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本編
二章一話 強襲の北帝国軍。①ー皇帝ガウセルストラスー
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マルドゥール大陸の上半分を支配する大国。
人は、その国のことを恐れと尊敬、そしていくばくかの侮蔑を込めて〝北帝国〟と呼ぶ。長耳族の繁栄の象徴にして、北帝国の長耳族こそが最も優れた種族であることの、証。
それは常冬の極寒に閉ざされた、絢爛の帝都ミルジーア。
*
男「陛下」
皇帝宮の玉座の間。赤絨毯ときらびやかに飾り立てられたその空間の奥にある竜を模した玉座。そこに、一人の年老いた黒髪の男が座している。
しばし、窓の外の絶え間ない吹雪に目をやっていた皇帝……ガウセルストラスは鬱屈そうに、自分を呼ぶ臣下の方に視線を戻した。
臣下「陛下。セドラント王国庇護の任に就いていた機竜が一体、落とされました。機竜兵は現在、行方不明です。」
ガウセルストラス「…セドラントの反乱、であるか?」
臣下「いえ。どうやら王国北東部にある、人間種の自治領近くで落とされたようです。」
北帝国は、セドラント王国のみならず、国境を接する共和政ミュアラやデオラ公国、シシドラス王国に『庇護』の名目で機竜隊を配置している。
もし、どれかの国、または『庇護』された国全てが反旗を翻そうものなら、軍事上非常な有利な場所に拠点を持つ機竜隊が、その圧倒的な火力を駆使してこれを国ごと撃滅するのだ。
1騎の機竜で、およそ一個軍団を難なく殲滅できると言われている。上空から炎の弾と息吹を浴びせるだけ。弓矢は固い鱗に弾かれ、遅い魔導砲に当たるほど機竜は愚鈍ではない。
機竜を持つ国は、今現在、北帝国以外には僅かたった2、3ヶ国。それも北帝国ほど大規模に投入できているわけではない。魔力によって浮遊する魔導艇や飛行戦艦は、機竜にとっていわば餌でしかない。機竜の持つ絶対的な力。これによって帝国は長らく各国を『庇護』し、その対価として差し出させた莫大な貢物を手に入れることによって、繁栄を極めてきたのだ。
だが、その機竜が墜とされた。
この事実は、少なからず臣下に衝撃を与えたようだった。
ガウセルストラス「………戦争は、絶えず進化する。」
臣下「へ、陛下……。」
ガウセルストラス「そして、人間種はこの世界で最も高度な科学文明を持つ種族。少数の劣等種といえども、な。………お前達。慢心に溺れ、警戒を欠いたな。」
臣下「も、申し訳御座いません!責任者には必ずや厳重な処罰を……!」
ガウセルストラス「うむ、貴様に任す。ただし、不適切に人を殺めればそれが我等が北帝国の腰を折る一本の藁となることを心得よ。」
臣下「は、ハッ!」
平身低頭する臣下から、ガウセルストラスは再び窓の外の光景に目を向けた。
ガウセルストラス「…………して、誰が墜ちた?」
臣下「!」
問われたくなかったのだろう。と、皇帝の怒りを不必要に買いたくないが故に。セドラント王国に駐留する機竜隊には………。
臣下「その………へ、へ、陛下…………。」
ガウセルストラス「どうした?早く申せ。」
それ以上言葉が紡げない宰相に代わって、帝国軍元帥が口を開く。
臣下「陛下。堕とされたのは………ネキア伯爵公子セリュヴズ様です」
瞬間、スッと、皇帝は立ち上がった。
臣下「ひ、ひぃっ!」
小心者の宰相が亀の様にひっくり返り、でっぷりと太った肉体が背後にいた官僚たちを巻き込んだ。
それを一瞥すると、ガウセルストラスは先ほどまで目を向けていた、窓へと歩き出す。
ガウセルストラスは立ち止まった。
ガウセルストラス「あれがどういう女か、お前たちは知っているな?」
暗い、ガウセルストラスの声が玉座の間に響く。
臣下「も、も、も、もちろんでございますっ!!お、お任せください!姫殿下…じゃなかった伯爵公子セリュヴズ様は帝国軍の精鋭が必ずや救出を………っ!」
ガウセルストラス「セドラント王国北東部全てを、焼け。」
臣下「ぎょ、御意にぃーっ! …………へ?」
臣下は呆ける、皇帝陛下は今なんと仰ったか?
臣下「へ、陛下?」
どこまでも愚鈍な愛すべき臣下に、ガウセルストラスはわずかに苛立ちを覚えた。
ガウセルストラス「直ぐに爆撃機竜を集めよ。村、街、都市、森、山、とにかく全てを焼き尽くして破壊しろ。セドラント北東にいる生き物は全て、殺せ。セリュヴズもだ」
臣下「陛下!?」
ガウセルストラスは臣下の方へと振り返った。
その鋭く刺すような視線に、誰もが冷や汗をかく。………宰相に至っては口から泡を出しかねない勢いだった。
ガウセルストラス「…………あれがどういう女かお前達は知っているな?誰か、嘘偽りなく答えてみよ。」
暫くの沈黙がその場を支配下に置く。
ようやく口を開いたのは、帝国軍元帥だった。
帝国軍元帥「陛下。セリュヴズ様は………陛下の娘でございます。ただし、『妾腹』の。」
ガウセルストラスは口元をつり上げ、満足げに頷いた。
ガウセルストラス「如何にも。あれは、私がまだ皇太子であった時に、ある身分は低いが高貴な女性と血の契りを交わし、聖霊より賜った、私の娘なのだ。その高貴な女性との婚姻は叶わずだったが、信頼できしネキア伯に、養子として預けた。」
臣下「で、でしたら陛下! すぐに帝国軍を差し向けて姫殿下のお身柄だけでも……!」
ガウセルストラス「私が、お前の立場だったら間違いなくそうするだろうな」
コツ、コツ、とガルセルシオンの足音だけが響く。
ガウセルストラスは自らの玉座の背後に立ち、玉座の背に手を置いた。
ガウセルストラス「私は、セドラント王国機竜隊に志願するあれに言ってやったのだ。……もし、任地で十分な功績を上げた暁には、宮殿に呼び戻してやる、とな。」
臣下「おお………!」
ガウセルストラス「だがこうも言ってやった。もし、任地で帝国の尊厳を損ねるするような真似をすれば、お前の帰る場所など……もはや帝国の何処にも無い、とな。」
臣下の表情は一気に真っ青になった。
臣下「で、で、では………」
ガウセルストラス「同じ事を何度も私に言わせるな。……北帝国皇帝ガウセルストラスが命ずる。かの肥沃なセドラント王国北東部を、消し炭しか残らぬ荒地に変えるのだ。帝国の威厳の象徴たる機竜を落とせばどういうことになるか、世界全てに思い知らせよ。セリュヴズも、殺してしまえ………!あれは最早私の娘ではない!!」
臣下「は、ははーっ!」
帝国軍元帥「御意にっ!」
逃げるように退出する宰相以下、主だった閣僚に元帥が玉座の間を静かに立ち去っていく。
ガウセルストラスは、再び玉座の間に落ち着いた。………窓の外は、相変わらずの吹雪であった。
今年も、北帝国で採れる作物はたかが知れているだろう。各国から差し出される貢物によって、帝国は、辛うじて命脈を保っているのだ。
そして貧しい小国たちが莫大な貢物を北帝国に差し出すのは、北帝国の力を恐れているからだ。他国に恐れられること。少しでも帝国の機嫌を損ねたら、破壊と殺戮、そして絶望が待っているということを教え込むこと。これによって北帝国は…………。
???「おとうさまーっ!」
と、小さな足音と共に、小さな子供がガウセルストラスに飛びついてきた。
ガウセルストラスは表情をほころばせる。
ガウセルストラス「おお。エリシア」
エリシア「おとうさま! おとうさまにご本を読んで欲しいの!」
ガウセルストラス「ああ、もちろんだとも。……さて、昨日はどこまで読んだかのう」
エリシア「『きょうしゅうの北帝国』ってところまで!」
6歳になったばかりのエリシアは、帝国皇后ミュオドラが生んだガウセルストラスの愛娘、今の皇女である。
ガウセルストラスは今日までに3人の子供を授かっていた。うち二人は皇帝に即位してから契りを交わしたミュオドラの子。そしてもう一人が、ガルセルシオンが皇太子であった頃の、聖霊の導きによって契りを交わして与えられた子、セリュヴズ。
皇帝に即位してから、ミュオドラとの間に最初に授かった子は、まるでセリュヴズを、そしてその母ユドミラを見捨てた罰であるかのように流行り病で死に別れ。そしてセリュヴズは。………帝国の威厳を保つために、月を越えぬうちに死ぬだろう。
残ったのは、この子だけだった。
エリシア「あのね、おとうさま!」
ガウセルストラス「ほほ、何かな?」
エリシア「さいしょー様から、私ならすっごい偉大なこうてーになれるんだって!」
ガウセルストラス「はは、宰相『様』か」
エリシア「さいしょー様ってすごいんだよ! 朝も昼もよるも、ずーっとお仕事してるの! 私、少しだけさいしょー様のお手伝いしてあげたの!」
ガウセルストラス「ほう。それは宰相も喜んだだろう。」
エリシア「うんっ!」
抱きついてくるエリシアをしっかり抱えて、ガウセルストラスは玉座から立ち上がった。
ガウセルストラス「さて、今日は如何にして私達の北帝国が今日の繁栄を手にしたか教えてあげようか。」
エリシア「わーいっ!」
無邪気な娘を優しく抱えて、ガウセルストラスは玉座の間を後にする。
ガウセルストラスは自由な片手を軽く振る。
魔力が断ち切られた魔導照明が、主のいない玉座の間を照らすのを、止めた。
かつて、ガウセルストラスがまだ皇太子であった昔。
ガウセルストラスはよく、皇太子の権限で春の離宮に住まわせていたユドミラとセリュヴズのもとへ毎日通い。小さなセリュヴズを抱えて昔話をしてやったものだった。
今のように。
人は、その国のことを恐れと尊敬、そしていくばくかの侮蔑を込めて〝北帝国〟と呼ぶ。長耳族の繁栄の象徴にして、北帝国の長耳族こそが最も優れた種族であることの、証。
それは常冬の極寒に閉ざされた、絢爛の帝都ミルジーア。
*
男「陛下」
皇帝宮の玉座の間。赤絨毯ときらびやかに飾り立てられたその空間の奥にある竜を模した玉座。そこに、一人の年老いた黒髪の男が座している。
しばし、窓の外の絶え間ない吹雪に目をやっていた皇帝……ガウセルストラスは鬱屈そうに、自分を呼ぶ臣下の方に視線を戻した。
臣下「陛下。セドラント王国庇護の任に就いていた機竜が一体、落とされました。機竜兵は現在、行方不明です。」
ガウセルストラス「…セドラントの反乱、であるか?」
臣下「いえ。どうやら王国北東部にある、人間種の自治領近くで落とされたようです。」
北帝国は、セドラント王国のみならず、国境を接する共和政ミュアラやデオラ公国、シシドラス王国に『庇護』の名目で機竜隊を配置している。
もし、どれかの国、または『庇護』された国全てが反旗を翻そうものなら、軍事上非常な有利な場所に拠点を持つ機竜隊が、その圧倒的な火力を駆使してこれを国ごと撃滅するのだ。
1騎の機竜で、およそ一個軍団を難なく殲滅できると言われている。上空から炎の弾と息吹を浴びせるだけ。弓矢は固い鱗に弾かれ、遅い魔導砲に当たるほど機竜は愚鈍ではない。
機竜を持つ国は、今現在、北帝国以外には僅かたった2、3ヶ国。それも北帝国ほど大規模に投入できているわけではない。魔力によって浮遊する魔導艇や飛行戦艦は、機竜にとっていわば餌でしかない。機竜の持つ絶対的な力。これによって帝国は長らく各国を『庇護』し、その対価として差し出させた莫大な貢物を手に入れることによって、繁栄を極めてきたのだ。
だが、その機竜が墜とされた。
この事実は、少なからず臣下に衝撃を与えたようだった。
ガウセルストラス「………戦争は、絶えず進化する。」
臣下「へ、陛下……。」
ガウセルストラス「そして、人間種はこの世界で最も高度な科学文明を持つ種族。少数の劣等種といえども、な。………お前達。慢心に溺れ、警戒を欠いたな。」
臣下「も、申し訳御座いません!責任者には必ずや厳重な処罰を……!」
ガウセルストラス「うむ、貴様に任す。ただし、不適切に人を殺めればそれが我等が北帝国の腰を折る一本の藁となることを心得よ。」
臣下「は、ハッ!」
平身低頭する臣下から、ガウセルストラスは再び窓の外の光景に目を向けた。
ガウセルストラス「…………して、誰が墜ちた?」
臣下「!」
問われたくなかったのだろう。と、皇帝の怒りを不必要に買いたくないが故に。セドラント王国に駐留する機竜隊には………。
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それ以上言葉が紡げない宰相に代わって、帝国軍元帥が口を開く。
臣下「陛下。堕とされたのは………ネキア伯爵公子セリュヴズ様です」
瞬間、スッと、皇帝は立ち上がった。
臣下「ひ、ひぃっ!」
小心者の宰相が亀の様にひっくり返り、でっぷりと太った肉体が背後にいた官僚たちを巻き込んだ。
それを一瞥すると、ガウセルストラスは先ほどまで目を向けていた、窓へと歩き出す。
ガウセルストラスは立ち止まった。
ガウセルストラス「あれがどういう女か、お前たちは知っているな?」
暗い、ガウセルストラスの声が玉座の間に響く。
臣下「も、も、も、もちろんでございますっ!!お、お任せください!姫殿下…じゃなかった伯爵公子セリュヴズ様は帝国軍の精鋭が必ずや救出を………っ!」
ガウセルストラス「セドラント王国北東部全てを、焼け。」
臣下「ぎょ、御意にぃーっ! …………へ?」
臣下は呆ける、皇帝陛下は今なんと仰ったか?
臣下「へ、陛下?」
どこまでも愚鈍な愛すべき臣下に、ガウセルストラスはわずかに苛立ちを覚えた。
ガウセルストラス「直ぐに爆撃機竜を集めよ。村、街、都市、森、山、とにかく全てを焼き尽くして破壊しろ。セドラント北東にいる生き物は全て、殺せ。セリュヴズもだ」
臣下「陛下!?」
ガウセルストラスは臣下の方へと振り返った。
その鋭く刺すような視線に、誰もが冷や汗をかく。………宰相に至っては口から泡を出しかねない勢いだった。
ガウセルストラス「…………あれがどういう女かお前達は知っているな?誰か、嘘偽りなく答えてみよ。」
暫くの沈黙がその場を支配下に置く。
ようやく口を開いたのは、帝国軍元帥だった。
帝国軍元帥「陛下。セリュヴズ様は………陛下の娘でございます。ただし、『妾腹』の。」
ガウセルストラスは口元をつり上げ、満足げに頷いた。
ガウセルストラス「如何にも。あれは、私がまだ皇太子であった時に、ある身分は低いが高貴な女性と血の契りを交わし、聖霊より賜った、私の娘なのだ。その高貴な女性との婚姻は叶わずだったが、信頼できしネキア伯に、養子として預けた。」
臣下「で、でしたら陛下! すぐに帝国軍を差し向けて姫殿下のお身柄だけでも……!」
ガウセルストラス「私が、お前の立場だったら間違いなくそうするだろうな」
コツ、コツ、とガルセルシオンの足音だけが響く。
ガウセルストラスは自らの玉座の背後に立ち、玉座の背に手を置いた。
ガウセルストラス「私は、セドラント王国機竜隊に志願するあれに言ってやったのだ。……もし、任地で十分な功績を上げた暁には、宮殿に呼び戻してやる、とな。」
臣下「おお………!」
ガウセルストラス「だがこうも言ってやった。もし、任地で帝国の尊厳を損ねるするような真似をすれば、お前の帰る場所など……もはや帝国の何処にも無い、とな。」
臣下の表情は一気に真っ青になった。
臣下「で、で、では………」
ガウセルストラス「同じ事を何度も私に言わせるな。……北帝国皇帝ガウセルストラスが命ずる。かの肥沃なセドラント王国北東部を、消し炭しか残らぬ荒地に変えるのだ。帝国の威厳の象徴たる機竜を落とせばどういうことになるか、世界全てに思い知らせよ。セリュヴズも、殺してしまえ………!あれは最早私の娘ではない!!」
臣下「は、ははーっ!」
帝国軍元帥「御意にっ!」
逃げるように退出する宰相以下、主だった閣僚に元帥が玉座の間を静かに立ち去っていく。
ガウセルストラスは、再び玉座の間に落ち着いた。………窓の外は、相変わらずの吹雪であった。
今年も、北帝国で採れる作物はたかが知れているだろう。各国から差し出される貢物によって、帝国は、辛うじて命脈を保っているのだ。
そして貧しい小国たちが莫大な貢物を北帝国に差し出すのは、北帝国の力を恐れているからだ。他国に恐れられること。少しでも帝国の機嫌を損ねたら、破壊と殺戮、そして絶望が待っているということを教え込むこと。これによって北帝国は…………。
???「おとうさまーっ!」
と、小さな足音と共に、小さな子供がガウセルストラスに飛びついてきた。
ガウセルストラスは表情をほころばせる。
ガウセルストラス「おお。エリシア」
エリシア「おとうさま! おとうさまにご本を読んで欲しいの!」
ガウセルストラス「ああ、もちろんだとも。……さて、昨日はどこまで読んだかのう」
エリシア「『きょうしゅうの北帝国』ってところまで!」
6歳になったばかりのエリシアは、帝国皇后ミュオドラが生んだガウセルストラスの愛娘、今の皇女である。
ガウセルストラスは今日までに3人の子供を授かっていた。うち二人は皇帝に即位してから契りを交わしたミュオドラの子。そしてもう一人が、ガルセルシオンが皇太子であった頃の、聖霊の導きによって契りを交わして与えられた子、セリュヴズ。
皇帝に即位してから、ミュオドラとの間に最初に授かった子は、まるでセリュヴズを、そしてその母ユドミラを見捨てた罰であるかのように流行り病で死に別れ。そしてセリュヴズは。………帝国の威厳を保つために、月を越えぬうちに死ぬだろう。
残ったのは、この子だけだった。
エリシア「あのね、おとうさま!」
ガウセルストラス「ほほ、何かな?」
エリシア「さいしょー様から、私ならすっごい偉大なこうてーになれるんだって!」
ガウセルストラス「はは、宰相『様』か」
エリシア「さいしょー様ってすごいんだよ! 朝も昼もよるも、ずーっとお仕事してるの! 私、少しだけさいしょー様のお手伝いしてあげたの!」
ガウセルストラス「ほう。それは宰相も喜んだだろう。」
エリシア「うんっ!」
抱きついてくるエリシアをしっかり抱えて、ガウセルストラスは玉座から立ち上がった。
ガウセルストラス「さて、今日は如何にして私達の北帝国が今日の繁栄を手にしたか教えてあげようか。」
エリシア「わーいっ!」
無邪気な娘を優しく抱えて、ガウセルストラスは玉座の間を後にする。
ガウセルストラスは自由な片手を軽く振る。
魔力が断ち切られた魔導照明が、主のいない玉座の間を照らすのを、止めた。
かつて、ガウセルストラスがまだ皇太子であった昔。
ガウセルストラスはよく、皇太子の権限で春の離宮に住まわせていたユドミラとセリュヴズのもとへ毎日通い。小さなセリュヴズを抱えて昔話をしてやったものだった。
今のように。
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