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1.望まれぬ婚姻
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アカネース王国十三代目国王デュッセルは、五代前の白蘭王ことノアリム以来の男児であった。姉が三人、妹が七人と歴代と比べても多くの姉妹を持つのは、第三妃が男児を産んだことで次こそは自分の腹に宿るのではと期待した正妃や二妃の悲しい努力の末路である。
結局、デュッセルが十五歳となるまでに新たな男児が産まれることはなく、レイノアール侵攻を防ぎ戦果を上げたフォドムス伯爵家に嫁ぐこととなった長女から白百合の掘られた王印の半分を譲り受け正式に後継者として認知されていった。
姉は全てどこかの貴族の元へ嫁ぎ、妹たちも四人は何らかの婚姻を結び、二人は城の生活が合わず城下町へと下り、一人は騎士を駆け落ちをした。
姉妹の行方など、デュッセルには興味のないことだった。
生まれたときから王としての期待を受け、教育され、応え続けてきた男にとって、多く姉妹がいることは使える手札が多い以上の意味がない。唯一同じ母親を持つ妹が駆け落ちをした際には、少しだけ安堵する気持ちもあったのだがやはり勝手な行動をとる妹の愚かさの方が目についてしまった。
そして今、デュッセルの目の前には手札のうちの一枚である娘が体の前で右手で左手を包むようにして立っている。害意はないのだと、利き手を押さえつけることで証明しているのだ。
ここはデュッセルの私室で、周囲には誰もいない。
明日には隣国へ向かう娘との最後の邂逅になるというのに、デュッセルはほの暗い表情を変えることなく椅子に腰かけたまま深い息を吐いた。
「お前は段々母親に似てきたな」
「お母様にですか?」
「ああ。顔がよく似ている。……親子なのだから当然かもしれないがな」
デュッセルが懐かしむのは、目の前にいるリーゼロッテではなかった。
リーゼロッテの姿を通して、今は亡き想い人の姿を見る。
「性格は全く似なかったが。あれは気が強くて負けず嫌いで見ていて飽きなかった」
デュッセルがリーゼロッテに母親の話をするのは初めてであった。驚いて言葉を返せないリーゼロッテに目をやり、デュッセルは間の抜けた彼女の姿を鼻で笑ってみせる。
「はっ、この程度のことでそこまで驚くか。見たことのない間抜け面だな」
「そうは仰いますが、まさか陛下のお口から母の話が出てくるとは夢にも思わなかったものですから」
「では、今日ここに呼ばれたこと自体が不思議でしょうがないのだろうな」
リーゼロッテは黙って頷いた。デュッセルもまさか昔話をするためにリーゼロッテを私室に招いたわけではない。
ただ、彼女の顔を見た瞬間にかつて愛した女性の面影を追いかけてしまっただけのこと。
らしくないことをしてしまった。デュッセルは軽く咳払いをすると、いまだに困惑の表情を浮かべるリーゼロッテへと欠片の笑みも浮かべずにこう切り出した。
「出立の準備、中々に手こずっていたらしいな」
リーゼロッテは答えない。その態度はデュッセルにとっては想定の範囲内で、気にすることなく言葉を続けた。
「……その様子だと、滞りなくは手配できているというところか。まあいい。今日お前を呼んだのはお前に渡すものがあるからだ」
「渡すもの……ですか?」
「ああ。ミレイニアやヴィオレッタの際にも王として贈り物は用意したからな。まさかお前だけにやらんということは出来ないだろう」
デュッセルの言葉で、納得したようにリーゼロッテは頷いた。そして、形式通りの礼を述べると深々と頭を下げた。
文句の付けようがない完璧な動作に、デュッセルは思わず嘆息を漏らした。教えたのは自分ではない。教育係も付いていたはずだが、リーゼロッテに対してその責務を果たしていたとは到底思えなかった。
リーゼロッテの母親は彼女が幼いうちになくなっている。生きている間に、リーゼロッテのためにとひたすらに立ち振舞いを叩き込んだのだろうか。
元は農村出身の娘ということであったが、リーゼロッテの母親は辺境に眠らせておくには惜しい才気溢れる娘であった。側室として抱えられ、デュッセルが教育役として自分の乳母を付けてやった。それだけで彼女は城での生き方を乾いた綿のように吸収していった。
彼女を選んだ自分が、間違いではなかった証明が目の前の娘だ。
そう考えると、デュッセルの胸の中には小さく明かりが灯る。蝋燭の炎のように頼りない温もりであったが、リーゼロッテの成長に対して普通の父親のような喜びを覚えた。
「二人は誕生花の色に合わせ、髪、耳、首、腕と揃いの装飾品を特注で作ってやった。あれは一つで一生遊んで暮らせるだけの価値があるから、万が一嫁いだ先が没落するようなことがあっても生活には困らぬだろう。それについてはお前も知っているな」
「はい。……ですが、私はそのようなものは……」
「そう言うと思っていたさ。大体、お前の嫁ぎ先が没落などになれば、レイノアールという国自体が危機にあるということだろう。こんな装飾品を売った金でどうにかできるような話ではない」
リーゼロッテの言葉を遮ると、デュッセルは首を振った。この娘が目先の宝石に価値を見出だすような者ではないことはデュッセルもよくわかっている。
決してリーゼロッテだけを特別視するわけではないが、デュッセルは彼女には別の贈り物を用意した。和平のために隣国へ一人嫁ぐ王女への、国王として出来る最大限の敬意と厚意をもってその言葉を口にする。
「レイノアール王国はアカネースと違い、次期王は長子を優先とするのではなく王位継承権を持つ者のうちから適正を持った者を選ぶ形を取っていることは知っているか?」
「はい……。話だけはマリンハルトから聞いております」
「そうか。では、今の王家の状況については調べはついているのか?」
恐る恐るといった様子でリーゼロッテは左右に首を振った。デュッセルの意図を探ろうと、様子を窺っているのだろう。
「これは、レイノアール国に放った間者から得た情報だ。お前にとっては、金よりもよっぽど価値のあるものとなるだろう」
デュッセルの言葉に、リーゼロッテの目の色が変わる。
それは昔惹かれた女性と同じ、未来を見据えて光を放つ強かな瞳であった。
「……お聞かせいただけますでしょうか」
「現在王家には王子王女が合わせて4人いる。うち3人は正妃の子、1人は側室の子だ。だが、先ほども言った通り後継者は継承権を持つ者達から相応しい者を選ぶからな。才気さえあれば側室の子が後継者となることもあり得る。私の言いたいことはわかるか?」
眉間にしわを寄せ、リーゼロッテは頷いた。考えを纏めるように口元に手を当てると、ゆっくりとデュッセルの望む答えを紡ぎだした。
「アカネースは基本的には男児か、もしくは長子の婿が後継者となることが決まっています。そもそも男児が生まれにくい血筋ですから、一人でも生まれてしまえばその方が後継者となることは確実となるでしょう。後継者が確定しているのですから、妃達の争いもあまり露骨には出来ません。……何をしたところで決定は覆りませんし、下手に手を出せば誰が首謀者なのかは簡単に調べが付いてしまいます」
数多く行われた嫌がらせを思いだし、リーゼロッテは表情を曇らせる。
今回のように長子でありながら他国に嫁ぐような例外を除いて、過去のアカネース王国で男児がなく長子が存命の限りは継承権が引っくり返ったことはない。
そのため、エリザがリーゼロッテから後継者としての地位を奪うためには、リーゼロッテの命を奪うしかない。しかし、リーゼロッテが命を落とせば真っ先に疑われるのはエリザとなる。証拠を残さずにリーゼロッテを亡き者とするのは簡単なことではなく、それならば城での暮らしから逃げ出す方向に誘導する方が上手く事が運ぶ可能性は高い。
だからこそ、エリザは自身の影響力を活用しリーゼロッテを爪弾き者として仕立て上げた。真綿で首を締めるように、リーゼロッテが産まれてから時間を掛けて孤立させていった。その成果も実ってか、正統な王位継承権を持つというのに誰もがリーゼロッテを相手にせず、婚約者もないまま時だけが過ぎていった。
このままリーゼロッテを飼い殺しにし、騎士団長でありフォドムス伯爵家の長男を婿としたミレイニアに継承権が移るのを待つだけであった。そこに転がってきたレイノアールとの婚姻の話に、喜んで飛び付いたのだろう。
悪くない方法だとデュッセルは思う。リーゼロッテを生かしたまま継承権を奪うことが出来れば、自身の身の破滅というリスクは背負わなくて済む。
しかし同時に、短慮という印象も拭いきれなかった。
デュッセルは目の前の娘に目を向ける。本当にエリザが王位を望むのであれば、リスクを負ってでもリーゼロッテを殺すべきなのだ。
結局、デュッセルが十五歳となるまでに新たな男児が産まれることはなく、レイノアール侵攻を防ぎ戦果を上げたフォドムス伯爵家に嫁ぐこととなった長女から白百合の掘られた王印の半分を譲り受け正式に後継者として認知されていった。
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そして今、デュッセルの目の前には手札のうちの一枚である娘が体の前で右手で左手を包むようにして立っている。害意はないのだと、利き手を押さえつけることで証明しているのだ。
ここはデュッセルの私室で、周囲には誰もいない。
明日には隣国へ向かう娘との最後の邂逅になるというのに、デュッセルはほの暗い表情を変えることなく椅子に腰かけたまま深い息を吐いた。
「お前は段々母親に似てきたな」
「お母様にですか?」
「ああ。顔がよく似ている。……親子なのだから当然かもしれないがな」
デュッセルが懐かしむのは、目の前にいるリーゼロッテではなかった。
リーゼロッテの姿を通して、今は亡き想い人の姿を見る。
「性格は全く似なかったが。あれは気が強くて負けず嫌いで見ていて飽きなかった」
デュッセルがリーゼロッテに母親の話をするのは初めてであった。驚いて言葉を返せないリーゼロッテに目をやり、デュッセルは間の抜けた彼女の姿を鼻で笑ってみせる。
「はっ、この程度のことでそこまで驚くか。見たことのない間抜け面だな」
「そうは仰いますが、まさか陛下のお口から母の話が出てくるとは夢にも思わなかったものですから」
「では、今日ここに呼ばれたこと自体が不思議でしょうがないのだろうな」
リーゼロッテは黙って頷いた。デュッセルもまさか昔話をするためにリーゼロッテを私室に招いたわけではない。
ただ、彼女の顔を見た瞬間にかつて愛した女性の面影を追いかけてしまっただけのこと。
らしくないことをしてしまった。デュッセルは軽く咳払いをすると、いまだに困惑の表情を浮かべるリーゼロッテへと欠片の笑みも浮かべずにこう切り出した。
「出立の準備、中々に手こずっていたらしいな」
リーゼロッテは答えない。その態度はデュッセルにとっては想定の範囲内で、気にすることなく言葉を続けた。
「……その様子だと、滞りなくは手配できているというところか。まあいい。今日お前を呼んだのはお前に渡すものがあるからだ」
「渡すもの……ですか?」
「ああ。ミレイニアやヴィオレッタの際にも王として贈り物は用意したからな。まさかお前だけにやらんということは出来ないだろう」
デュッセルの言葉で、納得したようにリーゼロッテは頷いた。そして、形式通りの礼を述べると深々と頭を下げた。
文句の付けようがない完璧な動作に、デュッセルは思わず嘆息を漏らした。教えたのは自分ではない。教育係も付いていたはずだが、リーゼロッテに対してその責務を果たしていたとは到底思えなかった。
リーゼロッテの母親は彼女が幼いうちになくなっている。生きている間に、リーゼロッテのためにとひたすらに立ち振舞いを叩き込んだのだろうか。
元は農村出身の娘ということであったが、リーゼロッテの母親は辺境に眠らせておくには惜しい才気溢れる娘であった。側室として抱えられ、デュッセルが教育役として自分の乳母を付けてやった。それだけで彼女は城での生き方を乾いた綿のように吸収していった。
彼女を選んだ自分が、間違いではなかった証明が目の前の娘だ。
そう考えると、デュッセルの胸の中には小さく明かりが灯る。蝋燭の炎のように頼りない温もりであったが、リーゼロッテの成長に対して普通の父親のような喜びを覚えた。
「二人は誕生花の色に合わせ、髪、耳、首、腕と揃いの装飾品を特注で作ってやった。あれは一つで一生遊んで暮らせるだけの価値があるから、万が一嫁いだ先が没落するようなことがあっても生活には困らぬだろう。それについてはお前も知っているな」
「はい。……ですが、私はそのようなものは……」
「そう言うと思っていたさ。大体、お前の嫁ぎ先が没落などになれば、レイノアールという国自体が危機にあるということだろう。こんな装飾品を売った金でどうにかできるような話ではない」
リーゼロッテの言葉を遮ると、デュッセルは首を振った。この娘が目先の宝石に価値を見出だすような者ではないことはデュッセルもよくわかっている。
決してリーゼロッテだけを特別視するわけではないが、デュッセルは彼女には別の贈り物を用意した。和平のために隣国へ一人嫁ぐ王女への、国王として出来る最大限の敬意と厚意をもってその言葉を口にする。
「レイノアール王国はアカネースと違い、次期王は長子を優先とするのではなく王位継承権を持つ者のうちから適正を持った者を選ぶ形を取っていることは知っているか?」
「はい……。話だけはマリンハルトから聞いております」
「そうか。では、今の王家の状況については調べはついているのか?」
恐る恐るといった様子でリーゼロッテは左右に首を振った。デュッセルの意図を探ろうと、様子を窺っているのだろう。
「これは、レイノアール国に放った間者から得た情報だ。お前にとっては、金よりもよっぽど価値のあるものとなるだろう」
デュッセルの言葉に、リーゼロッテの目の色が変わる。
それは昔惹かれた女性と同じ、未来を見据えて光を放つ強かな瞳であった。
「……お聞かせいただけますでしょうか」
「現在王家には王子王女が合わせて4人いる。うち3人は正妃の子、1人は側室の子だ。だが、先ほども言った通り後継者は継承権を持つ者達から相応しい者を選ぶからな。才気さえあれば側室の子が後継者となることもあり得る。私の言いたいことはわかるか?」
眉間にしわを寄せ、リーゼロッテは頷いた。考えを纏めるように口元に手を当てると、ゆっくりとデュッセルの望む答えを紡ぎだした。
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そのため、エリザがリーゼロッテから後継者としての地位を奪うためには、リーゼロッテの命を奪うしかない。しかし、リーゼロッテが命を落とせば真っ先に疑われるのはエリザとなる。証拠を残さずにリーゼロッテを亡き者とするのは簡単なことではなく、それならば城での暮らしから逃げ出す方向に誘導する方が上手く事が運ぶ可能性は高い。
だからこそ、エリザは自身の影響力を活用しリーゼロッテを爪弾き者として仕立て上げた。真綿で首を締めるように、リーゼロッテが産まれてから時間を掛けて孤立させていった。その成果も実ってか、正統な王位継承権を持つというのに誰もがリーゼロッテを相手にせず、婚約者もないまま時だけが過ぎていった。
このままリーゼロッテを飼い殺しにし、騎士団長でありフォドムス伯爵家の長男を婿としたミレイニアに継承権が移るのを待つだけであった。そこに転がってきたレイノアールとの婚姻の話に、喜んで飛び付いたのだろう。
悪くない方法だとデュッセルは思う。リーゼロッテを生かしたまま継承権を奪うことが出来れば、自身の身の破滅というリスクは背負わなくて済む。
しかし同時に、短慮という印象も拭いきれなかった。
デュッセルは目の前の娘に目を向ける。本当にエリザが王位を望むのであれば、リスクを負ってでもリーゼロッテを殺すべきなのだ。
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