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第5話 冒険者の日常
7.5 冒険者ゲラルドの場合
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そして週末。祭り開催日――。
「パパー、今日はどこに遊びに行く?」
「そうだな……」
俺の名前はゲラルド=オーキド。どこにでもいる普通の青銅3級冒険者だ。
元々は商人ギルドの会社で倉庫番をしていたのだが、ある日冒険者に憧れ民間ギルドに加入して早10年。
今では妻と、息子と娘に囲まれる毎日だ。
「さすがにまた郊外の空き地でボール遊びは……ん?」
空に何かが浮かんでいる……ここからではまだ読めないが、なんだ?
「はーいお兄さん、よろしかったらコレどうぞ♡」
「は、はい」
気付けば目の前に、黒髪のエルフ美女が立っていた。
露出は少ないが、ボディラインがしっかりと出た服は夜の仕事の格好に見えなくもないが――。
その美女が持っているチラシには、
「……鍛冶屋通り祭?」
「そうなんです。毎週末、料理の屋台を出したり、子供向けのショーをやったりするんです」
「はーい、君達にはこの特製フーセンあげちゃう」
「わーい」
「ありがとー」
見た目には12かそこらのメガネを掛けた少女はしゃがんで子供達に、宙にふわふわと浮く謎の緑のボールのようなものを手渡した。
「こら、お代を貰わず……」
「あら。これは無料ですよ。もちろん鍛冶屋通りに足を運ばないからって回収したりしませんので」
「む、無料……」
どんなモノかは分からないが危険性はない、と思う。
よく見たらフーセンには『鍛冶屋通り祭開催中』の文字が入っている。
「でもぉ、このチラシを屋台に持っていけば、料理も安くなるんですよ」
チラシと一緒に俺の手を握ってくるエルフ美女……し、仕方がない。
「よし、ちょっとだけ鍛冶屋通りに行ってみるか。武器も見てみたいし」
「うん!」
「早く行こう!」
◇◆◇
「おぉ、結構屋台も人も多いな」
確か前に1人で来た時にはほとんど人も居らず、酒場からドワーフの笑い声が聞こえるだけだった
「あいよー。マイン饅頭2人前ね!」
「今なら焼きそば、出来たてだよー」
「午後の鐘が鳴り終わったら、特設ステージでショー始まりますよー」
「マッスル兄弟の搾りたてジュースはこちらでーす」
通りには屋台が並び、自分と同じようにチラシを持った老若男女の人らがたくさん居た。
中には子供連れも多く、みんなフーセンとやらを持って歩いている。
「あ、さっきのはコレか」
地面に突き刺した長い棒の先に一際大きなフーセンと、『鍛冶屋通り祭開催中』と書かれた垂れ幕が吊るしてあった。
「パパ! あのフーセン釣りやってみたい!」
「わたしも!」
「分かったから引っ張らないでくれ」
そこの屋台も賑わっていた。
大きい水を張った桶の中に、小さなフーセンが浮いている……その先に紐が付いている。
「はい、1回銅3枚だよー」
「すいません子供2人分で」
「あいよー。はい、この釣り竿で釣ってね。上手く釣れたら景品もあるからね」
「「はーい」」
「……ところで、このフーセンって何で出来てるんです? 見た事あるような無いような」
「それは秘密ですが……自然由来の安全な素材なので、お子さんが間違って食べても全然問題ないですよ」
「はぁ……」
何かの食材か何か使ってるのかな。
「パパー、上手く釣れなーい」
「わたしは釣れたよ!」
「しょうがないな……パパに貸してごらん」
「パパー、今日はどこに遊びに行く?」
「そうだな……」
俺の名前はゲラルド=オーキド。どこにでもいる普通の青銅3級冒険者だ。
元々は商人ギルドの会社で倉庫番をしていたのだが、ある日冒険者に憧れ民間ギルドに加入して早10年。
今では妻と、息子と娘に囲まれる毎日だ。
「さすがにまた郊外の空き地でボール遊びは……ん?」
空に何かが浮かんでいる……ここからではまだ読めないが、なんだ?
「はーいお兄さん、よろしかったらコレどうぞ♡」
「は、はい」
気付けば目の前に、黒髪のエルフ美女が立っていた。
露出は少ないが、ボディラインがしっかりと出た服は夜の仕事の格好に見えなくもないが――。
その美女が持っているチラシには、
「……鍛冶屋通り祭?」
「そうなんです。毎週末、料理の屋台を出したり、子供向けのショーをやったりするんです」
「はーい、君達にはこの特製フーセンあげちゃう」
「わーい」
「ありがとー」
見た目には12かそこらのメガネを掛けた少女はしゃがんで子供達に、宙にふわふわと浮く謎の緑のボールのようなものを手渡した。
「こら、お代を貰わず……」
「あら。これは無料ですよ。もちろん鍛冶屋通りに足を運ばないからって回収したりしませんので」
「む、無料……」
どんなモノかは分からないが危険性はない、と思う。
よく見たらフーセンには『鍛冶屋通り祭開催中』の文字が入っている。
「でもぉ、このチラシを屋台に持っていけば、料理も安くなるんですよ」
チラシと一緒に俺の手を握ってくるエルフ美女……し、仕方がない。
「よし、ちょっとだけ鍛冶屋通りに行ってみるか。武器も見てみたいし」
「うん!」
「早く行こう!」
◇◆◇
「おぉ、結構屋台も人も多いな」
確か前に1人で来た時にはほとんど人も居らず、酒場からドワーフの笑い声が聞こえるだけだった
「あいよー。マイン饅頭2人前ね!」
「今なら焼きそば、出来たてだよー」
「午後の鐘が鳴り終わったら、特設ステージでショー始まりますよー」
「マッスル兄弟の搾りたてジュースはこちらでーす」
通りには屋台が並び、自分と同じようにチラシを持った老若男女の人らがたくさん居た。
中には子供連れも多く、みんなフーセンとやらを持って歩いている。
「あ、さっきのはコレか」
地面に突き刺した長い棒の先に一際大きなフーセンと、『鍛冶屋通り祭開催中』と書かれた垂れ幕が吊るしてあった。
「パパ! あのフーセン釣りやってみたい!」
「わたしも!」
「分かったから引っ張らないでくれ」
そこの屋台も賑わっていた。
大きい水を張った桶の中に、小さなフーセンが浮いている……その先に紐が付いている。
「はい、1回銅3枚だよー」
「すいません子供2人分で」
「あいよー。はい、この釣り竿で釣ってね。上手く釣れたら景品もあるからね」
「「はーい」」
「……ところで、このフーセンって何で出来てるんです? 見た事あるような無いような」
「それは秘密ですが……自然由来の安全な素材なので、お子さんが間違って食べても全然問題ないですよ」
「はぁ……」
何かの食材か何か使ってるのかな。
「パパー、上手く釣れなーい」
「わたしは釣れたよ!」
「しょうがないな……パパに貸してごらん」
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