王都ギルドを追放された『罠師』、田舎ギルドで成り上がる

罠師、現状を把握する

　マイリスは机の上にこの村の地図を広げた。
「魔獣は村の裏にある森の方から現れて畑を荒らしたり人家に押し入って物を盗んだりたまに人を襲ったりするんです。」
　地図には家に×マークがついてある。
「この×がついているのが襲われた家、て言う事だな？」
「はい、何度か侵入されて結果、村を出ていってしまいました。」
「その時、住人は襲われなかったのか？」
「はい、物を盗むだけで人に被害は出ませんでした。」
「でも、人にも被害は出たんだろ？」
「えぇ、でも命に別状は無くて怪我をしたりするぐらいです。」
　マイリスの話を聞いて腕組みをして考えた。
　多分、魔獣は一種類だけでは無いはず、複数の魔獣が襲って来ている。
　それと家の物を盗んでも人を襲わない、というのも気になる。
　魔獣は敵と認定すると人でも家畜でも関係無く襲う。
　でも、マイリスの話だとどうも背後に何かいそうな気がする。
　あくまで予感なんだけどな。
「とりあえず現状は把握した。早速対策を取る事にするか。」
「対策てどうするんですか？」
「俺は罠師だ。罠を仕掛けるしかないだろ？　まずは畑に仕掛けよう。後、森の入口にもだ。」　
　俺は行動を開始した。