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聞こえない声
期間限定
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慌てて電話に説明する。
「ちが、違います! 九条さん昨日事務所に泊まったらしくて! 本人は今寝ちゃってるから、とりあえず私が出ただけです!」
自分の顔が真っ赤になっている自覚はあった。九条さんの家に泊まるだなんて、想像もしたことない! てゆうかこの人がどんな家に住んでるか想像できなかった、っていうのが大きいんだけど……。
伊藤さんがああ、とどこか安心するように息を吐いた。
『そっか、ごめん、九条さん時々そういうことあるもんね。ほんとごめん変なこと言って』
「い、いいえ」
『じゃあもう電話はこれで終わりでいいね。今から僕もそっち行くから、じゃあまたあとで~』
伊藤さんからの電話をきる。よかった、変な勘違いされるとこだった。胸を撫で下ろし、九条さんのスマホを彼のそばへ戻す。
気持ちよさそうに眠るその顔が大変憎らしくて睨みつけた。もう、そもそもいい大人が誰かにモーニングコールしてもらうだなんて。私ほんとなんでこんな人が好きなの? この半年で百回は自分に問いかけている。
それでも、彼の顔をみていると胸が締め付けられている感覚に陥るのも事実なのだ。彼と過ごす時間が長すぎた、と思う。共に調査をしていれば、そりゃ見直しちゃうよなあ。
ぼんやりとその寝顔を見つめていた時だ。ずっと閉じっぱなしだった瞼がふいに開かれ、私と視線がぶつかってしまう。見つめていたことがバレたかと思い、私は焦ってしどろもどろに言った。
「あ、えっと、今、伊藤さんから電話ありまして! か、代わりに出ておきましたから!」
「…………」
半開きの目の奥に見えるガラス玉が少しだけ揺れた。それだけで胸がどきんと鳴ってしまう。多分九条さん寝ぼけてる。
これはあれじゃないだろうか。小説とか漫画だったら、寝ぼけた九条さんが私を抱き寄せるとか、寝言で私の名前を呼んでくれるとか、そういうラブイベント発生の……!
「今日」
「………は、はい?」
「期間限定ポッキーの……発売ですので……よろしくお願いします……」
憎い男はそれだけ言うと再び瞼を閉じた。気持ちよさそうな寝息が耳に入ってきて、私のトキメキは一気に止んですん……と冷静さを取り戻した。これだ。これがこの男の正常運転なんだ。私なんかよりずっとポッキーに関心があるんだ。
非常に苛立った。実際のところ九条さんはいつも通りで悪いことなんてしないんだが、それでも私は苛立って仕方がなかった。
寝てる顔に落書きでもしてやろうかと思ったが、もし依頼者の人が来たら困るので、とりあえず私が持っているシュシュを使って前髪でちょんまげを作ってやった。やや間抜けな姿を見て少しだけ気晴らしになった私は、そのまま放って仕事を開始した。(やってきた伊藤さんに爆笑された)
冷凍庫の扉を開き、そこから適当な食材を取り出してカゴへ詰め込んだ。焼きおにぎり、パスタ、チャーハンやたこ焼き。持っているカゴがずしっとした重みになる。いくらか取ったところで扉を閉める。
「あとはーインスタントのものも、かな」
私は独り言を言うと売り場を移動する。お湯を注ぐだけで完成するスープたちやラーメンなど、それも適当にカゴへ放り込んでいく。
「あ、光ちゃん」
私の姿を見つけた伊藤さんが声を掛けてくる。振り返ると、カゴを持った伊藤さんがこちらへ歩み寄ってくるのが見えた。彼のカゴの中にはお菓子類が大量に入っており、その半分以上はいわずもがなポッキーで埋められている。
「ありがとう!」
「いえ、冷凍食品とインスタント食品を買ってました。あと何がいりますかね」
「んー雑貨や事務用品は配送されてくるし。重いものはネットでいいしね。これくらいでいいかなあ」
「了解です!」
私と伊藤さんは並んでレジへ向かって歩き出した。
事務所は裏へ入ると、冷蔵庫や戸棚があってそこに食料が多く入っている。これが意外と使うことも多くて、調査で忙しい時などはすぐに調理できるものたちが大助かりだ。今日はそのストックたちがだいぶ減ってきたので、伊藤さんと共に近くの薬局まで買い出しにきていた。九条さんは朝から未だ寝ている。
特に九条さんの主食となっているポッキーは戸棚のほとんどを占領している。あれがなくては彼は動けなくなるので(ガソリンかな?)ポッキーのストックは一番切らしてはならない。
「これだけ買っても結構すぐ無くなるんですよねえ」
私が言うと伊藤さんが苦笑した。
「まあ、僕も調査中とかは結構食べてるんだよね。ちょっと健康に悪いよねうちの事務所」
「まあ、調査がない時は平和ですけど……」
「光ちゃんのお弁当食べちゃったりね。あ、ごめんそっち重そうだよね。もらうね」
伊藤さんはそう言ってさりげなく持っているカゴを交換してくれた。お菓子類ばかりのカゴは確かにさっきのものよりだいぶ軽かった。こう言うところさすがだなあ、と思い知らされる。
けど九条さんも意外と私が荷物持ってたりすると無言で持ってくれるんだよなあ。変な人。
「そういえば朝、ごめんね」
伊藤さんが突然言い出す。私はすぐに電話のことだと思い出し、笑って言った。
「いえ、全然です。確かに私が急に電話に出たらそう思っちゃいますよね。でも私が九条さんのおうちに泊まるなんてありえないですよ」
「それは……」
「てゆうか九条さんちゃんと家あるんですかね? それが想像つかない」
「ははは……」
私たちはレジにたどり着いて持っていたカゴを置く。レジのおばさんが無言で物を通していく。
財布を出しながら伊藤さんが言う。
「でも僕は九条さんって光ちゃんには随分懐いてるなあと思うけど」
「え、どこがですか……」
「でも二人が付き合いだしたら事務所で僕の居場所なくなるから複雑かな」
「あ、ありえませんよ! 九条さんと付き合うのもありえないし伊藤さんがボッチになることはもっとありえないです!」
「あはは、どうかな?」
「てゆうかいい加減、脈があまりにないから時間がもったいないとも思うんですけどね。ちゃんとキッパリ諦めた方が、っていうか」
合計金額が出たところで、伊藤さんが財布からお金を取り出す。そこではっと、一体なぜ先輩の伊藤さんに恋の相談なんてしているんだろうと気がついた。恋バナができる友達すらいない自分、きっと誰かに聞いて欲しかったのだろう。
伊藤さんって聞き上手で優しいから、つい口が滑る。
「す、すみません変な話して!」
恥ずかしくなって顔を赤くする。二人でカゴを持ってサッカー台に移動し袋詰めをする。無心で荷物を袋に詰めていると、黙っていた伊藤さんが言った。
「別に無理に諦めなくていいんじゃないかなー」
「え」
ピタリと手を止める。彼はいつものように優しく微笑みながらポッキーを詰めていた。
「てゆうかこれだけ毎日会ってるのに、諦めるぞ! って思っても諦められなくない?」
「そ、それはまあ」
「だったらそう悩んでも無駄だよ。諦めようってするんじゃなくて、せめて他にいい人いないか視野を広げてみたら? 他に気になる人ができたら、自然とフェードアウトすることもあるかも」
伊藤さんの言うことはもっともだった。むしろ今までも、諦めた方がって何度も思ってきた。でも結局今に至るのだ。諦めようとして諦められるものでもない。
……しかし。
「私友達もいないからどう知り合いを広げればいいのか……結婚相談所とかですかね?」
私がそう言うと、隣の伊藤さんは吹き出して笑い出した。結構本気で悩んだつもりだったのだが、どこが彼のツボをついたのか。大きな口を開けて笑っている。
「光ちゃんが結婚相談所に登録したらモテまくりだと思うよ!」
「い、いえそんなわけ」
「ちなみにあれ入会金だけで十万かかったりするらしいよ」
「やめました」
私がそう言うと、伊藤さんはさらに笑った。
「ちが、違います! 九条さん昨日事務所に泊まったらしくて! 本人は今寝ちゃってるから、とりあえず私が出ただけです!」
自分の顔が真っ赤になっている自覚はあった。九条さんの家に泊まるだなんて、想像もしたことない! てゆうかこの人がどんな家に住んでるか想像できなかった、っていうのが大きいんだけど……。
伊藤さんがああ、とどこか安心するように息を吐いた。
『そっか、ごめん、九条さん時々そういうことあるもんね。ほんとごめん変なこと言って』
「い、いいえ」
『じゃあもう電話はこれで終わりでいいね。今から僕もそっち行くから、じゃあまたあとで~』
伊藤さんからの電話をきる。よかった、変な勘違いされるとこだった。胸を撫で下ろし、九条さんのスマホを彼のそばへ戻す。
気持ちよさそうに眠るその顔が大変憎らしくて睨みつけた。もう、そもそもいい大人が誰かにモーニングコールしてもらうだなんて。私ほんとなんでこんな人が好きなの? この半年で百回は自分に問いかけている。
それでも、彼の顔をみていると胸が締め付けられている感覚に陥るのも事実なのだ。彼と過ごす時間が長すぎた、と思う。共に調査をしていれば、そりゃ見直しちゃうよなあ。
ぼんやりとその寝顔を見つめていた時だ。ずっと閉じっぱなしだった瞼がふいに開かれ、私と視線がぶつかってしまう。見つめていたことがバレたかと思い、私は焦ってしどろもどろに言った。
「あ、えっと、今、伊藤さんから電話ありまして! か、代わりに出ておきましたから!」
「…………」
半開きの目の奥に見えるガラス玉が少しだけ揺れた。それだけで胸がどきんと鳴ってしまう。多分九条さん寝ぼけてる。
これはあれじゃないだろうか。小説とか漫画だったら、寝ぼけた九条さんが私を抱き寄せるとか、寝言で私の名前を呼んでくれるとか、そういうラブイベント発生の……!
「今日」
「………は、はい?」
「期間限定ポッキーの……発売ですので……よろしくお願いします……」
憎い男はそれだけ言うと再び瞼を閉じた。気持ちよさそうな寝息が耳に入ってきて、私のトキメキは一気に止んですん……と冷静さを取り戻した。これだ。これがこの男の正常運転なんだ。私なんかよりずっとポッキーに関心があるんだ。
非常に苛立った。実際のところ九条さんはいつも通りで悪いことなんてしないんだが、それでも私は苛立って仕方がなかった。
寝てる顔に落書きでもしてやろうかと思ったが、もし依頼者の人が来たら困るので、とりあえず私が持っているシュシュを使って前髪でちょんまげを作ってやった。やや間抜けな姿を見て少しだけ気晴らしになった私は、そのまま放って仕事を開始した。(やってきた伊藤さんに爆笑された)
冷凍庫の扉を開き、そこから適当な食材を取り出してカゴへ詰め込んだ。焼きおにぎり、パスタ、チャーハンやたこ焼き。持っているカゴがずしっとした重みになる。いくらか取ったところで扉を閉める。
「あとはーインスタントのものも、かな」
私は独り言を言うと売り場を移動する。お湯を注ぐだけで完成するスープたちやラーメンなど、それも適当にカゴへ放り込んでいく。
「あ、光ちゃん」
私の姿を見つけた伊藤さんが声を掛けてくる。振り返ると、カゴを持った伊藤さんがこちらへ歩み寄ってくるのが見えた。彼のカゴの中にはお菓子類が大量に入っており、その半分以上はいわずもがなポッキーで埋められている。
「ありがとう!」
「いえ、冷凍食品とインスタント食品を買ってました。あと何がいりますかね」
「んー雑貨や事務用品は配送されてくるし。重いものはネットでいいしね。これくらいでいいかなあ」
「了解です!」
私と伊藤さんは並んでレジへ向かって歩き出した。
事務所は裏へ入ると、冷蔵庫や戸棚があってそこに食料が多く入っている。これが意外と使うことも多くて、調査で忙しい時などはすぐに調理できるものたちが大助かりだ。今日はそのストックたちがだいぶ減ってきたので、伊藤さんと共に近くの薬局まで買い出しにきていた。九条さんは朝から未だ寝ている。
特に九条さんの主食となっているポッキーは戸棚のほとんどを占領している。あれがなくては彼は動けなくなるので(ガソリンかな?)ポッキーのストックは一番切らしてはならない。
「これだけ買っても結構すぐ無くなるんですよねえ」
私が言うと伊藤さんが苦笑した。
「まあ、僕も調査中とかは結構食べてるんだよね。ちょっと健康に悪いよねうちの事務所」
「まあ、調査がない時は平和ですけど……」
「光ちゃんのお弁当食べちゃったりね。あ、ごめんそっち重そうだよね。もらうね」
伊藤さんはそう言ってさりげなく持っているカゴを交換してくれた。お菓子類ばかりのカゴは確かにさっきのものよりだいぶ軽かった。こう言うところさすがだなあ、と思い知らされる。
けど九条さんも意外と私が荷物持ってたりすると無言で持ってくれるんだよなあ。変な人。
「そういえば朝、ごめんね」
伊藤さんが突然言い出す。私はすぐに電話のことだと思い出し、笑って言った。
「いえ、全然です。確かに私が急に電話に出たらそう思っちゃいますよね。でも私が九条さんのおうちに泊まるなんてありえないですよ」
「それは……」
「てゆうか九条さんちゃんと家あるんですかね? それが想像つかない」
「ははは……」
私たちはレジにたどり着いて持っていたカゴを置く。レジのおばさんが無言で物を通していく。
財布を出しながら伊藤さんが言う。
「でも僕は九条さんって光ちゃんには随分懐いてるなあと思うけど」
「え、どこがですか……」
「でも二人が付き合いだしたら事務所で僕の居場所なくなるから複雑かな」
「あ、ありえませんよ! 九条さんと付き合うのもありえないし伊藤さんがボッチになることはもっとありえないです!」
「あはは、どうかな?」
「てゆうかいい加減、脈があまりにないから時間がもったいないとも思うんですけどね。ちゃんとキッパリ諦めた方が、っていうか」
合計金額が出たところで、伊藤さんが財布からお金を取り出す。そこではっと、一体なぜ先輩の伊藤さんに恋の相談なんてしているんだろうと気がついた。恋バナができる友達すらいない自分、きっと誰かに聞いて欲しかったのだろう。
伊藤さんって聞き上手で優しいから、つい口が滑る。
「す、すみません変な話して!」
恥ずかしくなって顔を赤くする。二人でカゴを持ってサッカー台に移動し袋詰めをする。無心で荷物を袋に詰めていると、黙っていた伊藤さんが言った。
「別に無理に諦めなくていいんじゃないかなー」
「え」
ピタリと手を止める。彼はいつものように優しく微笑みながらポッキーを詰めていた。
「てゆうかこれだけ毎日会ってるのに、諦めるぞ! って思っても諦められなくない?」
「そ、それはまあ」
「だったらそう悩んでも無駄だよ。諦めようってするんじゃなくて、せめて他にいい人いないか視野を広げてみたら? 他に気になる人ができたら、自然とフェードアウトすることもあるかも」
伊藤さんの言うことはもっともだった。むしろ今までも、諦めた方がって何度も思ってきた。でも結局今に至るのだ。諦めようとして諦められるものでもない。
……しかし。
「私友達もいないからどう知り合いを広げればいいのか……結婚相談所とかですかね?」
私がそう言うと、隣の伊藤さんは吹き出して笑い出した。結構本気で悩んだつもりだったのだが、どこが彼のツボをついたのか。大きな口を開けて笑っている。
「光ちゃんが結婚相談所に登録したらモテまくりだと思うよ!」
「い、いえそんなわけ」
「ちなみにあれ入会金だけで十万かかったりするらしいよ」
「やめました」
私がそう言うと、伊藤さんはさらに笑った。
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