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12月24日(月)

第74話

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 ベッドヘッドに背中を預けて、足を開いた。いや、正確に言うと、開かされた。
 暁斗のされるがままになっている自分が、少し情けない気もしたが、あまり深く考えないようにして、視線を逸らした。視線の端で、暁斗が煩わしそうに、着ていたシャツを脱ぎ捨てているのが見えた。

 ローションを下着の上から垂らされて、ぎょっとする。

「冷たい」
「すぐに温まりますよ」

 暁斗が小首を傾げて、ゆっくりと下着の上からぺニスに塗り込むように大きな手で覆ってきた。そうして、わざとらしく、ぐちゅぐちゅと音を立てながらしごかれる。温まった粘液が下着を重くして、布越しに暁斗の指を感じると、変な声が出そうになって、手の甲で口を抑えた。

「こっちにも、垂れてきてますね」
「やめ、……ん、」

 睾丸を撫でていた指が、探るように尻の溝に下りて擦られる。ローションが足されて、下着ごとアナルに指を挿れられるようで、でも、それだと浅くて、奥から疼き出す熱に身体が火照る。

 額に汗がじわりと滲んだ。

「う、……ん、」

 下着の隙間から手を差し入れられて、直接、アナルに触れられるとダメだった。早く奥に欲しくて、ヒクつくのが自分でもわかった。暁斗も気づいたようで、クスッと小さく笑ったりするものだから、ぞわぞわと背筋が痺れて、涙腺が緩む。

「ーーぁ、ん、」

 指がズズッと挿ってくると、違和感よりも悦楽の方が勝って、少し戸惑う。
 口元に当てていた手を退かされれば、うっとりとした暁斗の視線と目が合った。震える唇に暁斗の唇が重なって、舌で口を開かされる。暁斗の口の中に、くぐもった嬌声が吸い込まれていくようで、羞恥に似た興奮が一段階沸き立って身体を一層熱くする。
 挿れられた指が探るように蠢きながら、ゆっくりと出し入れされると、気持ちよくて、頭がぼんやりとしてくる。

「暁斗、」

 堪えかねて、暁斗の首に両腕を回す。男の肌も、じんわりと汗ばみ、肌同士が張り付くようで、なんだか切ない気持ちになってしまう。体内の少し固い箇所を押し込まれて、スゥと血の気が引いた。

 暁斗に教え込まれた前立腺の辺りを揉まれると、尿意のようなじわじわした緩やかな悦楽が込み上げる。

 唇を離すと、熱い溜め息が漏れた。男の首に回していた腕に力を入れて縋るように抱きつくと、暁斗の指が抜けていく。
 男の手が腰に回り、促すようにベッドに寝かされる。のし掛かってくる男の体重が少し苦しい。体格差など、ほとんどないはずなのに、暁斗を大きく感じるのは、男らしい骨格とか筋肉の付かただとか、そういうものなのだろうか。

 目の前に、暁斗の耳があって、思わず唇を押し付けた。男の肩がビクリと揺れて、ああ、暁斗は耳が弱いのか、なんて可笑しくて、僅かに優越も感じて、息を吹きかけるようにして、舌を這わせた。暁斗が堪えきれないように小さく呻いて、頭を傾けて逃げる。
 困ったように見下ろしてくる暁斗は、頬を上気させていて、妙な色気を感じた。

「佑介、あんまり煽らないで下さい」
「えー?」

 胸の奥がきゅぅと締まったのを誤魔化すように笑って見せた。

 下着をずらされて、勃起したペニスが露にされる。暁斗が形を確かめるように、軽く扱いてきて、熱っぽい溜め息が漏れた。

 暁斗が片手で、自らの下着を下ろすと熱り立つペニスを見せつけるように晒してきて、息を飲む。
 亀頭同士を重ねるように宛がわれると、熱くて、固くて、暁斗の存在を強く感じられるような気がした。

「ベタベタしますね」
「……ローション、だろ……ん、ぁ、」

 熱を持った粘度の高い液体で、滑るように擦られれば、鼻にかかった甘い声が漏れた。
 暁斗が合わせたペニスを一緒に扱き始めて、その指先に熱が集まっていく。互いの浅い息遣いを重ねるように、唇を触れ合わせた。

 暁斗のぺニスの熱と指使いと、唇の感触を味わいながら、焦らされるように緩やかに登り詰めていく。アナルが締まって、中のローションが溢れてくるようで、ゾクゾクと背筋が粟立った。

「ん、はぁ……イク、かも……」

 閉じた瞼の向こうで、暁斗が薄く笑った気配がした。扱く指使いが、強く、早くなる。

「あ、あ、んん……ッーーー」

 集まった熱が一気に弾けて、目の前が一瞬眩む。自ら飛ばした熱い液体が腹を濡らした。

 心地好い射精の余韻に浸りながら、浅い息を整えていく。

「はぁ、ん、……?」

 とろりとした粘液が敏感なぺニスに垂らされて、驚いて瞼を開いた。

「あ、暁斗、イッたばっかりなんだけど」
「ええ、でも、こっちなら」

 暁斗が容器を傾けて、ローションを足すように垂らされていた。股間に溜まった液体を掬うようにして、暁斗の指がアナルに宛がわれ、思わず腰が引けた。

 ローションを塗り込むように、それでいて、からかうように、何度も穴の上を指で擦られる。そんな焦らされ方をされれば、先ほど中途半端に弄られた奥の疼きが大きくなって、自然と暁斗の指を追うように腰が揺れた。

「佑介、どうして欲しいですか?」
「……あ、……ん、……わかってるだろ」
「えー?」

 カァと顔が赤くなるのが、わかった。
 素っ恍けた男の顔を殴り倒したくなる。それでも、唇を噛んで羞恥に耐えるしかない。それから、目を伏せて、重い口を開いた。

「後ろ、弄ってほしい」

 暁斗は、ふっと満足そうに笑うと、立てた膝に軽く唇を押し当ててきた。

「いいですよ。いっぱい弄ってあげるんで、気持ちよくなってくださいね」





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