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番外編 準備を手伝いたい高瀬の話

③★

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 ゆっくりと、高瀬の唇が離れていく。
 この先を求める気持ちが溢れ出てしまっているのが自分でもわかる。高瀬から視線を外すことが出来ない。
「そんな顔しないでくださいよ」
「そんな顔って……」
 高瀬は眉根を寄せて微笑むと、枕元に準備してあった潤滑油を手のひらにたっぷりと垂らしていく。
 そんなに出さなくてもと思ったけど、高瀬に任せることにした。
 触れて欲しい気持ちを言葉以上に伝えたくて、オレは自分の手で先走りで濡れている下着を脱ぎ払う。
 身に着けるもののなくなった下半身。高瀬が触りやすいようにと足を開いた。高瀬は、何も言わずに息を呑む。
「……それじゃ、触りますね」
「ん」
 高瀬の濡れた指先が窄まりに触れる。ぬるい潤滑油が皺の一つ一つに塗り込まれ、溢れた分が零れ落ちて背中を伝っていった。
「あっ……」
 それだけで甘ったるい声が漏れ出てしまう。このまま高瀬の指が入ってきたら、どうなってしまうんだろうかと心臓が激しさを増していく。
「……本当にきついんですね」
 何気なく呟かれた言葉にどう応えていいかわからなくて、高瀬にしがみつく力を強めた。
 ちゅ、と音を立てながら高瀬はオレの首筋に吸い付く。何度目かの口づけの後、そっと高瀬の指先がぬるりと窄まりの中へと侵入していく。
 細くて長さのある指が一本、ナカの柔らかさを確かめるように内側を撫でながら奥へ奥へと飲み込まれていった。
「高瀬……んん……」
「一旦抜きます?」
「や、大丈夫……むしろ、もどかしいっていうか……」
 高瀬の細い指に自分の体がぎゅうぎゅうと食いついているのがわかる。それが高瀬を求めているようで恥ずかしく、でもナカにある指の感触にばかり意識が行くのを止められない。
「ちょっと動かしてみますね」
 まだ少し窮屈なオレのナカで、高瀬の指が入口を拡げるように動いていく。
 どこに触れたらいいのか迷っているのが、躊躇いがちな指先から伝わってくる。オレが準備まで済ませていた時は、もっと自信満々な手付きをしていたのに。
「ふはっ……高瀬って、そんなおっかなびっくり触ること、あるんだな」
「笑わないで下さいよ……本当にどうしたらいいか手探りなんですから」
 こんなにきついとは思わなかった、と高瀬は呟いて、オレの鎖骨辺りに軽く吸い付くと体を起こした。
「……あんま、見んなって」
「ちゃんと見ないとわかんないですから」
 しがみついていた体が離れていくことに寂しさを覚える。高瀬はオレの足の間に座り直すと、立てた膝にキスをしながら二本目の指をナカへと差し入れた。
「ああっ……」
「ここ、ですか?」
「う、ん……」
 二本の指が、前立腺を掠めていく。足に力が入ったのを高瀬は見逃さず、すりすりと優しくそこを押し潰した。
「ひぁっ、あ、たかせ……や、ぁ……」
「俺の指、ぎゅーってしてくれて、可愛いです。嫌なら蹴り飛ばしていいですからね」
 そう言うと高瀬は、執拗にそこばかりを指先で擽って、すっかり固くなったオレの性器へと唇を寄せる。
 先端にキスをするだけだったけど、高瀬の熱い吐息が掛かり、先走りがどろりと溢れ出すのが自分でもわかった。
「ぅあ……や、ごめ……高瀬……きたな、いっ……」
「謝らないで下さい」
「っんん、あ、やだ、だめだって……!」
 ぬるい舌が、ぺろっと竿に伝うオレの先走りを舐めあげていく。
 精液なんて不味いし、綺麗なものじゃない。そんなことまでしなくていい。
 ぺろぺろとアメでも舐めるようにオレの性器を舐めあげていく高瀬の頭を押し返そうとしたけど、高瀬は頑なに止めようとしなかった。
「ん……恭ちゃん、イきそう?」
「高瀬……」
「なら、一緒にイきましょ?」
 じゅる、と音を立てて鈴口から先走りを吸い上げた高瀬。オレはこれ以上出そうになるのを堪えてシーツを強く握り締めた。
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