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第5話 冒険者の日常
1.カッコイイよな?
しおりを挟む俺の名前は響陽一。
現代日本から色々あって魂のみ異世界へと来てしまい、勇者の鎧とやらに乗り移り、そのまま冒険者として新たな人生をスタートさせてからもう2か月ほどになる。
まだ2か月とも言うが、とにかく今まで色んな事があり過ぎた。
そして、間近の大きな出来事と変化と言えば――。
実は武器コンテストでテッカンさんが優勝して以来、テッカンさんの武器を振るう姿がカッコ良かったと、コーディアの街でも評判なのだ。
通りを歩けば声を掛けられることも珍しくなくなった。
これは見た目も気を付けなければならない。
例えば、今までは鎧は水洗いだけで済ませていたのだが、そういう訳にもいかない。
鎧のメンテナンス用の洗剤やらワックスやらを購入し、それらでバッチシ決める。
そして俺は今日も、街を歩くのであった。
「あっ、ヨーイチさん。これからギルドですか?」
「この前はカッコ良かったです! またウチに寄って下さい!」
「おぉヨーイチ殿。今日も鎧が輝いていますね!」
「あらぁヨーイチちゃん。ちょっとお店寄ってかない?」
うん。
色んな職人(男)や、武器防具屋の店主(男)から凄いモテるようになった。
俺はギルドの酒場で一杯やりながら、ボヤいた。
「……人生、そんなに甘くないなハナコ」
「なに言ってんだ兄ちゃん」
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