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魔人ダンダーラの略奪愛
⑨
しおりを挟む胸の突起が解放されたこともあって、ほっと一息つく間もなく、魔人ダンダーラがタイツのウェストから手を突っこんだのに、目を見張る。
タイツ越しに生々しく剥きだしになったのを見せつけられ、顔を熱くしているうちに、タイツから手が引っこ抜ぬかれた。
その手に握られていたのはコンドームだ。
どうやら、羅伊緒ははじめからレンジャープレイをするつもりだったらしい。
代役を引き受けたのもそのためかと、今度こそ呆れ返ったけど、スカートを押しあげている俺がどうこう言えることではなく、魔人ダンダーラと目が合って顔を逸らすくらいしかできない。
顔を逸らしただけで逃げようとはせずに、鼓動を早め心持、腰を浮かせていれば、ビニールの破れる音がすると共に動く気配がした。
しゃがみこむ魔人ダンダーラが視界に入りこんだと思いきや、スカートの下に手を突っこまれて下着ごとタイツを脱がされる。
魔人ダンダーラの顔が下からもぐりこみ、頭で布を持ち上げながら、スカートの中でコンドームを装着した。
漏れそうなのを耐えているところに、指を這わされコンドームで締めつけられては「はあ、あ、あぁっ」と涎を垂らして鳴いてしまう。
魔人ダンダーラにスカートの中にもぐりこまれている景色がまた、腰にきて、尻を跳ねそうになるのを堪えるのが大変だった。
コンドームを付け終えても、しばし魔人ダンダーラはもぐりこんだままいて、スカートの中の光景を目で味わっているようだ。
屈辱的快楽に肩を震わせ、もう少しのところで腰を突き上げそうになったのだけど、その直前にスカートの中から出てきて立ちあがり向き直った。
スカートなど前を隠すもののないない魔人ダンダーラは、人目を憚らないように薄いタイツ越しに形を浮き彫りにし、そそり立たせている。
固くなりきった状態とあっては、汚れるのが不安なところ、羅伊緒はコンドームを付けようとしないし俺も催促しない。
初めに体を重ねたとき以来、羅伊緒が最終形態に近く勃起しても、先走りを漏らさないのを知っているからだ。
俺の股が緩いのか、羅伊緒の体の構造が異質なのか。
何にしろ、早く放出して楽になりたいと思っていないのは確かだ。
きつく張りつめたそれで俺を追いつめても、自ら善がるような動きはしないし、決して俺に触らせようともしない。
気が遠くなるほどしつこく幾度も、俺だけを達しさせて、羅伊緒が絶頂を迎えるのは最後だけだった。
勃起しながらも、少しも漏らさない羅伊緒を前にして、快楽に飲まれるまま、だらしない姿を曝けだすのは、腹を見せる犬のように屈服している感があった。
いや、羅伊緒が意図して、屈服させようとしているのかもしれない。
でも、どれだけ俺をいかせても、満たされないのだろう。
羅伊緒も俺に敵わない部分があるのを認めつつも、認めきれなくて、抗わずにはいられないのだろうか。
「ピンクレンジャー」
レンジャープレイをしだして、初めて声を発したのに背筋を震わせた。
マスクを被って、作りこんだ声音を発せられると、より別人のように錯覚させられ恐くありつつ、切らす息がさらに熱くなる。
両手首を掴まれ、万歳した状態で壁に縫いとめられ、額を突きあわせたなら、スカートの下から固く熱いので擦られた。
コンドーム越しでは、もどかしかったけど、先の呼びかけで十分に耳を犯されていたから、堪えが利かずに「ああ、あっ、ん、はあ、んあぁ」と喘ぎと涎が垂流しになる。
「正義の味方を恥ずかしげもなく名乗るお前が、あんなに容易く怪人ヤッラーに絆されるとはな。
本当は好物なのではないか?
怪人や魔人の一物が。ほら、こんなに体が喜んで濡れているぞ」
魔人ダンダーラの低い笑い声が、額越しに響いて腰までくる。
コンドームをつけているから、さほど水音は立たないとはいえ、こもった音も中に溜まった先走りがかき混ぜられる感覚も、スカートに隠れて擦りあってる景色も十二分に悩ましい。
擦られるたびに快感が貫くのに、そのまま流されたかったけど、俺だって役者だ。
「は、あ、じょ、冗談、ん、じゃない、わ」とピンクレンジャーとして抵抗をしてみせる。
「あ、ん、き、汚ら、しい、ああ、お前ら、なん、あ、かあ、あっ、こん、なあ、や、あ、吐き、気が、あ、あ、する、ああ、あ、やあ」
余裕がなくて、とても羅伊緒のように成りきれず、ほぼ地声だったものを、羅伊緒は白けたようではなく、含み笑いしながら腰の動きを早める。
「そんなに甘く鳴いて、説得力がないな?ん?
お前の気持ちは分かるぞ。
正しいことをして偽善的なことを言うのは、さぞつまらなかろう。
そんなつまらんレンジャーに抱かれるのは物足りんのではないか?
普段がつまらんだけに、魔人に犯されるなんぞ、邪道な刺激を受けるのは、さぞかしよかろう。
違うか?」
言葉でいたぶられて「や、あ、そ、んなあ、ああ、あ」と善がる俺は早々に、役者としての意地を失くす。
もっと言葉責めをして擦ってきてくれることを期待していたものを、上体を起した魔人ダンダーラは、また見下ろす形になって腰を止めた。
強請りたいところを堪え、涙を流しつつ睨みあげたけど、体はとっくに制御しきれない状態にあって、「あ、あ、ああ、あん、っんあぁ、あぁん・・・」と腰を緩やかに揺らしだす。
恥を忍んで痴態を晒してやったのに、スカートの下で硬度を保ちつつ魔人ダンダーラはびくともしない。
我慢の限界にきた俺は、魔人ダンダーラの望む通りに吐露した。
「あ、ん、ブ、ブラッ、クは、あぁ、私より、喘ぐ、し・・・ん、イエ、ローは、あ、た、短小。は、あぁ、グ、リーン、は、痛い、だけ、だしぃ・・はあ、ん、あ、レ、ッドはあ、早、漏でぇ、ん、あぁ・・・」
それでも動かない魔人ダンダーラ。
意地悪なのに泣きながら、縋ることはしないで煽るように悩ましげな言葉を口にする。
「あ、あ、お、お前、のは、や、あ、固く、て、大きく、て・・・はあ、あ、ん、おいし・・・我慢、した、く、てもぉ、あ、は、ん、濡れ、ちゃう・・・」
毎度、飽き足らないように達せられる俺だけど、はじめに体を重ねたときに、あまりに乱れたことを悔いて、以来「やだ」「だめ」と言葉では抵抗をしてきた。
達するのを阻めなければ、言うだけ虚しいとはいえ、羅伊緒に完全に屈服するのが恐かったのかもしれない。
ただ、いざ屈服してみると、癖になりそうなほどの快感に痺れてやまなかった。
魔人ダンダーラがまだ腰を動かそうとせずに、無機質な目で見下ろしていることもあって痺れを切らし、とうとう口走ってしまう。
「あ、あ、ん、もっ、と、もっとぉ・・・犯してぇ、ん」
メッシュ越しにも目の色が変わったのが分かった。
とたんに手首から放した両手で尻を鷲掴みにした魔人ダンダーラは、勢いよく腰を突き上げだした。
尻を揉みしだきながら、高速ピストンをしてくる。
待ち望んでいた固くて大きいのに、スカートの下から突っこまれ扱かれ、あんあん鳴きっぱなしになりつつも、やはりコンドーム越しだからか、ぎりぎりで達しきれない。
その状態で暴力的な快楽を突き上げられつづけては気が狂いそうで、口元を覆っていた両手の片方を、スカートの裾からもぐりこませる。
指を噛みつつ、スカートの下で先っぽを擦る不様なさまを見て、さすがに漏れそうになったのか。
魔人ダンダーラは苦しげに息を乱しながらも「く、はっ、はは、は、は」と嘲笑った。
先っぽを擦るとぶよぶよするほど、コンドームに先走りが溜まっているのを笑われたように思え、さらに羞恥心が鞭打たれる。
それが後押しとなって「はあ、あぁ、あ、あ、はあぁん!」と思いっ切りスカートの下でコンドームを白濁の液で満たしのだった。
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