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一章
一章最終話 日常
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街を練り歩き、ケーキ屋さんを巡る。見たことない果物を使ったケーキ屋、何層にもなっているカラフルなケーキなど見ても食べても楽しい一石二鳥なケーキ。ガトーショコラやショートケーキ等王道をいく物などを食べたり持ち帰り用に箱に入れてもらったりと大満足な旅となった
時間が経つのは早いもので王宮に戻る頃にはをあっという間に約束の時間になってしまった。
六時を前にした時、ドアが叩かれた。
「は、はい!」
思わず声が裏がえる。変に意識している奴みたいになってしまった。開けるとノエル様とミラ王子が立っていた。
「早く行こ!」
ノエル様に手を引かれてバルコニーに案内される。綺麗な星がいくつも見えた。冷たい風が心地よい。
「じゃ、俺たちはここでお役御免ってことで」
後からゆっくり着いてきたミラ王子がノエル様を連れて去って行った。俺はまた一人になり、落ち着かなかい気持ちで辺りを見回す。
「何キョロキョロしてるんですか?」
「ぎゃぁ!」
背後から声をかけられ変な声が出た。カイルはいつもと雰囲気が違う気がする。下ろしている髪をかきあげて、銀髪がよく映える紺色のスーツを身に纏っていた。
かたや俺は、ほぼいつもと変わらない服装で少し恥ずかしくなる。
「ダンに聞いて欲しいことがあります!」
「告白するよ!」って事前告知されているのに恥ずかしがらない人などいない。
「ダンといると気を張らなくてよくて、居心地が良くて安心できる。最初はそれだけの理由でしたけど、ダンの寂しそうな表情をみる度にもっと笑っていて欲しいって思うようになって・・・・え~と・・・・端的にいうなら、僕はダンのことが好きです。この世界で誰よりも愛しています。まだまだ未熟な僕ですが、良かったら恋人になってくれませんか!」
顔を赤くしながらも真っ直ぐに俺の目を見て話した。
「正直な所、俺は俺自身に魅力を感じてないしオメガとしても不完全だから、これから俺のせいでカイルが嫌味を言われたり、迷惑をかけることがあるかもしれないです。それでも、俺でも良かったら是非お願いします」
俺もそれに応えるために必死に言葉にした。カイルは俺を抱きしめてくれた。俺もカイルを力いっぱい抱きしめた。
「ダンがなんと言おうともう二度と別れるなんて言わせません。貴方のことを幸せにするのは僕一人でいい」
「ふふっ、じゃあ俺もカイルを幸せにします」
目の前が暗くなり、俺の口に柔らかいものが触れた。何が起きたのか分からなくてフリーズする。カイルの顔が少し離れてようやく理解する。
「い、今!き、ききき、キスしました?!」
「はい」
俺が顔を熱くして混乱しているのとは裏腹に、カイルは平然と答える。
やっぱり、婚約者とかいたんだし慣れてるのかな・・・・それは、ちょっと嫌かもしれない・・・
「慣れてるわけないじゃないですか。好きな人とキスして心臓が痛いほど鳴ってますよ」
でた!お得意の読心術!!これ、本当に怖い・・・・
「そんな可愛い顔してると、また口を塞ぎますよ」
「なっ!!!」
「ヒュ~お熱いね~」
野次を挟んだのはミラ王子だ。その横でノエル様が「ミラきゅん!シーだよ!」と怒っていた。
その光景を見てカイルと俺は声を合わせて笑っていた。
カイルがくれた優しさに、愛情になるべく応えられるように頑張る。俺もなるべく自分の気持ちに正直になる。もっと我儘でもいいって教えてくれたのは貴方だから
「カイル、愛していますよ」
俺がそう言うと一瞬静まり返り、カイルが鼻血を出して倒れたのはまた別の話である。
時間が経つのは早いもので王宮に戻る頃にはをあっという間に約束の時間になってしまった。
六時を前にした時、ドアが叩かれた。
「は、はい!」
思わず声が裏がえる。変に意識している奴みたいになってしまった。開けるとノエル様とミラ王子が立っていた。
「早く行こ!」
ノエル様に手を引かれてバルコニーに案内される。綺麗な星がいくつも見えた。冷たい風が心地よい。
「じゃ、俺たちはここでお役御免ってことで」
後からゆっくり着いてきたミラ王子がノエル様を連れて去って行った。俺はまた一人になり、落ち着かなかい気持ちで辺りを見回す。
「何キョロキョロしてるんですか?」
「ぎゃぁ!」
背後から声をかけられ変な声が出た。カイルはいつもと雰囲気が違う気がする。下ろしている髪をかきあげて、銀髪がよく映える紺色のスーツを身に纏っていた。
かたや俺は、ほぼいつもと変わらない服装で少し恥ずかしくなる。
「ダンに聞いて欲しいことがあります!」
「告白するよ!」って事前告知されているのに恥ずかしがらない人などいない。
「ダンといると気を張らなくてよくて、居心地が良くて安心できる。最初はそれだけの理由でしたけど、ダンの寂しそうな表情をみる度にもっと笑っていて欲しいって思うようになって・・・・え~と・・・・端的にいうなら、僕はダンのことが好きです。この世界で誰よりも愛しています。まだまだ未熟な僕ですが、良かったら恋人になってくれませんか!」
顔を赤くしながらも真っ直ぐに俺の目を見て話した。
「正直な所、俺は俺自身に魅力を感じてないしオメガとしても不完全だから、これから俺のせいでカイルが嫌味を言われたり、迷惑をかけることがあるかもしれないです。それでも、俺でも良かったら是非お願いします」
俺もそれに応えるために必死に言葉にした。カイルは俺を抱きしめてくれた。俺もカイルを力いっぱい抱きしめた。
「ダンがなんと言おうともう二度と別れるなんて言わせません。貴方のことを幸せにするのは僕一人でいい」
「ふふっ、じゃあ俺もカイルを幸せにします」
目の前が暗くなり、俺の口に柔らかいものが触れた。何が起きたのか分からなくてフリーズする。カイルの顔が少し離れてようやく理解する。
「い、今!き、ききき、キスしました?!」
「はい」
俺が顔を熱くして混乱しているのとは裏腹に、カイルは平然と答える。
やっぱり、婚約者とかいたんだし慣れてるのかな・・・・それは、ちょっと嫌かもしれない・・・
「慣れてるわけないじゃないですか。好きな人とキスして心臓が痛いほど鳴ってますよ」
でた!お得意の読心術!!これ、本当に怖い・・・・
「そんな可愛い顔してると、また口を塞ぎますよ」
「なっ!!!」
「ヒュ~お熱いね~」
野次を挟んだのはミラ王子だ。その横でノエル様が「ミラきゅん!シーだよ!」と怒っていた。
その光景を見てカイルと俺は声を合わせて笑っていた。
カイルがくれた優しさに、愛情になるべく応えられるように頑張る。俺もなるべく自分の気持ちに正直になる。もっと我儘でもいいって教えてくれたのは貴方だから
「カイル、愛していますよ」
俺がそう言うと一瞬静まり返り、カイルが鼻血を出して倒れたのはまた別の話である。
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