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本編〜幼少期編〜
16 ラファエル視点
しおりを挟む『そう思うのならば、何事も本気でやりなさい。兄に叶わないからと、諦めるんじゃありません』
その言葉が、数日経った今でも頭の中をぐるぐる回る。
あの後、アルに慰められて、友達になって、兄上が妬いて俺が妬いて……たった一日の出来事のはずなのに、とても長かったように思える。
そして今俺は、その事を友人の一人、ディーに話していた
「それだけ、楽しかったのではないですか?」
楽しい…そうなのだろうか、
多分、そうなんだろうな。これからも頑張ろうと思えるようになったし、兄上とも沢山話せた、
……全て、アルのおかげだ…
「貴方がそのようになるとは…クスッ、私も会ってみたいですね」
ディーが笑いながら言う、
「会えるぞ、アルは兄上の友人でもあるからな、たまに王宮に来ているから。」
ちょうど来週辺りに来るだろう、その時にディーを呼べばいい。
細かい日にちは兄上に後で聞こう
「ならば近いうちに会えるかもしれませんね、デイビス家と言えば、私達の一つ下にもう一人いましたよね?」
ふとディーがもう一人の息子の話をする。
「あぁ、セシルだな。養子に来たという」
魔力が高いと噂だったか、
「年齢的にそちらは貴方の友人となると思いますが、いつ会うんです?」
「さぁな、父上がそのうちこちらに呼ぶだろう。」
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