正論で切ってきたか。

「だからリリアナと一緒にいれば課題とかも楽勝かな、と思って」

「頼ってくれるのはありがたいけどそんなに力は貸さないよ」

「ぐはっ! 思惑がバレてるっ!」

 まぁ1人で過ごすよりかは友人と一緒に過ごす方が楽しいだろう。

「そういえばさ、ヘンデル公爵家って今危ないらしいよ、お父さんが言ってた」

 内心ドキッとした。

 スラーヌは私がヘンデル公爵令嬢だった事は勿論知らないし言っていない。

 でも、こうして話題に上がるというのは現実に危ないんだろう。

「危ない、てどういう意味で?」

「う~ん、なんでも借金で首が回らない状態なんだって」

 私がいなくなって散財したのか、事業が失敗したのか。

 まぁお父様主導だったら避けられなかったかもしれない。

 公爵家が手掛けていた事業って実はお母様発案だった物が多い。

 今頃、お母様の偉大さを思い知っているかもしれない。

「それに再婚されたらしいんだけどその人が好き勝手やってるみたいでだんだん人が離れてるんだって。 凄い感情が激しいみたいだよ。 王家も知ってるみたいでもしかしたら何らかの対応を取るかもしれないみたい」

 ……積んだな。

 
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