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鉄筋青春ラビリンス
④
しおりを挟む生贄はまだ高校生だからか、他のジムの人間よりは細身で、目に見えて筋肉がばきばきに割れていなかった。
シャツをめくったときに覗いた腹はうっすら筋が入っていて、僕に気づいて力ませたときに三パックに割れて盛りあがったのが印象的だった。
色白なこともあって筋肉は柔らかそうで、色黒な人のように汗で肌を光らせるのではなく、玉のような汗をしきりに滴らせていた。
きめが細かく滑らかな肌をしているのだろう。
そんな肌をしてうっすら割れた腹はどんな感触だろうかと、ジムでのトレーニングに励みながら悶々と思いを巡らせないではいられなかった。
邪な思いを振り払おうとトレーニングに没頭したおかげか、短期間でその成果は見えてきた。
これまで体育を避けていたとはいえ元々ポテンシャルがあり、いざ本格的に鍛えだしたことで才能が開花したのかもしれない。
男も見惚れるような筋肉美を誇った肉体を手に入れ、その上ボクシングのセンスも抜群。
はじめは避けていた生贄も、そんな僕にみるみる惹かれていって、そのうち「そんなに強いなら、はじめから不良に頼らなくてもよかったのに」なんて軽口を叩いて笑うようになったりして。
「俺はあまり筋肉がつかないほうだから、羨ましいな」
「そう?ほら触ってみる?」
「いや、えっと」と頬を赤らめる生贄の手を取って胸に触らせる。
顔を赤くして気まずそうにしているのに、おもむろに顔を寄せて「あいつの筋肉とどっちがいい?」と囁く。
胸にある生贄の手を僕の股間に滑らせれば「だめだ」と言いつつ、手を引き抜こうとしたり突き放そうとはしない。
生贄に固くなったのをじっくり触らせながら「試してみないか?あいつとどっちがいいか?」と耳に熱い息を吹きかける。
「本当にもう」と片手で押そうとしたのを、肩を掴んで反転させる。
サウンドバックに押しつけて、生贄が手をつき上体を起こしたところで、後ろから手を這わせる。首を舐めると「汗臭いから」と頭を振られる。
「ほんと、汗臭い」とわざと冷たく言い、執拗に舐めつづける。
首にしゃぶりつきながら、両手をシャツの下から差し入れ、うっすら割れた腹筋の溝を指でなぞる。
思う存分、腹の筋に指を滑らせてから、もう片手で濡れたシャツ越しに胸の突起を指で弾けば「はあ、ん」とたまらないといったように甘い声が漏れて。
「汗臭いくせに、汗を舐められて興奮してるの?
エッチな体だね」
「エッチな体」と言われて「や、そんな、あっ」と泣きそうな声を上げ、腰に力が入らないからか、上体を僕に寄りかからせる。
そのうち、焦れてだろう。
突き出している腰をくねらせはじめる。
しまいには上体を倒し腰を突き出している形で、サウンドバックに股間を擦りつける。
すぐには指摘をしないで、股間から水音が立ちはじめてから「ああ、駄目じゃないか」と笑う。
「神聖なジムのサウンドバックをこんないけないことに使って汚しちゃ。
どうするの?君の漏らしたのが染みたサウンドバックを皆が練習に使うんだよ?
何も知らなくてさ」
「あ、や、はあっ、そん、な、あ、言わ、ない、でえ」
「言って欲しくないなら、腰を止めないと。
腰を止めたらサウンドバックを精液で濡らさないようにしてあげるよ」
そう言いつつ、両方の胸の突起を親指の腹で撫でつづける。
懇願するように涙目で見上げてくるのに、知らんふりして指を動かしつづけたら、唇を噛みしめ体を震わせながら生贄は腰を留める。
「ん、ふっ、う、ん」と熱い息を噛んで、腰が跳ねそうになるのを堪える姿が余計にいやらしい。
「いい子」と囁いて、胸の突起から指を放し、生贄をサウンドバックにもたれさせる。
「ほら、抱きついて」と言ったとおりにサウンドバックに腕を回したのを見てから、ズボンを下ろして露になった尻に手を這わせる。
固すぎず程よい弾力のある感触を堪能して、股に手を差しこみ濡れた前を触る。
さっきまで我慢していた分「あ、あぁ」と生贄が高く鳴いて尻を跳ねる。
でも、その期待には応えないで、濡らした指を後ろに滑らせて入り口に塗りたくる。
拒否反応はなく濡れた熱い息を漏らす生贄に「もう開通済みか」とせせら笑う。
首を赤くして肩を震わせたのに合わせて指を滑りこませる。
「すんなり入ったね。昨日もあの男とやったの?」と早くも二本目を入れて中をかき乱せば、水音混じりに「あ、や、あぁ、ん、そこ、だ、めえ・・・」と切なそうに喘ぐ。
僕の問いに応えてはいないとはいえ、その反応からして明らかで、少々癪に思いつつも「こんなにがばがばだったら、いいよね」と指を抜き、僕のをあてがう。
当てられたことに肩を跳ねて顔だけ振り返った生贄は、僕のを見て頬をさらに赤らめ「そ、そんなの」と目尻に溜まった涙を流す。
その表情を見て舌なめずりしたなら、一気に押しこむ。
「ああっ・・・大っき、は、あ・・あ、あん、金、森、の大き、い・・・あ、や、だめ、そん、なあ、あぁん」
処女でないせいもあるのだろうけど、初めて僕に貫かれて、生贄は痛がるどころか「大きい」「大きい」と盛んに体を喜ばせる。
自慢のジムで鍛えた体でもって息つく間もなく抜きさしをしようものなら、「やあ、あっ、いっちゃ、いっちゃ、うからあ!」と後ろを締めつけて叫んでくる。
持っていかれそうになったのを何とか堪えて「ねえ、どっちのがいい?」と緩めた腰の動きで、いいところを重点的に攻める。
「僕とあの男のと、どっちのほうが君を気持ちよくさせているかな?」
「あ、あ、あん、金、森っ・・・の、んあぁ、あ、やあ、大っき、い、ん、あ、やだ、硬い、ああ、あ、あ、硬いの、やあ、ん」
「ん?何が?
僕の何が大きくて硬い?」
「そ、んな、あ、はぁん、金森、の、お、ちんちん、ん、う、あ、おちんちん、が、大っき、硬い、ああ、あ、あ、あぁ」
「あの男より?そっか。
義巳は僕の大っきくて硬いおちんちんが好きなんだ?」
「はあ、あん、好、きぃ、好き、ん、あ、あ、あぁん、金森ぃ・・・!」
「義巳・・・!」と声を上げて、腰を揺らし扱いていたのから盛大に白濁の液を散らした。
出しきってしまえば、発情した馬のように燃え盛っていた熱もどこへやら、身も心も底冷えして、力なく腕を放り、虚ろな目を自室の天井に向ける。
射精の後は大体、虚しいような居たたまらないような気分を持て余すとはいえ、いつもより後悔の念が胸に重くのしかかった。
なんとも言えない虚脱感に浸りながら、そういえば、どうして生贄のことを好きになったのだろうと思う。
取り留めなく考えているうちに、眠気が催してきて、汚れた手や散らばったものを拭かずズボンもずらしたまま、深い眠りについたのだった。
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