お前はオレの好みじゃない!

河合青

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【2】

5.思う存分乱れて鳴いて★

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「もしかして高瀬、緊張してんの?」
 照明の絞られた廊下を歩きながら、恭ちゃんは低いトーンで静かに笑う。
 ラブホテルなんて初めてじゃないのに、手のひらから伝わる恭ちゃんの熱に心臓は騒ぐことしかできなくなってしまう。
「初めてでもないのに」
 なんて答えていいかわからずに恭ちゃんの横顔を眺めていたら、あっという間に部屋に着いてしまった。
「……恭ちゃんもラブホ来たりするんですね」
「そりゃ来るだろ。最初から家に呼べる方が珍しいんじゃないか?」
 言われて、確かにと納得してしまう。俺も今まで、あまり部屋に彼女を呼ぶ事はしていなかったもんな。
「それに……まあ、それはいいや」
「なんですか、気になります」
「いい。どうせわかるよ」
 フロントで受け取ったカードキーでドアを開け、恭ちゃんは俺の腕を引くと靴も脱がずに俺の唇を塞ぐ。
 行為の始まりを告げるには可愛らしすぎるそっと触れるだけの口付け。恭ちゃんは俺の胸を軽く押して、笑った。
「続きはシャワーの後だな。ほら、さっさと入ってこい」

 何度、この人のことを抱いただろう。
 まだ男同士のセックスにはわからないこともあるけれど、恭ちゃんのことは大体わかってきた気がする。
「今日、オレが上になって良い?」
 だから、そんなことを言われるなんて想定外で、まだまだ知らないことがあるのが嬉しかった。
「あんま、上手くないけど……」
 そう言って、恭ちゃんはゴムを付けていない固くなった俺の性器に手を添えると、ナカから潤滑油が溢れ出している窄まりへとあてがった。
「あっ……!」
 ぐちゅ、と音を立てながら恭ちゃんの柔らかなソコは俺の性器を先端から飲み込んでいく。
 俺の肩を掴み、自分の体を支えながら、恭ちゃんは熱っぽい吐息と共に腰を沈めていった。
「はぁっ……ん、高瀬……」
 俺に体重を預け、自分の体を支えながら、濡れた眼差しで恭ちゃんは俺を見下ろしていた。
 肩に食い込む指先の力は強く、それがあるから俺は今すぐにでも恭ちゃんの腰を掴んで思い切り下に降ろしてしまいたい衝動を飲み込めている。
「なんでっ……もう、固いんだよ……んあっ!」
「だってこんなの、興奮しないほうが無理、です」
 恭ちゃんが崩れ落ちてしまわないように、両手をお尻へと添えた。
 それだけで恭ちゃんの直腸内がきゅうと収縮するから、ますます俺は自身を大きくしていく。
「あァっ!」
 ゆっくり侵入していく恭ちゃんの弱いところを竿で擦り上げたようで、甘ったるい声を挙げて恭ちゃんは俺の胸へと額を押し当てた。
 支えている尻がふるふると震えていた。ナカだって、俺に吸い付いているのがわかる。
「恭ちゃん、痛いならやめていいですよ」
 イジワルだと、自分でも思う。
 恭ちゃんは顔を上げないまま、ゆっくりと首を横に振った。
「きもち、いから……ぁ、もっと、奥にっ……」
 言葉一つで、全身の体温が上がっていくのがわかってしまう。
「少しだけ、手伝いますね」
「へっ……? あっ、や、ぁあ! それっ、はずかし、い……から……!」
 支えるためにと伸ばした手で、恭ちゃんの尻たぶを左右に割り開く。隙間が出来たことで恭ちゃんのナカに溜まっていた潤滑油や腸液が、トロトロと溢れ俺の性器を伝って流れ出ていく。
 もちろん、そこには俺の先走りも混ざっていて、何が出てきているのかなんてもうわからなかった。
「んっ、あっ……たか、せ……うあっ!」
 なんとかもう一度体を起こした恭ちゃんは、俺の肩を掴んだまま、ずるずると腰を落としていく。
 最後だけ上手く支えきれずにぬるついた奥へ飲み込まれるように挿ってしまい、一際大きな嬌声と共に恭ちゃんはぷるぷると震えながら呼吸を整えていた。
「大丈夫、ですか?」
 片手を伸ばし、汗で恭ちゃんの頬に貼り付いた髪を払う。色白だから、こういうときすぐ真っ赤になってしまうんだよな。
 ペールピンクに染められた長めの髪は、いつも恭ちゃんの肌にぴったりと貼り付いている。
 正常位の時は枕の上に広がる糸のような髪が綺麗だなって思うけど、しっかり触るような余裕も俺にはなかった。
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