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制裁の舞台
第15幕
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「薫」
隼人は切なげに、想い人の名を呼んだ。好きだとか、愛しているだとか、そんな言葉を囁く資格もなく、隼人は、ただ、薫の名を口にした。
四つん這いで、顔をシーツに擦り寄せ、薫は唇を噛み締める。隼人の二本の指は、オメガの雌の穴をじっくりと解かすように挿入され、絡みつくような濡れた熱い肉壁の中を出し入れした。すでに愛液は溢れ返り、ぐちゅりぐちゅりと淫らな水音が、薫の羞恥心を刺激した。
「ん、あ、……」
薫は与えられる甘い快楽に身悶えながら、喘ぎ声を必死に抑えていた。そうしていると、ますます身体は快楽の逃げ場を失って、薫の中に淫らな愛欲が暴れるように渦巻いていく。心臓は冷えて、嫌悪感に冷や汗が溢れる。その汗は艶かしく白い肌を濡らして、より扇情的に男を煽ってしまう。 薫は快楽をねだるように、肢体を捩り、物欲しそうに腰を揺らした。
「薫、挿れるよ、」
十分すぎる程に蕩けさせた膣の中に、隼人はコンドームを付けた滾ったペニスをゆっくりと挿入する。淫らに絡み付く熱い肉壁は、悦んで男を迎え入れた。
「あ、ああぁッ」
待ち望んだ悦楽と耐え難い苦痛に、堪らず薫は艶やかな鳴き声を上げ、背中を反り返す。それから全身を震わせてシーツに沈んでいった。隼人は薫の背中を撫で、吸い付くようなその肌に口付ける。
博己は、薫の甘い喘ぎ声に我に返り、床に広げた薫の宝物を箱に詰め戻して、蓋をした。博己のやるべきことは完了し、机の引出しを閉めると、まるで何事もなかったかのように優雅に立ち上がった。
窓の外で、雲が動いた。月明かりが、強く差し込み、不意に黒い首輪が妖しく光った。薫が震える度に、首輪の下に隠しきれない、歯形がちらつき、隼人を混乱させた。
薫には、やはり番がいるのだろうか。
番がいるならば、フェロモンの質は変化して、番以外の男を誘惑するはずはない。けれど、甘いフェロモンは相変わらず、薫のうなじから沸き立ち、ベータの隼人ですら、こうして熱く滾らせている。
隼人は、ゆっくりと、深く腰を打ち付ける。腰を突く度に、薫はびくりと腰を揺らし、隼人のペニスを更に奥へと導くように肉壁が締め上げた。隼人は、堪らず熱い溜め息を吐きながら、薫の熱い体内を、じっくりと味わった。そうしていると、理性的な思考は鈍っていき、雄の本能だけが尖っていく。
既に手遅れであっても、薫はシーツを噛み締めて、喘ぎ声を漏らさぬように必死に耐えた。頬は悦楽に上気し、熱い涙が頬を伝う。余りにも鬱っぽく、淫らで、美しい。
隼人は、額から流れる汗を拭おうと、前髪をかきあげた。そうして、視線を僅かに上にあげると、薫の学習机の前に佇む男の存在に気がついた。
この愛の営みは、あの暴君の道楽の見世物である。
現実を思い出し、隼人は苦痛に顔を歪めた。隼人はゆっくりと腰を打ち付けながらも、この淫らなショーを強要した支配者を、鋭い眼光で睨み付けた。
博己は、下等なベータの取るに足らない些細な抵抗に可笑しそうに笑う。博己の悠然とした表情に、隼人はハッとして、こんな僅かな抵抗しかできない自分に、底知れぬ無力さを感じ、恥じ入るように目を伏せたのだった。
隼人は切なげに、想い人の名を呼んだ。好きだとか、愛しているだとか、そんな言葉を囁く資格もなく、隼人は、ただ、薫の名を口にした。
四つん這いで、顔をシーツに擦り寄せ、薫は唇を噛み締める。隼人の二本の指は、オメガの雌の穴をじっくりと解かすように挿入され、絡みつくような濡れた熱い肉壁の中を出し入れした。すでに愛液は溢れ返り、ぐちゅりぐちゅりと淫らな水音が、薫の羞恥心を刺激した。
「ん、あ、……」
薫は与えられる甘い快楽に身悶えながら、喘ぎ声を必死に抑えていた。そうしていると、ますます身体は快楽の逃げ場を失って、薫の中に淫らな愛欲が暴れるように渦巻いていく。心臓は冷えて、嫌悪感に冷や汗が溢れる。その汗は艶かしく白い肌を濡らして、より扇情的に男を煽ってしまう。 薫は快楽をねだるように、肢体を捩り、物欲しそうに腰を揺らした。
「薫、挿れるよ、」
十分すぎる程に蕩けさせた膣の中に、隼人はコンドームを付けた滾ったペニスをゆっくりと挿入する。淫らに絡み付く熱い肉壁は、悦んで男を迎え入れた。
「あ、ああぁッ」
待ち望んだ悦楽と耐え難い苦痛に、堪らず薫は艶やかな鳴き声を上げ、背中を反り返す。それから全身を震わせてシーツに沈んでいった。隼人は薫の背中を撫で、吸い付くようなその肌に口付ける。
博己は、薫の甘い喘ぎ声に我に返り、床に広げた薫の宝物を箱に詰め戻して、蓋をした。博己のやるべきことは完了し、机の引出しを閉めると、まるで何事もなかったかのように優雅に立ち上がった。
窓の外で、雲が動いた。月明かりが、強く差し込み、不意に黒い首輪が妖しく光った。薫が震える度に、首輪の下に隠しきれない、歯形がちらつき、隼人を混乱させた。
薫には、やはり番がいるのだろうか。
番がいるならば、フェロモンの質は変化して、番以外の男を誘惑するはずはない。けれど、甘いフェロモンは相変わらず、薫のうなじから沸き立ち、ベータの隼人ですら、こうして熱く滾らせている。
隼人は、ゆっくりと、深く腰を打ち付ける。腰を突く度に、薫はびくりと腰を揺らし、隼人のペニスを更に奥へと導くように肉壁が締め上げた。隼人は、堪らず熱い溜め息を吐きながら、薫の熱い体内を、じっくりと味わった。そうしていると、理性的な思考は鈍っていき、雄の本能だけが尖っていく。
既に手遅れであっても、薫はシーツを噛み締めて、喘ぎ声を漏らさぬように必死に耐えた。頬は悦楽に上気し、熱い涙が頬を伝う。余りにも鬱っぽく、淫らで、美しい。
隼人は、額から流れる汗を拭おうと、前髪をかきあげた。そうして、視線を僅かに上にあげると、薫の学習机の前に佇む男の存在に気がついた。
この愛の営みは、あの暴君の道楽の見世物である。
現実を思い出し、隼人は苦痛に顔を歪めた。隼人はゆっくりと腰を打ち付けながらも、この淫らなショーを強要した支配者を、鋭い眼光で睨み付けた。
博己は、下等なベータの取るに足らない些細な抵抗に可笑しそうに笑う。博己の悠然とした表情に、隼人はハッとして、こんな僅かな抵抗しかできない自分に、底知れぬ無力さを感じ、恥じ入るように目を伏せたのだった。
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