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1章
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~~~♪
部屋中に鳴り響く携帯のアラームが俺の意識を夢から現実へと引き戻す。
ゆっくりと体を起こして、机の上でまだ鳴り響いているアラームを止める。
「今日から学校か…」
久しぶりの早起きで怠く感じる体を無理矢理動かして制服に着替え、朝食を作る。
…風花はまだ眠っているのだろうか。
そろそろ起きないとどこの学校でも遅刻すると思うんだが。
仕方ない、起こしに行こう。
二階に上がり、風花の部屋のドアをノックする。
「おーい、風花?朝だよ起きろー」
…返事がない。直接起こさないと起きそうにないな。
部屋の中に入ると、優しくてほんのり甘い心地よい匂いがした。
女の子の部屋はいい匂いがするという男子の勝手な印象はどうやら妄想じゃなかったらしい。
「風花、もう朝だぞ。起きろー」
優しく体を揺するが、風花は気持ちよさそうに眠ったまま起きる気配はない。
「もう起きないと遅刻するって」
「んん…かず、くん…?」
風花はようやく目を開けると、じっと俺を見つめる。
「やっと起きたか?早くしないと朝ご飯が冷めるぞ」
「…かずくんだぁ♪」
やばい。これ寝ぼけてるやつだ。
風花はゆっくりと俺の首に手を回すと、そのまま俺ベッドへ抱き込もうとする。
「ちょっ…!?」
ベッドに引き込まれる寸前のところでなんとか耐えたが、顔近すぎ…っ!
「風花!これ夢じゃない、現実だ!起きてくれ!」
「ふぇ…?…ご、ごめん!私…っ」
ようやく意識が覚醒したのか、顔を真っ赤にした風花は即座に俺の首から手を離した。
「と、とにかく、朝食できてるから」
俺は足早に風花の部屋を後にした。
部屋中に鳴り響く携帯のアラームが俺の意識を夢から現実へと引き戻す。
ゆっくりと体を起こして、机の上でまだ鳴り響いているアラームを止める。
「今日から学校か…」
久しぶりの早起きで怠く感じる体を無理矢理動かして制服に着替え、朝食を作る。
…風花はまだ眠っているのだろうか。
そろそろ起きないとどこの学校でも遅刻すると思うんだが。
仕方ない、起こしに行こう。
二階に上がり、風花の部屋のドアをノックする。
「おーい、風花?朝だよ起きろー」
…返事がない。直接起こさないと起きそうにないな。
部屋の中に入ると、優しくてほんのり甘い心地よい匂いがした。
女の子の部屋はいい匂いがするという男子の勝手な印象はどうやら妄想じゃなかったらしい。
「風花、もう朝だぞ。起きろー」
優しく体を揺するが、風花は気持ちよさそうに眠ったまま起きる気配はない。
「もう起きないと遅刻するって」
「んん…かず、くん…?」
風花はようやく目を開けると、じっと俺を見つめる。
「やっと起きたか?早くしないと朝ご飯が冷めるぞ」
「…かずくんだぁ♪」
やばい。これ寝ぼけてるやつだ。
風花はゆっくりと俺の首に手を回すと、そのまま俺ベッドへ抱き込もうとする。
「ちょっ…!?」
ベッドに引き込まれる寸前のところでなんとか耐えたが、顔近すぎ…っ!
「風花!これ夢じゃない、現実だ!起きてくれ!」
「ふぇ…?…ご、ごめん!私…っ」
ようやく意識が覚醒したのか、顔を真っ赤にした風花は即座に俺の首から手を離した。
「と、とにかく、朝食できてるから」
俺は足早に風花の部屋を後にした。
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