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番外編+SS(本編のネタバレ含みます)
Everything-3
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このしてやったと言わんばかりの物言い。さては、お風呂の時から全部わかっていて知らん振りしていたのだろうか。膨らむばかりの欲求をしめしめとご覧になっていたに違いない。
堪りかねた精一杯のおねだりまでもが掌で転がされていたとはいただけない。
──もうやだ。恥ずかしい……消えちゃいたい。
通りでとことん噛み合わないわけだ。そう廉が仕向けていたのだから。
怒りか、羞恥心か、屈辱感か──涙までもが私に同情する。そのどんな感情も、堪らないといった感じで歪められた王様の表情一つで、どうでもよくなってしまうのだけど。
「~~~今の破壊力やばすぎ勃ったくそ可愛い」
間髪なく、性急に注がれた口づけはかぶりつくより乱暴で。今までどこに隠していたの、と疑うくらい情熱的。それでいてどこまでもいやらしく煽るのがあなたのキスだった。
「ほらもっと咥え込めよ。まだ奥まで挿んだろ」
遠慮なく挿ってきた舌は、セックスでするように大胆に抜き差しをする。たまに上下の唇で悪戯に舌を愛撫して、かと思えば力任せに吸い上げられる。
──あ。これ、だめ。すき。
「ぅん。ん。んん~~~っ。ん……は、ぁ」
「すご。口の中も瞳もとろとろ」
濡れそぼった唇を指で拭ってくれる、その仕草にまで欲情する。
思えばいつだって私たちはそうだった。
「欲しがれ」「欲しがって」──互いに劣情を高めに高めて最上級の愛を語りたがる。
「もしかして廉にも我慢……させちゃってた?」
「人の気も知らずに毎晩えろい体押しつけてきやがって」
「ごめ、全然平気なんだと思っ」
「ばか言ってんじゃねーぞ。一度手離してまでやっと手に入れた女だぞ」
そう雑に愛を投げつけたあとに、苦しそうに……愛おしそうに眉を歪める。
「抱きたくてどうにかなりそうだった」
──だめ。これはもう完全にやられた。
見つめ合った視線すら愛撫となる。
「安定期?」
「うん」
「制限は?」
「先生はそんなに激しくしなければ大丈夫、て」
「もうどんだけ濡れてる?」
「……え」
──そういうこと、聞いちゃう?
ただでさえ焦らされて火照ったカラダ。あんなキスをされたら私なんて一溜りもないこと知っている癖に。
──もうその手には乗らないんだから。
「廉が……確かめて?」
「……恋?」
既に私は廉の膝に乗っかっている体勢だ。
あなたのように手馴れているわけではないので、照れ隠しのためにキスで視界を塞ぐ。
その間に取り急ぎショーツから片脚だけを抜き、手元のボクサーパンツにたどたどしく手をかける。
はち切れんばかりの欲望に、滴る愛欲を添えて、重力のままに呑み込んでいく──。
「……あ。ん──ぁああ!」
「……一瞬飛んだな? ばーか。いきなり挿れるやつがあるか」
「だっ、て。たまには私がしたいっ」
廉ならなんでも察してくれると、もらうことばかり考えていた。
私は身篭っている母なので直に命の鼓動を感じられる。日々の体の変化とともにこの子の存在を意識できる。
だけど男の人は、この子をその手に抱くまで実感が湧かないだろうという気がしている。
互いに互いを同じくらい求めていたというのなら──きっとあなたのほうがずっと我慢していた。
ならばもらうばかりではなくて、私にできることなら「あげたい」と思うのだ。
──あ。きもち……い。
なかで擦れるところがどこも快すぎて、自ずと腰が反る。奥まで辿り着かせたいとひとりでに脚が開く。開けたそこにあなたの視線を感じたら、また蜜が溢れた。
「あっ。いま見たらだ……め……え」
「腰突き出して自分から見せつけといてよくいう」
「ちがっあ……おっ、き。はい……った、よ。レ、ンきもち?」
「~~~(えっっろ)」
なんて未熟で、拙い行為だろう。
どんなに押し込もうがビクともしない腹筋に全体重を支えられて、ようやく奥まで到達できた。ついでに、この先のことは何も考えていない。
「~~~ほんとおまえ。産んだあと覚えとけよ──」
「あっ……ん。んっん……」
これでも私の体調を気遣ってくれているつもりなのだろう。腰も脚も支えてくれているから力は少しも要らない。
いつの間にか、私はただ与えられるままに感じるだけになっていた。
快感の曲線が緩やかに描かれ、ほどよい気持ちよさが断続的に愛を謳う。
大好きな悠も加わった家族・仲間・仕事・王様が従える全社員、そして何より新しい命──もはや私たちには守るべき、大切なものがたくさんある。
だけどこんな夜は……あなたが私がすべて。
【SS②Everything ~End~】
堪りかねた精一杯のおねだりまでもが掌で転がされていたとはいただけない。
──もうやだ。恥ずかしい……消えちゃいたい。
通りでとことん噛み合わないわけだ。そう廉が仕向けていたのだから。
怒りか、羞恥心か、屈辱感か──涙までもが私に同情する。そのどんな感情も、堪らないといった感じで歪められた王様の表情一つで、どうでもよくなってしまうのだけど。
「~~~今の破壊力やばすぎ勃ったくそ可愛い」
間髪なく、性急に注がれた口づけはかぶりつくより乱暴で。今までどこに隠していたの、と疑うくらい情熱的。それでいてどこまでもいやらしく煽るのがあなたのキスだった。
「ほらもっと咥え込めよ。まだ奥まで挿んだろ」
遠慮なく挿ってきた舌は、セックスでするように大胆に抜き差しをする。たまに上下の唇で悪戯に舌を愛撫して、かと思えば力任せに吸い上げられる。
──あ。これ、だめ。すき。
「ぅん。ん。んん~~~っ。ん……は、ぁ」
「すご。口の中も瞳もとろとろ」
濡れそぼった唇を指で拭ってくれる、その仕草にまで欲情する。
思えばいつだって私たちはそうだった。
「欲しがれ」「欲しがって」──互いに劣情を高めに高めて最上級の愛を語りたがる。
「もしかして廉にも我慢……させちゃってた?」
「人の気も知らずに毎晩えろい体押しつけてきやがって」
「ごめ、全然平気なんだと思っ」
「ばか言ってんじゃねーぞ。一度手離してまでやっと手に入れた女だぞ」
そう雑に愛を投げつけたあとに、苦しそうに……愛おしそうに眉を歪める。
「抱きたくてどうにかなりそうだった」
──だめ。これはもう完全にやられた。
見つめ合った視線すら愛撫となる。
「安定期?」
「うん」
「制限は?」
「先生はそんなに激しくしなければ大丈夫、て」
「もうどんだけ濡れてる?」
「……え」
──そういうこと、聞いちゃう?
ただでさえ焦らされて火照ったカラダ。あんなキスをされたら私なんて一溜りもないこと知っている癖に。
──もうその手には乗らないんだから。
「廉が……確かめて?」
「……恋?」
既に私は廉の膝に乗っかっている体勢だ。
あなたのように手馴れているわけではないので、照れ隠しのためにキスで視界を塞ぐ。
その間に取り急ぎショーツから片脚だけを抜き、手元のボクサーパンツにたどたどしく手をかける。
はち切れんばかりの欲望に、滴る愛欲を添えて、重力のままに呑み込んでいく──。
「……あ。ん──ぁああ!」
「……一瞬飛んだな? ばーか。いきなり挿れるやつがあるか」
「だっ、て。たまには私がしたいっ」
廉ならなんでも察してくれると、もらうことばかり考えていた。
私は身篭っている母なので直に命の鼓動を感じられる。日々の体の変化とともにこの子の存在を意識できる。
だけど男の人は、この子をその手に抱くまで実感が湧かないだろうという気がしている。
互いに互いを同じくらい求めていたというのなら──きっとあなたのほうがずっと我慢していた。
ならばもらうばかりではなくて、私にできることなら「あげたい」と思うのだ。
──あ。きもち……い。
なかで擦れるところがどこも快すぎて、自ずと腰が反る。奥まで辿り着かせたいとひとりでに脚が開く。開けたそこにあなたの視線を感じたら、また蜜が溢れた。
「あっ。いま見たらだ……め……え」
「腰突き出して自分から見せつけといてよくいう」
「ちがっあ……おっ、き。はい……った、よ。レ、ンきもち?」
「~~~(えっっろ)」
なんて未熟で、拙い行為だろう。
どんなに押し込もうがビクともしない腹筋に全体重を支えられて、ようやく奥まで到達できた。ついでに、この先のことは何も考えていない。
「~~~ほんとおまえ。産んだあと覚えとけよ──」
「あっ……ん。んっん……」
これでも私の体調を気遣ってくれているつもりなのだろう。腰も脚も支えてくれているから力は少しも要らない。
いつの間にか、私はただ与えられるままに感じるだけになっていた。
快感の曲線が緩やかに描かれ、ほどよい気持ちよさが断続的に愛を謳う。
大好きな悠も加わった家族・仲間・仕事・王様が従える全社員、そして何より新しい命──もはや私たちには守るべき、大切なものがたくさんある。
だけどこんな夜は……あなたが私がすべて。
【SS②Everything ~End~】
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