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鉄筋青春トライアングル
⑨
しおりを挟む元プロボクサーにしては、オーナーは注意散漫で、よく物を落としたり壁にぶつかったり、床につまずいたりする。
そのときは、僕が居間のソファに座り、テレビでボクシングの試合を見ていたところ、お茶を運んできたオーナーが手前でこけた。
熱いお茶が僕に降りかからないよう、湯呑を放ってくれたけど、オーナー自身は真っ正面からダイブをしてきた。
が、さすがは元プロボクサーというか、咄嗟に背もたれの上の部分を掴んで踏んばり、衝突はさせなかった。
僕の太ももを挟んで膝立ちしつつ、すかさず上体を起こして「ごめん!」と視線をかち合わせた。
家に一緒に居る間、幾度も目は合ったけど、この瞬間、今までになく互いに釘付けになったと思う。
接近を避けつつ意識しないよう気を付けていたのが、不意打ちではどうしようもなかった。
かっと顔を赤くしたオーナーが腕に力を込めて、離れようとしたのを、僕は反射的に腰に抱きついて、留めた。
といっても、振りほどけなくない力加減だから、それ以上、退かないでいるのは、茹蛸で涙目になっているオーナーの本意だろう。
困り顔をして、助けを求めるように目をさ迷わつつ、逃げも寄りもしないのに対し、僕のほうは、できるだけ首を伸ばして、目を瞑った。
後はオーナー次第、ということ。
少しもしないうちに、そわそわしていた体の揺れが留まり、跳ねるように唇が当てられた。
すぐに退こうとしたのを、舌を伸ばして、顎から鼻の下までねっとりと舐めあげる。
腰をひくつかせ、薄く開けた口に舌を滑りこませたら、背を反りそうになったので、脇の下から腕を回し強く抱き寄せた。
逃げるのをやめたようなので、腕の力を緩めつつ、盛んに上体と首を伸ばして、下から突き上げるように口づけをした。
顔を突き上げるたびに舌も伸ばして、奥に引っ込んでいる舌をつつき、舌先でくすぐる。
抵抗せず、口を閉じようとしない割りには、強情に縮こまっているから、背中に回している腕を下げていき、掌を尻に当てた。
触ったときも「あ、や!」と高い声をあげたものを、揉みだせば「ん!」と舌を跳ねる。
その機を逃さず、絡めとろうとしたら、慌ててまた引っ込んだけど、尻が揉まれると、どうしても舌の強張りが緩むらしい。
絡みとり逃れの攻防をつづけるうちに、水音が際立ちだしたこともあり、へにゃへにゃになった舌は思うままに掻き乱され、「ふ、あ、はあ、あ、ん・・・」と喘ぎも垂れ流しのままになった。
反らしていた上体が前に倒れてきて、口づけは深くなり、混ざった唾液が口端から絶えず滴る。
さすがに息が苦しくなり、他の愛撫がしたくもあって、一旦離れようとしたら、舌が追いかけてきた。
目を下に向けて、オーナーが薄目に唇から舌を覗かせるのを見止めて、噛みつく。
電流が走ったように、背中を震わせつつ、オーナーは顔を退かせない。
舌を噛みながら舌先でくすぐれば、「ふ、うあ、あっ・・・は、あ」と甘く鳴いて腰を揺らしだした。
その膨らみが、僕のもたげているのに掠める。
ただ、口づけをしていては、全面に押しつけることができず、もどかしそうに腰を振っていたから、舌から歯を放し、オーナーが物足りなそうに追いかけてきたところで、ズボン越しにそこを指でつついた。
「あ、あ!そこは・・・!」と抵抗する暇を与えず、そこに指を埋めるように食い込ませたら、脱力したオーナーは「は、あ、ん・・・」ともたれてきた。
股間の固いのに当たって、肩を震わせ熱い吐息をする。
ズボン越しのいたずらが継続中のせいか、オーナーは痙攣し舌足らずに鳴くばかりで動こうとしない。
せがむように僕の耳に、濡れた唇を押しつけてきたけど、僕も動こうとしないで、空いた片手を前に滑らせた。
股間にいくかに思わせて、シャツの裾から手を差し入れる。
股の少し上から、腹の真ん中を指でなぞっていき、へそをほじくる。
ズボン越しのいたずらと連動させると、「は、や、あっ」と首を振りつつも、悩ましく腰を蠢かした。
指が差しいれられるたび、腹に力がこめられ、腹筋が浮かび上がるのが指の感触から伝わってくる。
舌舐めずりをして、へそから腹筋の溝に爪先を滑らせていったら「んあ、ああ、は、ん、あ、あぁ」ともっと善がり、露骨に腰をグラインドさせだした。
下半身だけでなく、上半身も密着し擦り合わせてくる。
薄いシャツ越しに張りつめ浮きでているそれを、僕の薄い胸板に押しつけ揺するのも堪らないらしく、しばし腰を浮かせて胸を擦ってばかりいた。
いい加減、腰が疼くのをどうにかしてほしく、首に噛みつけば「ひゃ、ああ、ん!」と達したように鳴きつつも、胸を止めて、おもむろに腰を下ろしていった。
ズボン越しのいたずらと胸だけで、十分、お漏らししたらしい。
ほんの先が擦れただけで水音が立ち、恥ずかしがってか、腰を留めようとしたので、尻をつねったやった。
体を跳ねたことで思いきり押しつけてしまい、「あ、やあ、あ!」と涙を散らしながら、その後は歯止めが利かなくなったように、腰を振りっぱなしにした。
こちらもズボン越しのいたずらも腹筋の溝をなぞるのも、その手を休ませず、遮二無二首にしゃぶりつく。
「んあ、あ、や、あ、そん、な、ああ、同時、にぃ・・・!」と泣きじゃくりながらも、小刻みに胸を押し付けてくるオーナーは、喘ぎっぱなし、水音や涎、涙を垂れ流しっぱなしの、ひたすら、はしたない有り様になった。
ただ、自ら擦りつけるだけではままならないらしく「はっ、あ、あ、ん、動、い、て、あ、も、やあ、あ、う、動い、て、よ、あぁ、ん・・・」と舌足らずな声でねだってくる。
もどかしいのは僕も同じだったけど、焦るまま性急にはしないで、オーナーが下から擦りあげてくるのに合わせ、亀頭に当たるよう腰を突きだした。
「ふ、ぅ、あ、あぁん!」と甲高く鳴いて、背もたれから手を離し抱きついてきたなら、股間を押しつけるだけでなく、発情した猫のように夢中に尻を振って、「ひゃ、あ、ああ、ん、もっと、んあ、もっ、とぉ」ととうとう、あられもなく善がってせがみだす始末。
「あ、あ、固っ、はあ、んあ、ぁ、か、たい、の、ん、ん、あ、あん、もっと、固、いのぉ、ん、あ」
固い固いと、うわ言のように繰り返し、ぐちゃぐちゃとしきりに水音を立てるのに当てられて、痛いほど股間を熱く張りつめさせ「っ!」と歯を食い縛る。
すぐに「や、あ、ん、おっき、く、あ、あ、は、ああ」と善がって「固い」「大きい」とさらに煽るように、だらしなく喘ぎ、ズボン越しに先走りをなすりつけてくるのを、耳元でふ、と笑い「誰のより?」と聞いた。
「ふ、あ、あぁ、ん、え、あ?ああ!そ、ん、なあ、あぁ、や、だあ!ひゃ、そん、な、大き、は、ああ、ん、固い、の、ん、んあぁ!」
腹筋をなぞっていた手を、また背中にやって、腰を抱き寄せてから、それまで緩やかだったのを、ピストンさせるように急激な突きあげを食らわした。
背中を反らして叫び、達したのか達していないのか、頭を抱き締めたまま、ぐったりと寄りかかりつつ、淫らに腰を揺らめかしつづける。
一段と鼻にかかった甘い声を漏らすオーナーに「ねえ」と、その艶やかな頬に熱い吐息をして囁いた。
「金森のより、いいの?」
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