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本編〜幼少期編〜
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しおりを挟む「なら…」
僕はラファエルの前から移動し、ラファエルが座っている噴水の反対側に腰掛ける
結構距離ができてしまうが、この噴水は小さめな為声が聞こえないということにはならない…はず
「これならどうですか?」
「……うん、大丈夫…」
「そうですか!ならこのままお話しましょうか」
「…うん」
先程まで暗かった声が少しだけ明るく聞こえる、うん、このままいこう。
「そう言えばリュエル殿下が自分の前では特に笑わないと言ってましたが、それにもなにか深い訳が?」
「いや、……兄上の前だとその、緊張してしまって…いつも以上に、、、」
「可愛いかよ(ボソッ)」
「え…?」
「いえ、緊張ですか、まぁ確かに、リュエル殿下は普段何を考えてるかわからなく、かと思ったら急に突拍子のない事を言い出しますし───」
「ち、ちがっ、そうじゃなくて!」
「まぁそれは貴方にも当てはまりますが。」
「え?」
「あ、」
しまった、ゲームでの殿下のことを言ってしまった。
「俺も…?」
でも今の殿下もそうだよね、突拍子のない事を言い出すのは分からないけど。
「やはり兄弟ですね。殿下は無表情で、リュエル殿下は笑顔で。印象は違うけれど、分からないのは同じですよ。」
「同じ…えへへ」
「褒めてないんだけど。
確かに王子たるもの、感情を読まれない様にするのは大事な事です。けれど私達はまだ幼い子供。もう少し、年相応に笑っても良いのでは?」
「でも…これは元からだ…」
「これから頑張ればいい。それに、愛想良くしている方が、情報も手に入りやすいですよ」
「情報…」
「そうすれば、リュエル殿下を支える事も、出来ると思いますし。」
「支える…兄上を」
「まぁ、王になりたいというのなら、リュエル殿下を超えなきゃですが。」
「っそんな事ない!俺は兄上こそが王にふさわしいと思っている!…そして俺が、兄上を支えられればと……」
「そう思うのならば、何事も本気でやりなさい。兄に叶わないからと、諦めるんじゃありません」
「あ、アルバルト…?」
「諦めたらそれこそ、リュエル殿下を支えるなんてこと、出来ませんからね」
「………」
……あ、しまった言い過ぎた。
振り返ると噴水の反対側でラファエルが俯いていた、
大丈夫?俯いてるけど泣いてないよね?ね?
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