10 / 20
そして銀の竜は星と踊る
10.
しおりを挟む
狩猟祭の最初の収穫は、狐だった。一番矢はシグラッド。猟犬に勝るとも劣らない脚力で狐を追いまわし、狐の胴を矢で射た。
「皇帝陛下は素晴らしい俊足ですね。体力もおありです」
「竜の血のおかげなんだって。レギンほど濃すぎないから、ちょうどよくて、身体が丈夫だっていってた」
人々からはなれた場所で、イーズとシャールは湧き立つ人々を眺めていた。見事狐を仕留めた皇帝に、人々が賛辞の雨を降らせている。皇帝はあまり疲れた様子もなく、黄褐色の目を活き活きとかがやかせて、賞賛に応えていた。
「陛下はお強いのですか?」
「並みの騎士じゃ相手が務まらないって聞いた。へたに聞くと、手合わせしようっていわれそうで、怖いんだよね……」
イーズは弓を握りしめて、困ったように眉尻を下げる。シグラッドの放った矢は狐の胴に深く突き刺さり、従僕が抜くのに苦労していた。
「さて、私たちも獲りましょうか」
「何もなしじゃ、ティルギスの威信にかかわるもんね」
イーズは座っていた大きな石から腰を上げた。シグラッドが獲った狐は、ローラに贈られていた。クノルがニコニコと、土産代わりにどうぞ、と献上している。
「アルカ様がやってきてようやく一年だというのに、もう次の皇妃候補を選ぶとは、気の早いことです」
「でも、私は人質みたいなものだし、前の王様にもお妃様が複数いたし」
「何人もの女性を娶るのが悪いとはいいません。しかし、それにしたって、礼儀というものがあるでしょう。ローラ姫に贈り物をして、アルカ様にしないなんて話がありますか」
シャールは腰に手を当て、当の本人よりも憤慨していた。シグラッドとクノルをきつくにらむ。とくに、クノルの方を。
「――あっ」
「どうされました?」
「さっき、あっちで何か動いた。兎かも」
潅木の葉が揺れ、かさかさと音を立てていた。あまり大きくはなさそうだ。イーズは期待に胸を高鳴らせていると、草むらから野兎が飛び出してきた。イーズが一矢放つが、それは外れ、つづいて放たれたシャールの矢が獲物を射止めた。
「やった!」
イーズは飛び上がって喜び、兎へ駆け寄った。いただきます、と獲物に対して敬意を払ってから、兎の耳をつかんで持ち上げる。
「運がよかったね。猟犬も馬もないから、獲物を探すの大変だと思ってたのに」
「本当に」
「私もがんばって捕まえるよ」
イーズは兎を隠す場所を探して、周囲を見回した。すると、足元をネズミが駆け抜けていった。慌てた様子で森の奥へ走っていく。甲高い鳴き声とともに鳥が羽ばたき、木々の影が揺れ動く。シャールは訝しげに、兎のやってきた方向を注視した。
「なにか……」
音はしない。枯葉の腐った甘い匂いがする。視界にはなんの影もないが、静寂は緊張を孕んでいた。どこかに何かが潜んでいるけはいだ。シャールはイーズを背後にかばい、矢筒から矢を一本取った。茂みに狙いを定める。
「――きゃっ!」
飛び出してきたのは、大きな犬だった。体高がシャールの腰ほどはある。鍛えられた脚が地面を蹴り、黄みがかった牙が剥き出しにされた。シャールの矢は犬の胴に命中したが、絶命させることはできなかった。飛びかってきた犬の口に弓を突っ込み、腹を蹴り上げる。
「アルカ様っ!」
二匹目の犬が、先ほどとは違う方向から襲ってきた。イーズは後ろに跳び退り、その拍子にバランスを崩した。地面に尻餅をつく。それでも犬に矢を放ったが、相手の肩をかすっただけだった。襲いかかってきた犬を、地面を転がって避ける。
「ひっ――!」
牙の並んだ赤黒い口が眼前に迫る。イーズはとっさに、犬の口に弓を噛ませた。唾液が飛び散り、頬を濡らす。生温かい吐息が喉元にかかると、心臓は恐怖に鷲づかみにされた。奥歯ががちがちと鳴る。イーズは満身の力をこめて、のしかかってくる犬を押し返した。
無情に、パキッと弓にひびが入った。木と動物の骨を組み合わせて作られた弓は、犬に噛み砕かれて二つに折れた。イーズは固く目を瞑った。犬の爪が肌に食いこんだ。
だが。
「だーいじょうぶですかー? 姫サーン」
悲鳴を上げたのは犬の方だった。シャールの短剣が首に刺さり、胴に矢が刺さっていた。犬は地面に横倒れになる。イーズは目の端に涙を浮かべて、顔を右向けた。巻き毛でもじゃもじゃとした頭の兵が、おおい、と手を振っていた。後ろに仲間らしい兵を二人連れている。
「おーお、泣いちゃって。もー大丈夫だからネ」
もじゃもじゃ頭の兵が、仰向けになっているイーズのそばにしゃがんだ。鳥の巣のような頭と、不精な外見のせいで老けて見えたが、差し出された手の肌は張りがあり、見た目より若いように感じられた。
「あ……ありがとうございました」
「イエイエ。それはこっちの台詞デス。前にウチの部下の身内を助けていただいてますんでネ」
連れの兵が深くお辞儀した。しかし、イーズは何のことか思い出せない。
「覚えてませんかネ? レギン殿下が竜化なさったときに、庭師のじーさんを助けてくださったデショ。そのじーさんの息子なんですヨ、あいつ」
「本当にありがとうございました。レギン殿下が竜化なさっても被害がまったくなかったのは、あの時だけです」
イーズは目をしばたかせた。まさかあの時のことが、こんなふうに返って来るとは思っていなかったのだ。シャールもまじまじと男たちを見返す。鳥の巣頭の兵は首をかしげた。
「どっか痛かったですか」
「大丈夫です。肩にちょっと爪が食い込んだくらいで」
「そっちのおネエさんは」
「まったく。危ないところを、ありがとうございました」
「礼儀正しいだから。シモジモの者としては、そんなふうにされちゃうと、居心地が悪くっていけない」
男はもじゃもじゃ頭をかく。飄々としていて、城仕えの兵という雰囲気が薄い。だが、連れの一人は「隊長」と呼びかけた。
「早く戻りましょう。持ち場離れてるって知られたら、またお小言くらいますよ」
「おー。そうすっか」
「隊長、ですか」
「これでもね。よかったら、これを機会に鍛練場に遊びに来ませんかね、おネエさん。一人寂しく鍛練してないで。美人な女戦士さんに、実はみんな興味津々なんスよ」
「……考えておきます」
シャールは壊れたイーズの弓を回収し、獲った兎も忘れず持った。
「それも持っていくんですか?」
「一応、獲物にゃ変わりないさ」
兵たちは倒した犬を背負っていた。シャールは犬の死体を検分する。野犬というには毛並みがきれい過ぎ、鳥獣には目もくれず、シャールたちだけを狙ってきたのは不審だった。涼やかな目が剣呑に細まる。
「煮ても焼いても食べられそうにない獲物ですね」
「はは、違いねえ。喰ったら腹を壊しそうだ」
シャールの軽口に、鳥の巣頭がにやりと笑った。イーズに帽子をかぶせ、ぽんぽんとかるく頭を叩く。
「気ィつけな、姫さん。狙われてんよ」
「狙われて……?」
「あんたのことを邪魔に思っているやつがいるのさ」
忠告しながら、男は遠くのクノルを一瞥した。
クノルは相変わらず、満面の笑みを浮かべながら、ローラの機嫌取りをしていた。
「皇帝陛下は素晴らしい俊足ですね。体力もおありです」
「竜の血のおかげなんだって。レギンほど濃すぎないから、ちょうどよくて、身体が丈夫だっていってた」
人々からはなれた場所で、イーズとシャールは湧き立つ人々を眺めていた。見事狐を仕留めた皇帝に、人々が賛辞の雨を降らせている。皇帝はあまり疲れた様子もなく、黄褐色の目を活き活きとかがやかせて、賞賛に応えていた。
「陛下はお強いのですか?」
「並みの騎士じゃ相手が務まらないって聞いた。へたに聞くと、手合わせしようっていわれそうで、怖いんだよね……」
イーズは弓を握りしめて、困ったように眉尻を下げる。シグラッドの放った矢は狐の胴に深く突き刺さり、従僕が抜くのに苦労していた。
「さて、私たちも獲りましょうか」
「何もなしじゃ、ティルギスの威信にかかわるもんね」
イーズは座っていた大きな石から腰を上げた。シグラッドが獲った狐は、ローラに贈られていた。クノルがニコニコと、土産代わりにどうぞ、と献上している。
「アルカ様がやってきてようやく一年だというのに、もう次の皇妃候補を選ぶとは、気の早いことです」
「でも、私は人質みたいなものだし、前の王様にもお妃様が複数いたし」
「何人もの女性を娶るのが悪いとはいいません。しかし、それにしたって、礼儀というものがあるでしょう。ローラ姫に贈り物をして、アルカ様にしないなんて話がありますか」
シャールは腰に手を当て、当の本人よりも憤慨していた。シグラッドとクノルをきつくにらむ。とくに、クノルの方を。
「――あっ」
「どうされました?」
「さっき、あっちで何か動いた。兎かも」
潅木の葉が揺れ、かさかさと音を立てていた。あまり大きくはなさそうだ。イーズは期待に胸を高鳴らせていると、草むらから野兎が飛び出してきた。イーズが一矢放つが、それは外れ、つづいて放たれたシャールの矢が獲物を射止めた。
「やった!」
イーズは飛び上がって喜び、兎へ駆け寄った。いただきます、と獲物に対して敬意を払ってから、兎の耳をつかんで持ち上げる。
「運がよかったね。猟犬も馬もないから、獲物を探すの大変だと思ってたのに」
「本当に」
「私もがんばって捕まえるよ」
イーズは兎を隠す場所を探して、周囲を見回した。すると、足元をネズミが駆け抜けていった。慌てた様子で森の奥へ走っていく。甲高い鳴き声とともに鳥が羽ばたき、木々の影が揺れ動く。シャールは訝しげに、兎のやってきた方向を注視した。
「なにか……」
音はしない。枯葉の腐った甘い匂いがする。視界にはなんの影もないが、静寂は緊張を孕んでいた。どこかに何かが潜んでいるけはいだ。シャールはイーズを背後にかばい、矢筒から矢を一本取った。茂みに狙いを定める。
「――きゃっ!」
飛び出してきたのは、大きな犬だった。体高がシャールの腰ほどはある。鍛えられた脚が地面を蹴り、黄みがかった牙が剥き出しにされた。シャールの矢は犬の胴に命中したが、絶命させることはできなかった。飛びかってきた犬の口に弓を突っ込み、腹を蹴り上げる。
「アルカ様っ!」
二匹目の犬が、先ほどとは違う方向から襲ってきた。イーズは後ろに跳び退り、その拍子にバランスを崩した。地面に尻餅をつく。それでも犬に矢を放ったが、相手の肩をかすっただけだった。襲いかかってきた犬を、地面を転がって避ける。
「ひっ――!」
牙の並んだ赤黒い口が眼前に迫る。イーズはとっさに、犬の口に弓を噛ませた。唾液が飛び散り、頬を濡らす。生温かい吐息が喉元にかかると、心臓は恐怖に鷲づかみにされた。奥歯ががちがちと鳴る。イーズは満身の力をこめて、のしかかってくる犬を押し返した。
無情に、パキッと弓にひびが入った。木と動物の骨を組み合わせて作られた弓は、犬に噛み砕かれて二つに折れた。イーズは固く目を瞑った。犬の爪が肌に食いこんだ。
だが。
「だーいじょうぶですかー? 姫サーン」
悲鳴を上げたのは犬の方だった。シャールの短剣が首に刺さり、胴に矢が刺さっていた。犬は地面に横倒れになる。イーズは目の端に涙を浮かべて、顔を右向けた。巻き毛でもじゃもじゃとした頭の兵が、おおい、と手を振っていた。後ろに仲間らしい兵を二人連れている。
「おーお、泣いちゃって。もー大丈夫だからネ」
もじゃもじゃ頭の兵が、仰向けになっているイーズのそばにしゃがんだ。鳥の巣のような頭と、不精な外見のせいで老けて見えたが、差し出された手の肌は張りがあり、見た目より若いように感じられた。
「あ……ありがとうございました」
「イエイエ。それはこっちの台詞デス。前にウチの部下の身内を助けていただいてますんでネ」
連れの兵が深くお辞儀した。しかし、イーズは何のことか思い出せない。
「覚えてませんかネ? レギン殿下が竜化なさったときに、庭師のじーさんを助けてくださったデショ。そのじーさんの息子なんですヨ、あいつ」
「本当にありがとうございました。レギン殿下が竜化なさっても被害がまったくなかったのは、あの時だけです」
イーズは目をしばたかせた。まさかあの時のことが、こんなふうに返って来るとは思っていなかったのだ。シャールもまじまじと男たちを見返す。鳥の巣頭の兵は首をかしげた。
「どっか痛かったですか」
「大丈夫です。肩にちょっと爪が食い込んだくらいで」
「そっちのおネエさんは」
「まったく。危ないところを、ありがとうございました」
「礼儀正しいだから。シモジモの者としては、そんなふうにされちゃうと、居心地が悪くっていけない」
男はもじゃもじゃ頭をかく。飄々としていて、城仕えの兵という雰囲気が薄い。だが、連れの一人は「隊長」と呼びかけた。
「早く戻りましょう。持ち場離れてるって知られたら、またお小言くらいますよ」
「おー。そうすっか」
「隊長、ですか」
「これでもね。よかったら、これを機会に鍛練場に遊びに来ませんかね、おネエさん。一人寂しく鍛練してないで。美人な女戦士さんに、実はみんな興味津々なんスよ」
「……考えておきます」
シャールは壊れたイーズの弓を回収し、獲った兎も忘れず持った。
「それも持っていくんですか?」
「一応、獲物にゃ変わりないさ」
兵たちは倒した犬を背負っていた。シャールは犬の死体を検分する。野犬というには毛並みがきれい過ぎ、鳥獣には目もくれず、シャールたちだけを狙ってきたのは不審だった。涼やかな目が剣呑に細まる。
「煮ても焼いても食べられそうにない獲物ですね」
「はは、違いねえ。喰ったら腹を壊しそうだ」
シャールの軽口に、鳥の巣頭がにやりと笑った。イーズに帽子をかぶせ、ぽんぽんとかるく頭を叩く。
「気ィつけな、姫さん。狙われてんよ」
「狙われて……?」
「あんたのことを邪魔に思っているやつがいるのさ」
忠告しながら、男は遠くのクノルを一瞥した。
クノルは相変わらず、満面の笑みを浮かべながら、ローラの機嫌取りをしていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を
川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」
とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。
これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。
だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。
これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。
完結まで執筆済み、毎日更新
もう少しだけお付き合いください
第22回書き出し祭り参加作品
2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます
公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。
離縁してくださいと言ったら、大騒ぎになったのですが?
ネコ
恋愛
子爵令嬢レイラは北の領主グレアムと政略結婚をするも、彼が愛しているのは幼い頃から世話してきた従姉妹らしい。夫婦生活らしい交流すらなく、仕事と家事を押し付けられるばかり。ある日、従姉妹とグレアムの微妙な関係を目撃し、全てを諦める。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた8歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる