40 / 95
咲良の戸惑い⑥
しおりを挟む 陽がとっぷり暮れた頃に、クライヴとリラの父であるチャールズ・アリエスは屋敷に戻ってきた。
何やら憑き物が取れたようにチャールズは穏やかな笑みを浮かべていた。
リラはふたりが何を話したのか少し気になったものの、男同士の会話を尋ねるなど不躾だろうと思い尋ねることはなかった。
晩餐後。
リラとクライヴはチャールズの執務室に案内された。
要件はもちろん、チャールズが婚約証書に署名するためであった。
チャールズは執務机の正面のソファに座るようにふたりを促した。
「リラ、クライヴ様と一緒にいて幸せかい。」
チャールズは、真剣に真っ直ぐな瞳でリラに尋ねた。
おそらくこれはリラへの最後の確認なのだろう。
この婚約証書にチャールズがサインすれば、後戻りはできず、クライヴとの婚約そして結婚はより約束されたものになる。
「はい、お父様。クライヴ様といて、とても幸せです。」
リラは緊張しながらも、真っ直ぐ瞳でチャールズにそう答えた。
リラに迷いはなかった。
誰かといて、これほどまでに心が動かされることなど初めてだった。
おそらくこれからもクライヴ以外の人間にこれほど心を動かされることはないだろう。
リラは素直にそう思えたのだった。
「そうか。リラ、幸せになってくれ。忙しいとは思うが、我が家にも領地にもいつでも遊びにきて構わないからな。」
チャールズは立ち上がり、執務机に向かうとササッと机に置かれた羽ペンで二枚の婚約証書に自身の名前を記し、横に家紋の捺印を行うと一枚をクライヴに手渡した。
「クライヴ様、大変お待たせいたしました。こちらでよろしいでしょうか。」
「ありがとうございます。義父上《ちちうえ》。」
『義父上』その言葉を受けチャールズは照れくさそうに優しく微笑んだ。
「こちらこそ、義息子《むすこ》になってくださってありがとうございます。」
翌朝。
ふたりは街の外れの墓地を訪れた。
これからの門出を母に報告ためだった。
「クライヴ様、わざわざこちらにお越しいただきましてありがとうございます。」
リラは墓跡を花を供えながら、クライヴに礼を言った。
「いや、いずれ訪れたいとは思っていた。」
クライヴのその言葉にリラは目頭が熱くなった。
「俺も手を合わせていいだろうか。」
「はい。もちろんです。」
リラは、手を合わせ終わるとクライヴにその場を譲った。
暫くクライヴは目を瞑り手を合わせていた。
クライヴが祈り終わると、ふたりはそのまま馬車に乗りアクイラ国皇城へと出発した。
アクイラ国までは橋を渡ればすぐであるが、皇城までは馬車で三日であった。
リラは、これから待ち構える出来事に不安を抱えながら移り行く景色を眺めていた。
皇城についたら、まず最初はアクイラ国皇と皇后への挨拶だろう。
それから婚約式の打ち合わせ、結婚までのスケジュールの相談などやることは山積みである。
リラの希望としては、領地でやり残した仕事や学園の卒業式もあるため、挨拶が終わったら一度領地に帰りたいと思っていた。
(色々、クライヴ様と相談しなくては…。)
「リラ、改めて礼を言わせてくれ。」
物思いに耽るリラにクライヴはリラの左手を取り、薬指をなぞりながら話しかけた。
「婚約に了承、いや、妻になってくれる決断をしてくれてありがとう。」
そう言うとクライヴはその手に口付けをした。
「リラの家族はいいな。ルーカスは面白いし、チャールズはとても優しく、心温かい家族だよ。今まで出逢ったどんな貴族よりも素晴らしい家族に思えた。」
クライヴはもの寂しげな表情を浮かべた。
「リラに、あらかじめ謝っておきたいことがある。」
リラは、いつになく頼りないクライヴの表情にドキリッとした。
一体、今からどんな言葉が紡がれるのだろうか。
(まさか、未だにアクイラ国皇に了承を得ていないのかしら…。)
元々身分違いの結婚である、結婚証書は発行されているものの未だにアクイラ国皇や皇后の了承を得ていない可能性は十分にあった。
そうなると、もしかしたら本国に別の婚約者が待っているのかもしれない。
リラは身震いし、不安に怯えた表情を浮かべた。
クライヴは、そんなリラの表情を見ると、少しだけ口元を緩めると優しく肩を抱き寄せた。
「結婚については問題ないと思っているのだが、不安なのは俺の家族のことだ。」
「え?」
リラは意味がわからないといったように小首を傾げた。
「以前にも話した通り、俺は家族と決して良好な関係ではない。母と弟は俺以上に癖のある人間だ。そのことでリラを悩ませるかもしれない。そのことがリラに申し訳なくて。」
リラは自分が想像したよりも他愛ない内容に拍子抜けしたのか、きょとんっとした表情を浮かべ、吹き出したように笑い出した。
「ふふふっ。ごめんなさい。そんなことを心配されているとは思わなくて。」
クライヴはリラの反応に驚いた表情を浮かべた。
「大丈夫ですわ。私は、元々片田舎の伯爵家の娘ですわ。皇族に入ることが相応しくないことは重々承知です。鼻から好かれると思っておりません。」
そうリラは最初から自身がクライヴの家族にすんなり受け入れられるとは思っていなかった。
リラが一番よくわかっていたのだった。
この婚約そして結婚が素直に受け入れられるものでないことを…。
クライヴが直々に選んだとはいえ、リラはアベリア国に対して全く権力のない片田舎の伯爵家の娘である。
そんな娘を何処の皇族も手放しで喜んで迎えるなど、到底考えられなかった。
どちらかといえば願い下げという方がしっくりくる。
「けれど、私、クライヴ様と一緒に生きると決めましたの。だから、なんとか相応しくなれるように教養を身につけていこうとは思ってますわ。それをこれからはきちんと伝えていこうと思っておりますの。うふふ。」
リラは肩をすくめて照れながらもニッコリ笑ってそう言うのだった。
クライヴはやはり何か腑に落ちない表情を浮かべながらも、リラを強く抱き寄せた。
クライヴの中では、不安が拭いきれないのだろう。
リラはクライヴの過去を垣間聞いただけでも、想像を絶していた。
きっとクライヴはリラが想像に及ばないほどの不便があったに違いなかった。
(これから妻になる私がこの人を支えていかなくては…。)
リラはそう思いながら、優しくクライヴの腕に頬擦りした。
「さあ!そうと決まればやはり勉強ですわ!」
リラは気合を入れ直した。
兎にも角にもクライヴを支えるためにもクライヴの不安を払拭するためにも、自分には教養が必要である、リラはそう思い、目の前の席に置かれたアクイラ国の歴史が書かれた書籍を手に取った。
そんな真面目なリラにクライヴは退屈そうな表情を一瞬浮かべたかと思うと、ニヤリと意地悪く笑った。
「そうそう、今日からの宿は一緒の部屋を手配するように頼んでおいたから。」
「え!え?え!?」
リラはあまりの発言に驚き慌てて振り返り、持っていた書籍を落としそうになった。
「どういうことですか!?」
「もう夫婦になったも同然だと思ってね。夫婦は一緒の部屋だろう。」
「え?(いやいや、まだ夫婦どころか婚約もしていませんわ。)」
「嫌だった?」
クライヴは眉尻をワザとらしく下げて寂しそうにそう言った。
「嫌ではありませんわ。(そんな表情をされては断れないじゃない!!)」
リラはぶんぶんっと大きく首を横に振った。
「それなら良かった。」
(良かったのだろうか…。)
異性と寝室を共にするなど、もちろん経験のないリラは顔を真っ紅にしながら目を回していた。
「あ。そうそう。せっかくなら、それ、俺が教えるよ。」
クライヴは、疲弊したリラを後ろから抱き寄せたまま歴史書のページを捲った。
(このまま勉強など頭に入りませんわ…。)
何やら憑き物が取れたようにチャールズは穏やかな笑みを浮かべていた。
リラはふたりが何を話したのか少し気になったものの、男同士の会話を尋ねるなど不躾だろうと思い尋ねることはなかった。
晩餐後。
リラとクライヴはチャールズの執務室に案内された。
要件はもちろん、チャールズが婚約証書に署名するためであった。
チャールズは執務机の正面のソファに座るようにふたりを促した。
「リラ、クライヴ様と一緒にいて幸せかい。」
チャールズは、真剣に真っ直ぐな瞳でリラに尋ねた。
おそらくこれはリラへの最後の確認なのだろう。
この婚約証書にチャールズがサインすれば、後戻りはできず、クライヴとの婚約そして結婚はより約束されたものになる。
「はい、お父様。クライヴ様といて、とても幸せです。」
リラは緊張しながらも、真っ直ぐ瞳でチャールズにそう答えた。
リラに迷いはなかった。
誰かといて、これほどまでに心が動かされることなど初めてだった。
おそらくこれからもクライヴ以外の人間にこれほど心を動かされることはないだろう。
リラは素直にそう思えたのだった。
「そうか。リラ、幸せになってくれ。忙しいとは思うが、我が家にも領地にもいつでも遊びにきて構わないからな。」
チャールズは立ち上がり、執務机に向かうとササッと机に置かれた羽ペンで二枚の婚約証書に自身の名前を記し、横に家紋の捺印を行うと一枚をクライヴに手渡した。
「クライヴ様、大変お待たせいたしました。こちらでよろしいでしょうか。」
「ありがとうございます。義父上《ちちうえ》。」
『義父上』その言葉を受けチャールズは照れくさそうに優しく微笑んだ。
「こちらこそ、義息子《むすこ》になってくださってありがとうございます。」
翌朝。
ふたりは街の外れの墓地を訪れた。
これからの門出を母に報告ためだった。
「クライヴ様、わざわざこちらにお越しいただきましてありがとうございます。」
リラは墓跡を花を供えながら、クライヴに礼を言った。
「いや、いずれ訪れたいとは思っていた。」
クライヴのその言葉にリラは目頭が熱くなった。
「俺も手を合わせていいだろうか。」
「はい。もちろんです。」
リラは、手を合わせ終わるとクライヴにその場を譲った。
暫くクライヴは目を瞑り手を合わせていた。
クライヴが祈り終わると、ふたりはそのまま馬車に乗りアクイラ国皇城へと出発した。
アクイラ国までは橋を渡ればすぐであるが、皇城までは馬車で三日であった。
リラは、これから待ち構える出来事に不安を抱えながら移り行く景色を眺めていた。
皇城についたら、まず最初はアクイラ国皇と皇后への挨拶だろう。
それから婚約式の打ち合わせ、結婚までのスケジュールの相談などやることは山積みである。
リラの希望としては、領地でやり残した仕事や学園の卒業式もあるため、挨拶が終わったら一度領地に帰りたいと思っていた。
(色々、クライヴ様と相談しなくては…。)
「リラ、改めて礼を言わせてくれ。」
物思いに耽るリラにクライヴはリラの左手を取り、薬指をなぞりながら話しかけた。
「婚約に了承、いや、妻になってくれる決断をしてくれてありがとう。」
そう言うとクライヴはその手に口付けをした。
「リラの家族はいいな。ルーカスは面白いし、チャールズはとても優しく、心温かい家族だよ。今まで出逢ったどんな貴族よりも素晴らしい家族に思えた。」
クライヴはもの寂しげな表情を浮かべた。
「リラに、あらかじめ謝っておきたいことがある。」
リラは、いつになく頼りないクライヴの表情にドキリッとした。
一体、今からどんな言葉が紡がれるのだろうか。
(まさか、未だにアクイラ国皇に了承を得ていないのかしら…。)
元々身分違いの結婚である、結婚証書は発行されているものの未だにアクイラ国皇や皇后の了承を得ていない可能性は十分にあった。
そうなると、もしかしたら本国に別の婚約者が待っているのかもしれない。
リラは身震いし、不安に怯えた表情を浮かべた。
クライヴは、そんなリラの表情を見ると、少しだけ口元を緩めると優しく肩を抱き寄せた。
「結婚については問題ないと思っているのだが、不安なのは俺の家族のことだ。」
「え?」
リラは意味がわからないといったように小首を傾げた。
「以前にも話した通り、俺は家族と決して良好な関係ではない。母と弟は俺以上に癖のある人間だ。そのことでリラを悩ませるかもしれない。そのことがリラに申し訳なくて。」
リラは自分が想像したよりも他愛ない内容に拍子抜けしたのか、きょとんっとした表情を浮かべ、吹き出したように笑い出した。
「ふふふっ。ごめんなさい。そんなことを心配されているとは思わなくて。」
クライヴはリラの反応に驚いた表情を浮かべた。
「大丈夫ですわ。私は、元々片田舎の伯爵家の娘ですわ。皇族に入ることが相応しくないことは重々承知です。鼻から好かれると思っておりません。」
そうリラは最初から自身がクライヴの家族にすんなり受け入れられるとは思っていなかった。
リラが一番よくわかっていたのだった。
この婚約そして結婚が素直に受け入れられるものでないことを…。
クライヴが直々に選んだとはいえ、リラはアベリア国に対して全く権力のない片田舎の伯爵家の娘である。
そんな娘を何処の皇族も手放しで喜んで迎えるなど、到底考えられなかった。
どちらかといえば願い下げという方がしっくりくる。
「けれど、私、クライヴ様と一緒に生きると決めましたの。だから、なんとか相応しくなれるように教養を身につけていこうとは思ってますわ。それをこれからはきちんと伝えていこうと思っておりますの。うふふ。」
リラは肩をすくめて照れながらもニッコリ笑ってそう言うのだった。
クライヴはやはり何か腑に落ちない表情を浮かべながらも、リラを強く抱き寄せた。
クライヴの中では、不安が拭いきれないのだろう。
リラはクライヴの過去を垣間聞いただけでも、想像を絶していた。
きっとクライヴはリラが想像に及ばないほどの不便があったに違いなかった。
(これから妻になる私がこの人を支えていかなくては…。)
リラはそう思いながら、優しくクライヴの腕に頬擦りした。
「さあ!そうと決まればやはり勉強ですわ!」
リラは気合を入れ直した。
兎にも角にもクライヴを支えるためにもクライヴの不安を払拭するためにも、自分には教養が必要である、リラはそう思い、目の前の席に置かれたアクイラ国の歴史が書かれた書籍を手に取った。
そんな真面目なリラにクライヴは退屈そうな表情を一瞬浮かべたかと思うと、ニヤリと意地悪く笑った。
「そうそう、今日からの宿は一緒の部屋を手配するように頼んでおいたから。」
「え!え?え!?」
リラはあまりの発言に驚き慌てて振り返り、持っていた書籍を落としそうになった。
「どういうことですか!?」
「もう夫婦になったも同然だと思ってね。夫婦は一緒の部屋だろう。」
「え?(いやいや、まだ夫婦どころか婚約もしていませんわ。)」
「嫌だった?」
クライヴは眉尻をワザとらしく下げて寂しそうにそう言った。
「嫌ではありませんわ。(そんな表情をされては断れないじゃない!!)」
リラはぶんぶんっと大きく首を横に振った。
「それなら良かった。」
(良かったのだろうか…。)
異性と寝室を共にするなど、もちろん経験のないリラは顔を真っ紅にしながら目を回していた。
「あ。そうそう。せっかくなら、それ、俺が教えるよ。」
クライヴは、疲弊したリラを後ろから抱き寄せたまま歴史書のページを捲った。
(このまま勉強など頭に入りませんわ…。)
1
お気に入りに追加
297
あなたにおすすめの小説

お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~
塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます!
2.23完結しました!
ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。
相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。
ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。
幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。
好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。
そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。
それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……?
妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話
切なめ恋愛ファンタジー


ごめんなさい、お姉様の旦那様と結婚します
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
しがない伯爵令嬢のエーファには、三つ歳の離れた姉がいる。姉のブリュンヒルデは、女神と比喩される程美しく完璧な女性だった。端麗な顔立ちに陶器の様に白い肌。ミルクティー色のふわふわな長い髪。立ち居振る舞い、勉学、ダンスから演奏と全てが完璧で、非の打ち所がない。正に淑女の鑑と呼ぶに相応しく誰もが憧れ一目置くそんな人だ。
一方で妹のエーファは、一言で言えば普通。容姿も頭も、芸術的センスもなく秀でたものはない。無論両親は、エーファが物心ついた時から姉を溺愛しエーファには全く関心はなかった。周囲も姉とエーファを比較しては笑いの種にしていた。
そんな姉は公爵令息であるマンフレットと結婚をした。彼もまた姉と同様眉目秀麗、文武両道と完璧な人物だった。また周囲からは冷笑の貴公子などとも呼ばれているが、令嬢等からはかなり人気がある。かく言うエーファも彼が初恋の人だった。ただ姉と婚約し結婚した事で彼への想いは断念をした。だが、姉が結婚して二年後。姉が事故に遭い急死をした。社交界ではおしどり夫婦、愛妻家として有名だった夫のマンフレットは憔悴しているらしくーーその僅か半年後、何故か妹のエーファが後妻としてマンフレットに嫁ぐ事が決まってしまう。そして迎えた初夜、彼からは「私は君を愛さない」と冷たく突き放され、彼が家督を継ぐ一年後に離縁すると告げられた。

【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)

王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます

自信家CEOは花嫁を略奪する
朝陽ゆりね
恋愛
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――

【完結済】姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。
十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。
そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり──────
※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。
※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる