55 / 56
番外編 一回じゃ全然足りない高瀬の話
①★
しおりを挟む
自分の奥へと埋められた高瀬の性器が、熱のこもった精をオレの中へと注ぎ込んでいることが薄いコンドーム越しに伝わってくる。
高瀬の背に爪を食い込ませながら抱き着いて、うっすらと瞼を持ち上げて枕元に転がっているコンドームへと視線を向けた。
水風船みたいに転がったものが二つ。三つ目もそろそろオレの中で一杯になった頃だろう。
「はぁ……恭ちゃ、ん……」
名前を呼びながら、高瀬はオレの唇を塞いだ。酸素を奪われ、その上で体重を掛けて押し潰されているというのに、その重みに愛しさを感じてしまうのはそれだけ高瀬に落ちている証なんだろう。
ちゅ、ちゅ、と唇に吸い付く可愛らしい口づけ。高瀬は甘えるようにオレの下唇を食んで、両手でオレの頬を撫でながら顔を上げた。
「んー……恭ちゃん、痛くないですか?」
「平気」
高瀬は何かを堪えるように頬を緩め、精液で満たされたコンドームごと自身をゆっくりと引き抜いた。
「ぅあ……」
抜けていく高瀬の性器がすっかり高瀬の形を覚え込んでしまったオレのナカを擦り上げていく。その感触ですら気持ちが良くて、声が漏れるのは止められなかった。
「はぁ……ん、高瀬、まだ勃ってんじゃん……」
「いやー、あはは……」
寝転んだまま自分のナカから抜け出ていく高瀬の性器に目を向けていたら、オレのナカで果てたはずなのに顔を出してもまだ天井を向いたままだから驚いてしまう。
「若さってすごいな……」
「何言ってるんですか。恭ちゃんだってまだ若いですよ」
「オレは四捨五入したら三十だよ。お前はまだ二十だろ」
「あはは、これは若さじゃなくて、恭ちゃん相手だからですよ」
そう言って、高瀬はオレにのしかかるようにして抱き着いてくる。結構重たいけれど、高瀬の温もりが全身を包み込むようで、それが心地良くて気持ちいい。
高瀬の背中に腕を回せば、お互いの胸がぴったりと重なって、ドキドキと音を鳴らす高瀬の心音が聞こえてきた。
「恭ちゃん、すごくドキドキしてますね」
「高瀬もじゃん」
心臓だけじゃない。下腹部にはまだ熱を持つ高瀬の性器が押し付けられていた。
もう三回も挿れられて、回を増すごとに高瀬が達するまでに掛かる時間も増えていくから、正直体力は限界に近い。でも、高瀬がオレ相手に興奮しているこの状況が堪らなく愛しく思えるから、ちょっとくらいしんどくても無理したくなってしまう。
「……高瀬、もう一回するか?」
「え?」
「まだ足りないんだろ?」
すぐに頷くと思ったのに、意外にも高瀬は渋るような声と共にオレから目を逸らした。不思議に思い高瀬の視線の先を追えば、空になったコンドームの箱が転がっている。
「さっきのでゴム最後だったんですよ」
「まじか」
「散々させてもらいましたし、恭ちゃんも疲れたでしょうから後は自分で処理します」
オレに抱き着きながら高瀬はそう言って微笑むけれど、腹に当たってるモノは素直で溢れ出した先走りでオレを濡らしていく。
オレを心配してくれる気持ちは嬉しいけど、無理だと思ってたらそもそももう一回なんて提案していない。それくらい、わかれって。
「……挿れて欲しいって言ってもやんない?」
高瀬の背に爪を食い込ませながら抱き着いて、うっすらと瞼を持ち上げて枕元に転がっているコンドームへと視線を向けた。
水風船みたいに転がったものが二つ。三つ目もそろそろオレの中で一杯になった頃だろう。
「はぁ……恭ちゃ、ん……」
名前を呼びながら、高瀬はオレの唇を塞いだ。酸素を奪われ、その上で体重を掛けて押し潰されているというのに、その重みに愛しさを感じてしまうのはそれだけ高瀬に落ちている証なんだろう。
ちゅ、ちゅ、と唇に吸い付く可愛らしい口づけ。高瀬は甘えるようにオレの下唇を食んで、両手でオレの頬を撫でながら顔を上げた。
「んー……恭ちゃん、痛くないですか?」
「平気」
高瀬は何かを堪えるように頬を緩め、精液で満たされたコンドームごと自身をゆっくりと引き抜いた。
「ぅあ……」
抜けていく高瀬の性器がすっかり高瀬の形を覚え込んでしまったオレのナカを擦り上げていく。その感触ですら気持ちが良くて、声が漏れるのは止められなかった。
「はぁ……ん、高瀬、まだ勃ってんじゃん……」
「いやー、あはは……」
寝転んだまま自分のナカから抜け出ていく高瀬の性器に目を向けていたら、オレのナカで果てたはずなのに顔を出してもまだ天井を向いたままだから驚いてしまう。
「若さってすごいな……」
「何言ってるんですか。恭ちゃんだってまだ若いですよ」
「オレは四捨五入したら三十だよ。お前はまだ二十だろ」
「あはは、これは若さじゃなくて、恭ちゃん相手だからですよ」
そう言って、高瀬はオレにのしかかるようにして抱き着いてくる。結構重たいけれど、高瀬の温もりが全身を包み込むようで、それが心地良くて気持ちいい。
高瀬の背中に腕を回せば、お互いの胸がぴったりと重なって、ドキドキと音を鳴らす高瀬の心音が聞こえてきた。
「恭ちゃん、すごくドキドキしてますね」
「高瀬もじゃん」
心臓だけじゃない。下腹部にはまだ熱を持つ高瀬の性器が押し付けられていた。
もう三回も挿れられて、回を増すごとに高瀬が達するまでに掛かる時間も増えていくから、正直体力は限界に近い。でも、高瀬がオレ相手に興奮しているこの状況が堪らなく愛しく思えるから、ちょっとくらいしんどくても無理したくなってしまう。
「……高瀬、もう一回するか?」
「え?」
「まだ足りないんだろ?」
すぐに頷くと思ったのに、意外にも高瀬は渋るような声と共にオレから目を逸らした。不思議に思い高瀬の視線の先を追えば、空になったコンドームの箱が転がっている。
「さっきのでゴム最後だったんですよ」
「まじか」
「散々させてもらいましたし、恭ちゃんも疲れたでしょうから後は自分で処理します」
オレに抱き着きながら高瀬はそう言って微笑むけれど、腹に当たってるモノは素直で溢れ出した先走りでオレを濡らしていく。
オレを心配してくれる気持ちは嬉しいけど、無理だと思ってたらそもそももう一回なんて提案していない。それくらい、わかれって。
「……挿れて欲しいって言ってもやんない?」
10
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
「誕生日前日に世界が始まる」
悠里
BL
真也×凌 大学生(中学からの親友です)
凌の誕生日前日23時過ぎからのお話です(^^
ほっこり読んでいただけたら♡
幸せな誕生日を想像して頂けたらいいなと思います♡
→書きたくなって番外編に少し続けました。

僕の部下がかわいくて仕方ない
まつも☆きらら
BL
ある日悠太は上司のPCに自分の画像が大量に保存されているのを見つける。上司の田代は悪びれることなく悠太のことが好きだと告白。突然のことに戸惑う悠太だったが、田代以外にも悠太に想いを寄せる男たちが現れ始め、さらに悠太を戸惑わせることに。悠太が選ぶのは果たして誰なのか?

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

親衛隊は、推しから『選ばれる』までは推しに自分の気持ちを伝えてはいけないルール
雨宮里玖
BL
エリート高校の親衛隊プラスα×平凡無自覚総受け
《あらすじ》
4月。平凡な吉良は、楯山に告白している川上の姿を偶然目撃してしまった。遠目だが二人はイイ感じに見えて告白は成功したようだった。
そのことで、吉良は二年間ずっと学生寮の同室者だった楯山に自分が特別な感情を抱いていたのではないかと思い——。
平凡無自覚な受けの総愛され全寮制学園ライフの物語。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる