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1.望まれぬ婚姻
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諌めようと立ち上がり掛けたレオナルドの足を、ヴァインスはテーブルの下で思いきり踏みつけた。
「兄さ……っ!」
「もちろんタダとはいわないさ。一晩俺の相手をするなら、こんな店で働いていたらバカらしくなるくらいの金だってくれてやる」
今にも噛みついてきそうな獣の笑みは、王子でありながらどこか粗野な雰囲気を持つヴァインスにはよく似合っていた。
レイノアール国民に特徴的な雪色の肌にと色素の薄い雪空の瞳は兄弟達ともよく似ているのだが、4人の中で彼だけが目を引くはっきりとした黒髪を持っていた。
肩に掛かる長さまで伸びた黒髪を結い上げることもせず下ろしていることが、ヴァインスを野性的に写すのだろう。
獣のように鋭い瞳も、兄弟の中では一段と濃い色合いのローズグレイ。仄かな赤みが、白い肌にはよく映える。
その強引な態度と強気な口調が雰囲気に相まって、彼の誘いに生じる娘は多い。城下町はもちろんだが、貴族の娘達もまた彼との遊びの恋に心を燃やしているという。
それを自国の中だけでやっている分には構わない。レオナルドにはその楽しさが理解できないが、どのような噂が立とうが自己責任で済む話なのだから。
しかし、今はこれから友好を結ぼうとしている他国にいる。自分達の血が強い意味を持つ自国と同じ感覚で、女遊びに耽っていいわけがないのだ。
「兄様! いい加減にしてください、失礼ですよ!」
レオナルドはヴァインスの腕を掴むと、立ち上がって代わりに娘へと頭を下げた。
「申し訳ありません、私の兄が無礼な振る舞いを。兄に代わって謝罪します」
「そんな、顔を上げてください。レイノアール流の冗談の一つでしょう?」
娘は慌てて手を振ると、頭を下げたレオナルドの肩を軽く叩く。
そんな冗談があるはずがない。おそらく、彼女もそんなことはわかっているだろう。それでもレオナルドを気遣って微笑む姿に胸が痛んだ。
「お誘い頂き光栄です。ですが、こういうものはもう少し冗談とわかるように言わなければ、余計な誤解を与えてしまいますよ?」
娘は真っ直ぐにヴァインスを見返すと、落ち着きのある楚々とした笑みを浮かべてはっきりとその誘いを拒絶する。
何事もなかったかのように頭を下げると、トレイを胸に奥へと姿を消した。
自分よりもやや年上の、それこそヴァインスと同じ年頃の娘だ。すでに婚期は迎えていて、遅くても婚約者はいるのではないかと思われる。
そのことを考えると、見知らぬ彼女の恋人にも申し訳なくなってしまう。レオナルドは上げていた頭を再び下げ、申し訳なさそうに席に着く。
「レオンは真面目だね」
「本来なら、アレクシス兄様がヴァインス兄様を諌めるものだと思いますが」
「私はダメだよ。だって、ヴァンが本気で言ってないとわかっているからね」
「本気でなくても、良識の範囲を越えている時は止めてください」
苛立ちを隠しきれないレオナルドに対し、アレクシスは余裕の笑みを浮かべてようやく珈琲に口を付けた。
「……うん、美味しい。美味しいよ、レオンもどうだい?」
「美味しいのは承知しています。……はあ、もう何でもいいですよ」
再び口に運んだ珈琲はすでに冷めてしまっていたが、広がる香りと苦味は相変わらずで美味しかった。
珈琲一杯の休憩を楽しむつもりで立ち寄った喫茶店だったが、メニューに並ぶ手作りのケーキを見つけたシェリーが目を輝かせたため、二杯目の珈琲とケーキを注文することとなった。
「ご注文、承りました。少々お待ちください」
全員の注文を持って娘が奥に下がると、アレクシスは隣に座るシェリーの腰まで伸びた白花色の髪を撫でため息を吐いた。
「……他国の、しかも最近まで戦争を行っていた国に嫁ぐというのはどんな気分なんだろうね」
アレクシスが何の話をしたいのか、詳しくは聞かなくても彼ら兄弟には理解ができた。
頭に触れる大きな手を見上げ、シェリーはそっと目を伏せる。
「……私じゃなくて良かったって、正直なところ思いました」
重い息を吐き出したシェリーに目をやり、アレクシスとレオナルドは彼女の気持ちを思い目を伏せた。決して誉められた発言ではないが、二人は妹を嗜める言葉が浮かばなかった。
「私も、シェリーではなくて良かったと思ったよ」
この国の姫には申し訳ないけど、と付け加えてアレクシスは困ったような笑顔を浮かべた。シェリーは自分の発言の残酷さに気づいたのだろう。恥じるように顔を俯け唇を引き結ぶ。
「僕もシェリーの言う通りだと思うよ。誰だって、そんな貧乏くじを引きたくない」
「へぇ、お前でもそう思うのか。てっきり、国のためだからとか言うと思ってたぜ」
「国のためだとは思っていますよ。でも、喜んで結婚なんて出来るわけがありません」
茶化すような口調のヴァインスを無視し、レオナルドは俯くシェリーの背中を撫でた。
「シェリーは婚約者を戦争で失っているからね。余計に、思うところはあるんじゃないかな?」
優しく響いたアレクシスの言葉に、シェリーは微かに頷いた。そして、申し訳なさそうに首を振る。
「申し訳ありません、お兄様。私、アカネース国から嫁ぐという王女様を、心から歓迎することはできそうにありません……」
「シェリー……」
「あの方の仇だという気持ちが、どうしても消えてくれないのです」
誰一人として、シェリーを責めることはできなかった。彼女の気持ちは、レイノアールの国民の多くが思うことと同じだろう。
敵国の姫。家族を、大切な人を、育った故郷を奪った仇。おそらく、レイノアールの人間達がアカネースの姫に対して抱く感情は明確な敵意のはずだ。
国民がアカネースの姫を拒むのなら、尚更に王族である自分達が受け入れなければならない。
停戦は父王の悲願でもあり、兄弟達も王の意思は理解し共感している。
シェリーも、頭ではわかっている。しかし、受け入れられない程に彼女は婚約者を愛していた。
「彼は本当に優秀な武人だった。……シェリーのことも大切にしてくれていたから、婚約が決まったときは本当に喜んだのだけどね」
「あいつ、確か兄上の近衛騎士だったか?」
「ああ、そうだよ。それに、今の騎士団長の息子だ。ずっと私の近衛騎士として仕えていてくれたが、後から王国騎士団入りを志願したんだ」
男が王国騎士団に転属願いを出したのは、シェリーとの婚約が決まった後だった。早く戦争を終わらせ、平和な世の中で彼女に笑って欲しいと話していたことをアレクシスは今でも覚えている。
しかし、それを口にすることはシェリーを余計に傷付けるだけだ。アレクシスは黙ってシェリーの頬を撫でる。
まだ、シェリーの心の傷は癒えていない。だからこそ、アカネース王国に王子がいなくて良かったとアレクシスは思うのだ。
「お待たせいたしました」
ウェイトレスの娘がそれぞれの前にケーキを運ぶ。話の内容を聞かれていたかもしれないと危惧しレオナルドは娘の横顔を盗み見たが、彼女は四人に興味など無さそうにケーキと珈琲を並べている。
聞こえないふりをしているだけかもしれなかったが、彼女の態度が変わらないことに安心してレオナルドはカップを口に運んだ。
「なぁ、レオナルド。俺とお前と、どっちが貧乏くじを引くことになると思う?」
まだ娘が目の前にいるというのに話を続けるヴァインスに睨むような視線を投げ、レオナルド眉を潜めた。
ヴァインスのことだ。
ここで無視をすると、レオナルドが不機嫌になることをわかった上で今度は露骨な言い方で同じ質問をするだろう。
そのことを嫌でもわかっているレオナルドは、眉間にしわを寄せたまま口を開いた。
「わかりませんよ、そんなこと。お互い、自分になった場合のことだけ考えていればいいんじゃないですか?」
「つまらんやつだな」
鼻で笑い、ヴァインスは運ばれてきた果物の乗ったタルトを手掴みで口へと運んだ。粗野な仕草に、レオナルドの眉間のしわが深くなる。
その様子を横目で見つつ、大きな一口を飲み込むとヴァインスは満足そうに笑みを浮かべた。
「俺は妻など御免だな。一人の女に縛られるなんてやってられるか。それこそ、こいつのように様々な味を楽しみたいからな」
ヴァインスはごろごろと様々な種類の果物を乗せたタルトを持ち上げる。
そして、レオナルドの選んだケーキに目をやり、意地悪く笑う。
「お前が結婚すればいい。俺よりずっと向いてるだろうよ」
レオナルドが頼んだものは、ブルーベリーとチーズのケーキ。それも、ブルーベリーの味を引き立てることを優先されたケーキであった。
様々な種類の果物を、それなりに美味しく楽しめることが出来れば十分なヴァインス。
一つの好物を最も美味しい形で食べることを選ぶレオナルド。
「確かに、レオンの方が適任かもしれないね」
ヴァインスの視線を追ったアレクシスは、そこに並ぶ二つのケーキを見比べて興味深そうに頷いていた。
「兄さ……っ!」
「もちろんタダとはいわないさ。一晩俺の相手をするなら、こんな店で働いていたらバカらしくなるくらいの金だってくれてやる」
今にも噛みついてきそうな獣の笑みは、王子でありながらどこか粗野な雰囲気を持つヴァインスにはよく似合っていた。
レイノアール国民に特徴的な雪色の肌にと色素の薄い雪空の瞳は兄弟達ともよく似ているのだが、4人の中で彼だけが目を引くはっきりとした黒髪を持っていた。
肩に掛かる長さまで伸びた黒髪を結い上げることもせず下ろしていることが、ヴァインスを野性的に写すのだろう。
獣のように鋭い瞳も、兄弟の中では一段と濃い色合いのローズグレイ。仄かな赤みが、白い肌にはよく映える。
その強引な態度と強気な口調が雰囲気に相まって、彼の誘いに生じる娘は多い。城下町はもちろんだが、貴族の娘達もまた彼との遊びの恋に心を燃やしているという。
それを自国の中だけでやっている分には構わない。レオナルドにはその楽しさが理解できないが、どのような噂が立とうが自己責任で済む話なのだから。
しかし、今はこれから友好を結ぼうとしている他国にいる。自分達の血が強い意味を持つ自国と同じ感覚で、女遊びに耽っていいわけがないのだ。
「兄様! いい加減にしてください、失礼ですよ!」
レオナルドはヴァインスの腕を掴むと、立ち上がって代わりに娘へと頭を下げた。
「申し訳ありません、私の兄が無礼な振る舞いを。兄に代わって謝罪します」
「そんな、顔を上げてください。レイノアール流の冗談の一つでしょう?」
娘は慌てて手を振ると、頭を下げたレオナルドの肩を軽く叩く。
そんな冗談があるはずがない。おそらく、彼女もそんなことはわかっているだろう。それでもレオナルドを気遣って微笑む姿に胸が痛んだ。
「お誘い頂き光栄です。ですが、こういうものはもう少し冗談とわかるように言わなければ、余計な誤解を与えてしまいますよ?」
娘は真っ直ぐにヴァインスを見返すと、落ち着きのある楚々とした笑みを浮かべてはっきりとその誘いを拒絶する。
何事もなかったかのように頭を下げると、トレイを胸に奥へと姿を消した。
自分よりもやや年上の、それこそヴァインスと同じ年頃の娘だ。すでに婚期は迎えていて、遅くても婚約者はいるのではないかと思われる。
そのことを考えると、見知らぬ彼女の恋人にも申し訳なくなってしまう。レオナルドは上げていた頭を再び下げ、申し訳なさそうに席に着く。
「レオンは真面目だね」
「本来なら、アレクシス兄様がヴァインス兄様を諌めるものだと思いますが」
「私はダメだよ。だって、ヴァンが本気で言ってないとわかっているからね」
「本気でなくても、良識の範囲を越えている時は止めてください」
苛立ちを隠しきれないレオナルドに対し、アレクシスは余裕の笑みを浮かべてようやく珈琲に口を付けた。
「……うん、美味しい。美味しいよ、レオンもどうだい?」
「美味しいのは承知しています。……はあ、もう何でもいいですよ」
再び口に運んだ珈琲はすでに冷めてしまっていたが、広がる香りと苦味は相変わらずで美味しかった。
珈琲一杯の休憩を楽しむつもりで立ち寄った喫茶店だったが、メニューに並ぶ手作りのケーキを見つけたシェリーが目を輝かせたため、二杯目の珈琲とケーキを注文することとなった。
「ご注文、承りました。少々お待ちください」
全員の注文を持って娘が奥に下がると、アレクシスは隣に座るシェリーの腰まで伸びた白花色の髪を撫でため息を吐いた。
「……他国の、しかも最近まで戦争を行っていた国に嫁ぐというのはどんな気分なんだろうね」
アレクシスが何の話をしたいのか、詳しくは聞かなくても彼ら兄弟には理解ができた。
頭に触れる大きな手を見上げ、シェリーはそっと目を伏せる。
「……私じゃなくて良かったって、正直なところ思いました」
重い息を吐き出したシェリーに目をやり、アレクシスとレオナルドは彼女の気持ちを思い目を伏せた。決して誉められた発言ではないが、二人は妹を嗜める言葉が浮かばなかった。
「私も、シェリーではなくて良かったと思ったよ」
この国の姫には申し訳ないけど、と付け加えてアレクシスは困ったような笑顔を浮かべた。シェリーは自分の発言の残酷さに気づいたのだろう。恥じるように顔を俯け唇を引き結ぶ。
「僕もシェリーの言う通りだと思うよ。誰だって、そんな貧乏くじを引きたくない」
「へぇ、お前でもそう思うのか。てっきり、国のためだからとか言うと思ってたぜ」
「国のためだとは思っていますよ。でも、喜んで結婚なんて出来るわけがありません」
茶化すような口調のヴァインスを無視し、レオナルドは俯くシェリーの背中を撫でた。
「シェリーは婚約者を戦争で失っているからね。余計に、思うところはあるんじゃないかな?」
優しく響いたアレクシスの言葉に、シェリーは微かに頷いた。そして、申し訳なさそうに首を振る。
「申し訳ありません、お兄様。私、アカネース国から嫁ぐという王女様を、心から歓迎することはできそうにありません……」
「シェリー……」
「あの方の仇だという気持ちが、どうしても消えてくれないのです」
誰一人として、シェリーを責めることはできなかった。彼女の気持ちは、レイノアールの国民の多くが思うことと同じだろう。
敵国の姫。家族を、大切な人を、育った故郷を奪った仇。おそらく、レイノアールの人間達がアカネースの姫に対して抱く感情は明確な敵意のはずだ。
国民がアカネースの姫を拒むのなら、尚更に王族である自分達が受け入れなければならない。
停戦は父王の悲願でもあり、兄弟達も王の意思は理解し共感している。
シェリーも、頭ではわかっている。しかし、受け入れられない程に彼女は婚約者を愛していた。
「彼は本当に優秀な武人だった。……シェリーのことも大切にしてくれていたから、婚約が決まったときは本当に喜んだのだけどね」
「あいつ、確か兄上の近衛騎士だったか?」
「ああ、そうだよ。それに、今の騎士団長の息子だ。ずっと私の近衛騎士として仕えていてくれたが、後から王国騎士団入りを志願したんだ」
男が王国騎士団に転属願いを出したのは、シェリーとの婚約が決まった後だった。早く戦争を終わらせ、平和な世の中で彼女に笑って欲しいと話していたことをアレクシスは今でも覚えている。
しかし、それを口にすることはシェリーを余計に傷付けるだけだ。アレクシスは黙ってシェリーの頬を撫でる。
まだ、シェリーの心の傷は癒えていない。だからこそ、アカネース王国に王子がいなくて良かったとアレクシスは思うのだ。
「お待たせいたしました」
ウェイトレスの娘がそれぞれの前にケーキを運ぶ。話の内容を聞かれていたかもしれないと危惧しレオナルドは娘の横顔を盗み見たが、彼女は四人に興味など無さそうにケーキと珈琲を並べている。
聞こえないふりをしているだけかもしれなかったが、彼女の態度が変わらないことに安心してレオナルドはカップを口に運んだ。
「なぁ、レオナルド。俺とお前と、どっちが貧乏くじを引くことになると思う?」
まだ娘が目の前にいるというのに話を続けるヴァインスに睨むような視線を投げ、レオナルド眉を潜めた。
ヴァインスのことだ。
ここで無視をすると、レオナルドが不機嫌になることをわかった上で今度は露骨な言い方で同じ質問をするだろう。
そのことを嫌でもわかっているレオナルドは、眉間にしわを寄せたまま口を開いた。
「わかりませんよ、そんなこと。お互い、自分になった場合のことだけ考えていればいいんじゃないですか?」
「つまらんやつだな」
鼻で笑い、ヴァインスは運ばれてきた果物の乗ったタルトを手掴みで口へと運んだ。粗野な仕草に、レオナルドの眉間のしわが深くなる。
その様子を横目で見つつ、大きな一口を飲み込むとヴァインスは満足そうに笑みを浮かべた。
「俺は妻など御免だな。一人の女に縛られるなんてやってられるか。それこそ、こいつのように様々な味を楽しみたいからな」
ヴァインスはごろごろと様々な種類の果物を乗せたタルトを持ち上げる。
そして、レオナルドの選んだケーキに目をやり、意地悪く笑う。
「お前が結婚すればいい。俺よりずっと向いてるだろうよ」
レオナルドが頼んだものは、ブルーベリーとチーズのケーキ。それも、ブルーベリーの味を引き立てることを優先されたケーキであった。
様々な種類の果物を、それなりに美味しく楽しめることが出来れば十分なヴァインス。
一つの好物を最も美味しい形で食べることを選ぶレオナルド。
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