怪人ヤッラーの禁断の恋

ルルオカ

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魔人と怪人とあはんうふん

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「あ、はあ、ん、ああ・・・」

悩ましげな声が耳について、目を見開いた。
とたんに、魔人ダンダーラの顔が、目と鼻の先に見えて、ぎょっとし、上体を退ける。

後ろに倒れそうになったのに、なにかが当たり、すこし頭をひねって見れば、怪人ヤッラーの顔が耳元にあった。

魔人ダンダーラと怪人ヤッラーに挟み撃ちにされている。
だけではない。

「どうした、善すぎて声もでないか?」

下から水音が立って、「ああ」と甘く鳴いてしまう。

現状を把握したいところ、絶え間なく下半身に甘やかな痺れがするのに、あんあん鳴くばかりで、思考がままらない。
俺が快感に翻弄されているのを、「くく」と魔人ダンダーラが嘲笑う。

「まさか、変身後は男だったとはな。
まあ、男だろうと、わしに犯されれば、いくらでも、股を濡らすのは変わらんが」

「変身」と聞いて、はっとする。

俺はマスクをかぶっていなかった。
衣装にしろ、無茶苦茶に切り裂かれたようになって、ほぼ肌が晒されている。

タイツも破けていたが、どうしてか、スカート部分だけは残っていて、ブーツを履いていた。

要は、目も当てられないざまになっている。

おまけに、裸にスカートの格好で、魔人ダンダーラと向き合い、足を広げて、その体を跨ぎつつ、怪人ヤッラーに、後ろから抱きしめられている始末。

後ろに手を縛られ、スカートの下は、前から魔人の一物、後ろから怪人の一物で擦られるままになって。

魔人ダンダーラは腰を持って、揺すってくるし。
怪人ヤッラーは首をしゃぶりながら、ねっとりとした手つきで全身をまさぐってくるし。

「あ、あ、や、ああ・・・あ、ん、ああ、だ、だめ、え・・・」

「ふはは、レンジャーの紅一点でしっかりものの女房役が、なんとも、情けないざまだな?ん?」

魔人の固い一物に、ごりごり扱かれ、怪人の太い一物に、ぬちゃぬちゃ股を摩擦されて、快感に眩む脳内で、記憶と思考が錯綜する。

他のレンジャーはどうしたのか。
誘拐されたときの、シーンなのか。大柄の怪人ヤッラーは、助けようとしてくれたのではないか。

対決していたはずの怪人と魔人が、結託しているのはどういうことか。

結託したとして、どうして二人で俺を犯しているのか。魔人ダンダーラの中身が羅伊緒なら、怪人ヤッラーの中身の爽やかイケメンと共になんて、許すはずがない。

だったら、どちらも羅伊緒なのだろうか。

と、考えたら、とたんに怪人魔人の中身が意識されて、スカートの中でぐちゃぐちゃにされ、太ももを揉まれ、脇腹を撫でられるのに「ひゃ、ああ、あ、あ、あん」と尚のこと、悶えてしまう。

言葉でいたぶられて、善がっていると思ったらしい魔人は、気を良くしたように、さらに畳みかけてくる。

「よく、他のレンジャーにお説教をしておったではないか。
自分がいないと、ほんとに駄目だと。

はっ、それはお前だろ?違うか?」

稽古で行き詰っているのが、思い起こされ、図星をつかれているようで、聞くに堪えなかった。

「あ、や、ヤ、ッラー、ああ・・・」と助けを求めるも、首にしゃぶりついて、太ももの際どいところを揉みしだくのに没頭して、見向きもしてくれない。

「他のレンジャーがいないと、お前は、こうも容易く犯される。

ほら?どうだ?
お前はレンジャーを率いるどころか、自分の体を制御もできていないではないか?」

「あ、あ、あ、そ、ん、ああ、あん、やあ、ああ、あん・・・!」

魔人ダンダーラが言葉で追いつめるのに合わせて、怪人ヤッラーが胸に手を這わせてきた。

首から放した舌を、えぐるように耳に突っこんで、胸の突起を指で擦ってくる。
もちろん、スカートの下の水音も、一段と際立って。

「なんとお前は無力だな!
お前のできることなぞ、たかが知れておるのよ!」

「ああ、あ、あ、あ、やあぁ・・・!」

稽古で精神的にずたぼろになったところを、追い打ちをかけるように、魔人怪人に犯される夢を見た俺だが、翌日になってみると。

「よおし!いいぞ!
すこしは、落着けたようだな!

そのまま、調子を上げていけ!」

気を揉んでいた団長と演出家の表情を明るくさせ、共演者や稽古場を囲む劇団員にほっと、一息つかせることができた。

といって、俺は目新しいことをしていない。
いつものように手堅くこなし、黒子っぽい、立ち回りをしただけだ。

黒子っぽさを隠さないと、主役らしく目立たないのではないかと、思っていたのだが、まったくの杞憂だった。

主役となれば出番が多いのは当たり前、単独で舞台に立つこともあるから、むしろ、目立たないでいるほうが難しい。
ただでさえ、目につきやすいのを、奇をてらったことをして、悪目立ちしたから、浮いていたのだろう。

まあ、羅伊緒の存在感に霞まされないよう、気張っていたせいもあるとはいえ、そもそもダブル主演になったのは、暴走しやすい羅伊緒を制御する、黒子の能力を求められてのことだったし。

「黒子でおさまってなるものか!」と息巻いたところで、前提を覆せるだけの力量は、俺にはなかった。

そう、「なんとお前は無力だな!お前のできることなぞ、たかが知れておるのよ!」と魔人ダンダーラが高笑いした通り。

時間がないなら尚更、自分が無力なことに、頭を悩ませるのではなく、たかが知れている、自分のできることに、力を注げばいい。

理屈っぽい俺が、その答えに辿りつくまでには、時間がかかってしまったものだが、本能的な羅伊緒が俺の頭を叩いて、鼻を鳴らすには「遅えんだよ、馬鹿」と。

羅伊緒は昨日、俺にアドバイスをしようとしたのかもしれない。
が、俺が聞く耳を持たなかったから、夢で魔人怪人になって犯したのだろうか。

と、考えかけて、馬鹿らしいと思い、首を振り「うっさい」と羅伊緒の胸を小突いた。

「俺はお前じゃないんだよ」

胸を小突いた手を捕まえて、羅伊緒は好戦的に笑ってみせる。

あだ名がライオンだけあって、食われそうと、誰もが震え上がるだろう、凶悪な笑みに、背筋に悪寒が走るのが、悪くない。

昨日のように、しおらしくされるのは、勘弁してほしい。
慰めも助言もいらない。

羅伊緒には、夢で犯してくるくらい、いつでも「食ってやる」と目をぎらつかせていてほしかった。



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