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鬼の知が浮かび軽快に鬼は笑う
魄は先祖がえりをする④
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魄が至近距離まで近づいても、腕を握っても、魁は逃げることも動くこともしない。意識を保つことで精一杯のようだと感じてにやりと笑う。
無抵抗になっているうちに肩を持ち、腕を引き抜こうと力を入れた瞬間、魁は反対の手で魄の角を握った。
「な!」
予想外の動きに魄が驚く。すぐに蹴って距離を取ろうと足を上げるが、魁は魄の頭部を固定したまま、思いっきり頭突きをした。
ゴォンと骨同士が衝突する音がする。
「った!」
魄が呻くと、魁はもう一度頭突きを食らわした。
何度も何度も、素早く頭突きを食らわせると、魄の額が切れていき大量に出血する。
「った! 離せ!」
怒りをあらわにした魄が魁の首を両手でつかむと、彼は薄く笑った。
魄は後ろに沸いた気配を察知してハッとする。振り返ろうとするが角を握られていて顔を動かせない。焦りを露わにして「はな!」と声を出した瞬間、ガァンと後頭部に衝撃が走った。
「っ!」
魄は脳震盪を起したかのように白目をむいて前のめりになったので、魁は角から手を離して優しく受け止めた。彼女の後頭部から黒い靄がプスプスと立ち上がり空中で霧散すると姿が元に戻った。
宝棒で殴られたことによって邪気が払われ、鷹尾との絆が回復する。
ホッとしながら見下ろした魁に向かって、
「よぉ。やるじゃん」
隠形の術を解いた鷹尾が満足そうな笑みを浮かべて、肩たたき棒のように宝棒を肩に添えた。
「あんなのボロクソにされて、正直、見誤ったかと思ったぞ。だが結果良ければすべてよしだ。よくやったな」
魁はゆっくりと膝をついて座りながら魄を寝かせる。片膝をつきながら鷹尾を見上げると、丁寧に頭を下げた。
「勿体なきお言葉」
鷹尾は何とも言えない表情を浮かべて、宝棒で肩をトントントンと叩く。
「……最初から思ってたんだけど、なんで敬語? あんたのスタンスなのか? ちょっと気持ち悪いから普通にしてほしいんだけど」
あんまりな言い分だったが、魁は全く気にせず頭を下げたまま言葉を続ける。
「鷹尾様の力に感服しているゆえ、このような仕草をとっております」
「……やめろって言ったらやめられるのか?」
「無理でございます」
鷹尾は困ったように左手で髪を掻いた。
「時代錯誤も甚だしいとはこのことだな。一刻も早くあんたを雪絵に返す。でも今は『よくやった、偉いぞ』と褒めてやる」
鷹尾は魁の頭を乱暴に撫でた。まるで犬を触るような感覚だったが、魁はかなり満足して口角を上げる。
「ううん……」
魄が身をよじりながらゆっくり目を開けた。二人はパッと魄に注目する。彼女はぼーっとしながらゆっくり上半身を起こすと、後頭部の痛みがジンジンと響いて片手で撫でた。
「あいたたた! この痛みは鷹尾だね! 止めてくれて助か……た……」
魄は鷹尾を見る前に魁を見てしまい、その姿に絶句した。
顔も首筋も全身血まみれで、服はボロボロだ。傷の修復は済んでいるが、深刻なダメージをいくつも受けたと推測できる。
そして魄は自分の手と胴体をみた。返り血にまみれている。
事の経緯をなんとなく察して、ため息をついた。
「鷹尾、なんで魁に任せたのよ。力の使い方がイマイチだから死ぬかもしれないでしょ。あんたがやればもっと被害少なかったのに」
鷹尾はその場にしゃがみこんで、悪い顔を浮かべる。
「そいつに乞われたから名誉挽回の機会を与えた。自信を無くした式鬼は今後戦えなくなる。それでは困るんだ」
魄は呆れたように「はぁ」とため息をついた。鷹尾が本気で術を使えばほんの少しの環境被害で済む。魁が身を粉にして働く意味はあまりなかったはずだ。
いじめかと一瞬思ったが、確かに彼は羅刹の力に恐怖していた。魁に式鬼としての自信を取り戻させるべく、花を持たせたと考えるのが妥当かもしれない。
とはいえ、かなりの迷惑をかけたことは想像に難くない。
魄は頭痛を感じたように目を瞑ってから、謝罪をしようと魁を見上げた。しかし彼の目が潤んでいたので言葉に詰まる。戦力外と遠巻きにいった言葉がそんなにも辛いのかと思い、鷹尾を非難するつもりだったのに逆効果だったかとドキドキしながら、すぐに弁解するため語尾を強めた。
「あの、ありがとう魁! すごく助かった!」
「魄! よかった!」
魁は慈愛の気持ちを込めて魄を強く抱きしめた。顎が互いの肩に乗る。
「!?」
魄も鷹尾も驚いて目が点になった。
魁は涙を流しながら「本当に良かった」と心の底から安堵するような言葉を述べていた。
しばらく硬直した魄は何事かと思考をフル回転させる。出会って数日の相手から慈しまれているのが不思議でたまらない。
「あの……ど、どうしたの?」
落ち着かせるため、泣いて震えている背中に手を回してよしよしと撫でると、落ち着いたのか魁がぽつりぽつりと語りだした。
「頭を割られたときに思い出した。俺は都野窪魁だ。俺には父と母がいて、生まれて間もない妹がいた。妹の名は魄だ。俺が誰かやっとわかった。お前の兄だ」
魁の失われた記憶が戻ったことは分かったが、それよりも魄は別のことに衝撃を受けた。
「うわぁ。頭を割ってしまったのか。ごめん」
謝りながら、そんな重傷を瞬時に回復したのかと感心する。
「構わない。それよりもお前の父親を奪ってしまった不甲斐ない兄を許してくれ。俺がもっと強かったら父さんは死なずにすんだのに……」
涙声で懺悔されても、魄はどうすることもできない。視線を無意味に泳がせながらとりあえず、気にするなと伝えることにした。
「いや、えーと。私両親のこと全然覚えてないから、そんなに気にしなくても」
びくり、と魁の体が震える。恐怖におびえるように小刻みに体が震えてきた。
逆効果だった、と魄は難しい表情になる。
「劍父さんが母さんは心労で亡くなってしまったと言っていた……全部俺のせいだ。両親を失ったのは全部俺のせい……うう」
「……そうですか」
魄は両親の温かみを知らないので魁との温度差があった。両親の死を悲しむことはできないが、痛哭している彼を慰めることはできる。
仕方なく、魄は強く抱きしめた。泣いている人にはそうするといいと勇実が言っていたからだ。
「当時は五歳かそこらだったでしょ? 魁が何もできるはずがないってば」
「しかし……っ!」
抱きしめる手に力がこもって背骨が逸れる。鯖折しそうだなと内心毒づいて、魄は魁の頭を撫でた。
「落ち着いてよ。まぁ私から言えることとしては、生きていてよかったね、かな。お父さんが頑張ってくれたから、今、ここに居られるんでしょ。泣いてるばかりじゃダメじゃん。感謝しなきゃいけないよ」
「俺を許してくれるのか?」
重い気持ちが籠った魁の問いかけに
「うんうん、許す許す」
かなり軽く答えた魄だったが、魁は安堵したようにゆっくりと息を吐いた。耳元に吐息がかかり、魄は少しくすぐったくて身をよじる。魁は鼻を軽くすすりながら魄を放した。
ホッとして後ろに下がろうとした魄の顔を、魁は両手で包み込みながら捕まえた。
「魄の顔……」
びっくりして目が点になると、魁は愛しさに富んだ微笑みを浮かべた。ほかの誰とも違う、暖かいようなくすぐったいような雰囲気を感じて、血を分けた兄妹だからかなとぼんやりと思う。
「よく見ると母さんにそっくりだ。眉の形は父さんかな。赤ん坊だったのにこんなに素敵な女性になって。兄らしいことは何もしてやれなかったのが悔やまれる」
魄は困った。兄らしいこととは、飛鷹と似たようなことをしたいのかなと思い当たる。
彼女にとっての兄は飛鷹だ。結局のところ魁を兄と思えていないのが現状である。血縁だとなんとなく感じるがいかんせん他人だ。
とはいえ、魁の心に深い自責の念があるなら、それを振り払うために協力くらいしていいだろうと考える。
魄は顔に添えられている手を包み込むように握った。
「まぁ、そんなに気に病むなら、今からでも遅くないので兄らしいことやってみてはどうかな?」
「いいのか?」
悲痛だった魁の表情に希望が灯る。
「もちろん。危害を加えられるんじゃないし、魁が兄らしいことをしたいなら、私は受け入れるよ」
魁の表情がぱぁっと明るくなった。魄の頬から手を離し、彼女の両手を包むように握りしめる。
「なら、お前の結婚式の時は父さんの代わりを務めても良いか!? バージンロードを一緒に歩いてもいいのか!?」
斜め上の発言がおかしくて、魄はついふき出した。
「いきなり話が飛躍してる! いいけども! ていうか、神社じゃなくてチャペルなの!?」
「え? 雪絵も咲紅姉さんも結婚式はチャペルが良いって言ってるから、女性は全てそうなのだとばかり。違うのか?」
「まだ彼氏いないからそんな先のこと言われても困る! でも家族として出席するのはいいよ。兄として招待するから」
感極まった魁は手を離すと、ぎゅっと強く抱擁して魄の肩に額を乗せる。すごく幸せな気持ちになり、表情が緩んでいた。
「有難う! 兄としてこれからお前を大切にするからな!」
「はいはい。よろしくお願いします」
魄は少しだけ苦笑いをしながらも仕方ないなぁと諦めて背中を撫でてやった。
「いい加減にしろ!」
鷹尾が宝棒で魁の頭を殴った。
無抵抗になっているうちに肩を持ち、腕を引き抜こうと力を入れた瞬間、魁は反対の手で魄の角を握った。
「な!」
予想外の動きに魄が驚く。すぐに蹴って距離を取ろうと足を上げるが、魁は魄の頭部を固定したまま、思いっきり頭突きをした。
ゴォンと骨同士が衝突する音がする。
「った!」
魄が呻くと、魁はもう一度頭突きを食らわした。
何度も何度も、素早く頭突きを食らわせると、魄の額が切れていき大量に出血する。
「った! 離せ!」
怒りをあらわにした魄が魁の首を両手でつかむと、彼は薄く笑った。
魄は後ろに沸いた気配を察知してハッとする。振り返ろうとするが角を握られていて顔を動かせない。焦りを露わにして「はな!」と声を出した瞬間、ガァンと後頭部に衝撃が走った。
「っ!」
魄は脳震盪を起したかのように白目をむいて前のめりになったので、魁は角から手を離して優しく受け止めた。彼女の後頭部から黒い靄がプスプスと立ち上がり空中で霧散すると姿が元に戻った。
宝棒で殴られたことによって邪気が払われ、鷹尾との絆が回復する。
ホッとしながら見下ろした魁に向かって、
「よぉ。やるじゃん」
隠形の術を解いた鷹尾が満足そうな笑みを浮かべて、肩たたき棒のように宝棒を肩に添えた。
「あんなのボロクソにされて、正直、見誤ったかと思ったぞ。だが結果良ければすべてよしだ。よくやったな」
魁はゆっくりと膝をついて座りながら魄を寝かせる。片膝をつきながら鷹尾を見上げると、丁寧に頭を下げた。
「勿体なきお言葉」
鷹尾は何とも言えない表情を浮かべて、宝棒で肩をトントントンと叩く。
「……最初から思ってたんだけど、なんで敬語? あんたのスタンスなのか? ちょっと気持ち悪いから普通にしてほしいんだけど」
あんまりな言い分だったが、魁は全く気にせず頭を下げたまま言葉を続ける。
「鷹尾様の力に感服しているゆえ、このような仕草をとっております」
「……やめろって言ったらやめられるのか?」
「無理でございます」
鷹尾は困ったように左手で髪を掻いた。
「時代錯誤も甚だしいとはこのことだな。一刻も早くあんたを雪絵に返す。でも今は『よくやった、偉いぞ』と褒めてやる」
鷹尾は魁の頭を乱暴に撫でた。まるで犬を触るような感覚だったが、魁はかなり満足して口角を上げる。
「ううん……」
魄が身をよじりながらゆっくり目を開けた。二人はパッと魄に注目する。彼女はぼーっとしながらゆっくり上半身を起こすと、後頭部の痛みがジンジンと響いて片手で撫でた。
「あいたたた! この痛みは鷹尾だね! 止めてくれて助か……た……」
魄は鷹尾を見る前に魁を見てしまい、その姿に絶句した。
顔も首筋も全身血まみれで、服はボロボロだ。傷の修復は済んでいるが、深刻なダメージをいくつも受けたと推測できる。
そして魄は自分の手と胴体をみた。返り血にまみれている。
事の経緯をなんとなく察して、ため息をついた。
「鷹尾、なんで魁に任せたのよ。力の使い方がイマイチだから死ぬかもしれないでしょ。あんたがやればもっと被害少なかったのに」
鷹尾はその場にしゃがみこんで、悪い顔を浮かべる。
「そいつに乞われたから名誉挽回の機会を与えた。自信を無くした式鬼は今後戦えなくなる。それでは困るんだ」
魄は呆れたように「はぁ」とため息をついた。鷹尾が本気で術を使えばほんの少しの環境被害で済む。魁が身を粉にして働く意味はあまりなかったはずだ。
いじめかと一瞬思ったが、確かに彼は羅刹の力に恐怖していた。魁に式鬼としての自信を取り戻させるべく、花を持たせたと考えるのが妥当かもしれない。
とはいえ、かなりの迷惑をかけたことは想像に難くない。
魄は頭痛を感じたように目を瞑ってから、謝罪をしようと魁を見上げた。しかし彼の目が潤んでいたので言葉に詰まる。戦力外と遠巻きにいった言葉がそんなにも辛いのかと思い、鷹尾を非難するつもりだったのに逆効果だったかとドキドキしながら、すぐに弁解するため語尾を強めた。
「あの、ありがとう魁! すごく助かった!」
「魄! よかった!」
魁は慈愛の気持ちを込めて魄を強く抱きしめた。顎が互いの肩に乗る。
「!?」
魄も鷹尾も驚いて目が点になった。
魁は涙を流しながら「本当に良かった」と心の底から安堵するような言葉を述べていた。
しばらく硬直した魄は何事かと思考をフル回転させる。出会って数日の相手から慈しまれているのが不思議でたまらない。
「あの……ど、どうしたの?」
落ち着かせるため、泣いて震えている背中に手を回してよしよしと撫でると、落ち着いたのか魁がぽつりぽつりと語りだした。
「頭を割られたときに思い出した。俺は都野窪魁だ。俺には父と母がいて、生まれて間もない妹がいた。妹の名は魄だ。俺が誰かやっとわかった。お前の兄だ」
魁の失われた記憶が戻ったことは分かったが、それよりも魄は別のことに衝撃を受けた。
「うわぁ。頭を割ってしまったのか。ごめん」
謝りながら、そんな重傷を瞬時に回復したのかと感心する。
「構わない。それよりもお前の父親を奪ってしまった不甲斐ない兄を許してくれ。俺がもっと強かったら父さんは死なずにすんだのに……」
涙声で懺悔されても、魄はどうすることもできない。視線を無意味に泳がせながらとりあえず、気にするなと伝えることにした。
「いや、えーと。私両親のこと全然覚えてないから、そんなに気にしなくても」
びくり、と魁の体が震える。恐怖におびえるように小刻みに体が震えてきた。
逆効果だった、と魄は難しい表情になる。
「劍父さんが母さんは心労で亡くなってしまったと言っていた……全部俺のせいだ。両親を失ったのは全部俺のせい……うう」
「……そうですか」
魄は両親の温かみを知らないので魁との温度差があった。両親の死を悲しむことはできないが、痛哭している彼を慰めることはできる。
仕方なく、魄は強く抱きしめた。泣いている人にはそうするといいと勇実が言っていたからだ。
「当時は五歳かそこらだったでしょ? 魁が何もできるはずがないってば」
「しかし……っ!」
抱きしめる手に力がこもって背骨が逸れる。鯖折しそうだなと内心毒づいて、魄は魁の頭を撫でた。
「落ち着いてよ。まぁ私から言えることとしては、生きていてよかったね、かな。お父さんが頑張ってくれたから、今、ここに居られるんでしょ。泣いてるばかりじゃダメじゃん。感謝しなきゃいけないよ」
「俺を許してくれるのか?」
重い気持ちが籠った魁の問いかけに
「うんうん、許す許す」
かなり軽く答えた魄だったが、魁は安堵したようにゆっくりと息を吐いた。耳元に吐息がかかり、魄は少しくすぐったくて身をよじる。魁は鼻を軽くすすりながら魄を放した。
ホッとして後ろに下がろうとした魄の顔を、魁は両手で包み込みながら捕まえた。
「魄の顔……」
びっくりして目が点になると、魁は愛しさに富んだ微笑みを浮かべた。ほかの誰とも違う、暖かいようなくすぐったいような雰囲気を感じて、血を分けた兄妹だからかなとぼんやりと思う。
「よく見ると母さんにそっくりだ。眉の形は父さんかな。赤ん坊だったのにこんなに素敵な女性になって。兄らしいことは何もしてやれなかったのが悔やまれる」
魄は困った。兄らしいこととは、飛鷹と似たようなことをしたいのかなと思い当たる。
彼女にとっての兄は飛鷹だ。結局のところ魁を兄と思えていないのが現状である。血縁だとなんとなく感じるがいかんせん他人だ。
とはいえ、魁の心に深い自責の念があるなら、それを振り払うために協力くらいしていいだろうと考える。
魄は顔に添えられている手を包み込むように握った。
「まぁ、そんなに気に病むなら、今からでも遅くないので兄らしいことやってみてはどうかな?」
「いいのか?」
悲痛だった魁の表情に希望が灯る。
「もちろん。危害を加えられるんじゃないし、魁が兄らしいことをしたいなら、私は受け入れるよ」
魁の表情がぱぁっと明るくなった。魄の頬から手を離し、彼女の両手を包むように握りしめる。
「なら、お前の結婚式の時は父さんの代わりを務めても良いか!? バージンロードを一緒に歩いてもいいのか!?」
斜め上の発言がおかしくて、魄はついふき出した。
「いきなり話が飛躍してる! いいけども! ていうか、神社じゃなくてチャペルなの!?」
「え? 雪絵も咲紅姉さんも結婚式はチャペルが良いって言ってるから、女性は全てそうなのだとばかり。違うのか?」
「まだ彼氏いないからそんな先のこと言われても困る! でも家族として出席するのはいいよ。兄として招待するから」
感極まった魁は手を離すと、ぎゅっと強く抱擁して魄の肩に額を乗せる。すごく幸せな気持ちになり、表情が緩んでいた。
「有難う! 兄としてこれからお前を大切にするからな!」
「はいはい。よろしくお願いします」
魄は少しだけ苦笑いをしながらも仕方ないなぁと諦めて背中を撫でてやった。
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