その転校生、実は許嫁です

紙城香月

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プロローグ

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 高校二年の春休み、海外で働いている両親から珍しく電話がかかってきた。
 電話なんて滅多によこすことのないのに何かあったのだろうか・・・?

「もしもし」
『ハロー和人!元気にしてる~?』
『こっちは楽しくしてるぞ~!』

 二人ともかなりテンションが高い。恐らくお酒の席で電話をしているのだろう。先ほどから通話に入ってくる騒ぎ声で耳が痛い。

「で、どうかした?」
『喜べ和人、お前に許嫁ができた!』
『と言っても私たちが伝えるのを忘れていただけで、実はもっと前からいたんだけどね』
「・・・は?」

 なにそれ初耳なんだけど。

『これからのことも考えてお互いのことを知って仲を深めることが必要だ』
『てことで明日から家に住んでもらうことになったから、そこのところよろしくぅ!』
「ちょっと待ってください!?ちょ、父さん!?母さん!?」

 ・・・切れた。どうしよう、まだ事態がまったく把握できない。
 明日から同居?俺が?女の子と?二人きりで?いやいやあり得ないでしょ。そんな許嫁がいましたとか、一般高校生の俺にあるわけない。
 酒の席でテンションの上がった両親が勝手に言い出した悪い冗談だろう。
 とりあえずもう夜も遅いし寝よう。明日になったらきっといつもの日常が待ってるはずだ。


 
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