雨に打たれながら屈強な男の体を求める彼は殺してくれない

ルルオカ

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雨に打たれながら屈強な男の体を求める彼は殺してくれない

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生まれてから田舎に住み、家は山に囲まれていた。
親には「子供だけで山にはいってはいけないよ」と注意されていたが、その日「ツチノコが行くのを見たんだ!」と弟が踏みいろうと。

慌てて水筒を持ってあとを追ったなら、まんまと遭難。
パニックになった弟が崖から落ちて、そのあと俺も力尽き、失神したところ、捜索部隊が救出を。

俺は命をとりとめたものを、弟は崖の下で死体に。

俺の生還に両親は号泣して歓喜し、弟を助けられなかったことを責めず。
まわりも「可哀想に」と慰めてくれたとはいえ、この日を境に俺は寡黙で根暗に。

いちいち人の発言に怯えて、ろくに対応ができず、頼みごとをされれば、どんな無理難題でも断れず。
なんて社会不適合者になれば、人は寄りつかず、逆に柄のわるい連中に目をつけられるというもの。

小中といじめられ、高校になっても、その状況は継続。
今日は学校から帰ろうとしたら捕まり「怪談スポットでバズる動画を撮るぞ!」と連行。

怪談スポットとは隣町の一角で、雨の日に「子供を生ませて」と女装した男が男にすがってくるらしい。

「いかれ野郎だったら、俺らがリンチするから、お前、撮れよ!
万が一、霊とかそういう類なら、お前が相手してやればいい!」

「悪霊を抱くところをばっちり撮ってやっから!」と調子よく吠えるのは、あまり噂を信じていないからだろう。
が、果たして近所を歩いていたら、俺らの前に、雨に打たれる女装した男が。

息を飲む俺らに「ねえ」と告げたことには。

「俺は強い男の子種がほしいんでよね」

しばしの沈黙後「なるほど強い男かあ!」と連中は大笑い。

「だったら俺にしときな!
中学では柔道で全国大会に行ったからな!」

「ばーか!強いたって実戦では勝てねえじゃん!
ここはやっぱ喧嘩負けなしの俺だね!」

「ちがうちがう!腕っぷしが強いだけじゃ話にならねーよ!
女にフられて、廃人になるお前のメンタルじゃなあ!」

「俺は鋼のメンタルだから!どうよ!」と茶化しつつ、けっこうむきになって「俺が最強だ!」とアピール合戦。
そのうち「なあ、あんたは誰がいちばん強いと思う?」と女装する男に問いかけ、指が差されたのは。

まさかの俺。

とたんに「いやいや、こいつ最弱だって!」とどっと笑いが。
一人がにやにやしながら「俺にしときなよ」といい寄れば「ゴキリ」と鈍い音がして、そいつが崩れ落ちた。

その首は捻じ曲がって、背面に顔が。
首を折られて死んだと把握するまで時間がかかり「な、なんだ!お前!」と雄たけびをあげて襲いかかる連中。

次次とそれらの首が折られて、俺以外の全員が死体となって濡れたアスファルトに浸って。
死体を踏み越えて近寄る男は薄笑いを浮かべたまま。

突っ立っていたのは恐怖に縛られてではなく、この日がくるのを待ちわびていたように錯覚してのこと。
とはいえ、伸びた手は首でなく、俺の手首を握って引っぱっていった。

そばの公園の茂みに踏みいり、木の幹に背中をもたれたなら俺を抱き寄せて口づけ。
逃げる舌をからめとられ、甘い酒のような唾液を飲まされて、体が沸騰するように熱くなり、急速に勃起。

「やめろ・・・!」と顔を遠ざけるも「くそ、くそお!」と悪態を吐きながら、首を舐めあげ、胸を両手で揉み、太ももを股間に食いこませて揺する。

「は、はあ、お、俺は子供をのこしては、いけない人間なのに!
こんな、孕ませる、なんて、させるな!くそ、くそがあ!」

「あう、ああ、ふ、ふふ・・・いや、のこす、べきだよ。
んん、んああ、弟に口止め、して、罪を、なすりつけ、てえ、ふあ、ああう、お、おかげで、親から、見捨て、られず、生きて、これたあ・・・」

「す、すばらしい!はああう!」とイったのに頭をかっとさせて「だまれ!」とスカートを引きちぎり、精液まみれで勃ったままのを咥えて、しゃぶしゃぶ。
さすがに、まともに話せず「ひゃあ、ああう、すごお、精液、止まんなあ・・・!」と俺の髪をかき混ぜて、悩ましく腰を揺らめかす。

そうして男の発言を阻みながらも、不都合な真実を思い起こしてしまい。

ほんとうは一人で山に行こうとしたのは俺。
弟のほうが止めようとし、水筒を持って追いかけてきたのだ。

そのあと遭難したなら、不安のあまり弟が錯乱。

「迷子になったのは兄ちゃんのせいだって、いいつけてやる!」

親は俺に厳しく、弟に甘かった。
「そんなに弟に冷たくするなら、あんたをよその家にやるよ」と脅されたことも。

その記憶が甦り、居ても立ってもいられず俺は・・・。

にわかに髪をつかまれ引っぱられたなら、思いっきり顔射。
「くう!」と目をつむり顔を振れば、頬に手を添えられ視線を上へと。

妖艶に笑う男曰く「崖に落とす直前に水筒を奪ったのは、さすがだよ」と。
雷に打たれたような衝撃を受け「だ、だだ、だまれええ!」と激昂をすると、木の幹に男の顔を押しつける。

突きださせた尻に、剥きだしの俺の息子を突きつければ、みるみる誘うように飲みこんで。

咥えられている間に自分で準備をしたのか。
予想以上に包みこむ熱も絞めつけ具合も心地よすぎて、快楽を貪るように腰を強打してやまず。

そのくせ「ちがう!ちがうんだ!俺は、こんな、子をのこす、資格なんて・・・!」と言い訳がましく喚くのが滑稽というか。
そんな俺を嘲笑うように喘ぎながら「な、ああ、なあ、もし、もしも、だよお!」と男は黙っちゃいない。

「は、はぐ、うう、す、水筒が、弟と、いっしょに、落ちていたらあ!
弟が、生きて、いてえ、二人で、水筒を、分けあって、いたらあ、あふう、くううあ!」

「はひ、ひい、ど、どうなって、いたかなああ!」と尻を振って絞めつけを強くしたのに、急激に快感がこみあげたが、同時に心が冷え冷えと。
腰を止めたなら、力なく引きぬいて、そのまま地面にへたりこむ。

雨に打たれながら、深深とうな垂れて放心していると、首に指が当てられた感触。
連中のように俺も殺すのか、それとも、子種欲しさに強引につづきをうながすのか。

どちらにしろ、どうでもよかったが、男が呟いたことには「なんだ、罪人ぶった意地汚い俗物だったか・・・」と。
その一言をのこして男は去ったよう。

言葉の意味を理解しきれないながらに木っ端みじんに心が粉砕されたような錯覚をし、でも、どこか胸がせいせいもして。

この日を境に、事件前のように俺は奔放で闊達にふるまうように。
同級生が皆殺しにされるという惨事を目の当たりにしつつ、むしろ性格が明るくなったのを、親は安心するより、不気味がったもので。

弟の死に責任を覚え、罪悪感を抱えて鬱鬱としているほうが、扱いやすかったのかもしれない。
が、かまわず、つまらない理由で無駄にした青春を、今は謳歌している。

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