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罠師、事情を聞く
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「一体何があったんだ? 俺が出ていく時はこんなに寂れて無かったはずだ。」
「実は数年前から『魔獣』が頻繁に現れる様になって・・・・・・。」
「魔獣だってっ!?」
『魔獣』というのは魔力を持った獣の事。
普通の野獣よりも狂暴で頭も良く厄介な生き物だ。
「畑を食い荒らし、村人を襲い・・・・・・、段々と村から人が減っていきました。」
なるほど、魔獣にターゲットにされている村なんて誰も住みたくないよな。
「でも、何か対策をとっていないのか?」
「えぇ、何度か国に援助も要請しましたし、王都のギルドにも依頼はしました。」
「依頼? いや、そんな話は聞いて無かったし話題にも出なかったぞ。」
「所詮は田舎の村の事ですから、滅んでも問題は無いんでしょうね・・・・・・。」
フッと乾いた笑いを見せるマイリス。
「ですから、国に頼る事は止めて自分達の村は自分達で守ろう、と決意してこの村にギルドを作ったんです。」
「そうだったのか・・・・・・。何にも知らなかったよ、定期的に様子を見に帰って来れば良かったな。すまない。」
「ディオンドさんが悪い訳じゃありませんよっ!! でも『ルディ』さん達には手紙を出して現状を伝えたはずなんですけど・・・・・・。」
「・・・・・・アイツらは変わったよ。王都の生活になれちゃって昔のアイツらじゃ無くなった。俺はアイツらから追い出されたからな。」
「えぇっ!? あんなに仲良かったのにっ!?」
マイリスも昔の俺達の関係を知っているから信じられない、と思う。
ルディというのは俺の幼馴染みで俺が所属していたパーティーのリーダーだ。
そして、俺を率先して追い出した奴だ。
俺は王都での5年間の話をした。
アイツらとの関係の変化、俺の罠師の力も含めて。
マイリスは真剣に俺の話を聞いてくれた。
「酷すぎますっ!! いくらディオンドさんが能力が低くてもずっと幼い頃からの関係を潰して良い理由にはありませんっ!!」
マイリスはそう言って怒ってくれた。
その気持ちだけで俺は嬉しくて泣きたくなった。
「それにディオンドさんの力、この村に必要かもしれません。」
「て言ってもダンジョンでしか役に立たないし、魔獣に通用するかわからないぞ。」
「それでも良いんです! ディオンドさんがこの村に帰って来たのはきっとこの村に必要だからなんですよ!」
必要、か・・・・・・。
人に頼られるなんて何年ぶりだろうか、ここ数年は無かった。
その言葉を聞いただけで俺は嬉しかった。
「実は数年前から『魔獣』が頻繁に現れる様になって・・・・・・。」
「魔獣だってっ!?」
『魔獣』というのは魔力を持った獣の事。
普通の野獣よりも狂暴で頭も良く厄介な生き物だ。
「畑を食い荒らし、村人を襲い・・・・・・、段々と村から人が減っていきました。」
なるほど、魔獣にターゲットにされている村なんて誰も住みたくないよな。
「でも、何か対策をとっていないのか?」
「えぇ、何度か国に援助も要請しましたし、王都のギルドにも依頼はしました。」
「依頼? いや、そんな話は聞いて無かったし話題にも出なかったぞ。」
「所詮は田舎の村の事ですから、滅んでも問題は無いんでしょうね・・・・・・。」
フッと乾いた笑いを見せるマイリス。
「ですから、国に頼る事は止めて自分達の村は自分達で守ろう、と決意してこの村にギルドを作ったんです。」
「そうだったのか・・・・・・。何にも知らなかったよ、定期的に様子を見に帰って来れば良かったな。すまない。」
「ディオンドさんが悪い訳じゃありませんよっ!! でも『ルディ』さん達には手紙を出して現状を伝えたはずなんですけど・・・・・・。」
「・・・・・・アイツらは変わったよ。王都の生活になれちゃって昔のアイツらじゃ無くなった。俺はアイツらから追い出されたからな。」
「えぇっ!? あんなに仲良かったのにっ!?」
マイリスも昔の俺達の関係を知っているから信じられない、と思う。
ルディというのは俺の幼馴染みで俺が所属していたパーティーのリーダーだ。
そして、俺を率先して追い出した奴だ。
俺は王都での5年間の話をした。
アイツらとの関係の変化、俺の罠師の力も含めて。
マイリスは真剣に俺の話を聞いてくれた。
「酷すぎますっ!! いくらディオンドさんが能力が低くてもずっと幼い頃からの関係を潰して良い理由にはありませんっ!!」
マイリスはそう言って怒ってくれた。
その気持ちだけで俺は嬉しくて泣きたくなった。
「それにディオンドさんの力、この村に必要かもしれません。」
「て言ってもダンジョンでしか役に立たないし、魔獣に通用するかわからないぞ。」
「それでも良いんです! ディオンドさんがこの村に帰って来たのはきっとこの村に必要だからなんですよ!」
必要、か・・・・・・。
人に頼られるなんて何年ぶりだろうか、ここ数年は無かった。
その言葉を聞いただけで俺は嬉しかった。
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