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第4話 武器コンテストと忍者
14.2回戦・第3グループ
しおりを挟む『ステージの整備も終わりましたので、第3グループの試合を開始します!』
まだ膨れているルビィと、珍しくテッカンさんと共に観客席へときていた。
恐らくゴッチン組が勝ち残るだろうが、どんな武器か観てみたかったのだ。
『それでは……開始!』
「ま”!!」
試合開始直後の侍は腕組みをして動かなかった。
しかし変化は突如として起こる。
「変体鎧刀、武者六道――アシュラ!」
侍が叫ぶと、鎧の背中から腕が新たに4本生えた!
さらに抜いた刀を右手に持ち、黒い鞘を左手に持った。いや、鞘に見えるがこれも刀だ。
「ま”!」
緩慢な攻撃を避けようともせず、後ろの腕で受け止め――そのまま持ち上げた。
『う、嘘ぉぉ!?』
「木偶が――はぁッ!」
左の黒い刀と右の銀の刀が同時にゴーレムの胸元を突き刺し――コアごと、ゴーレムの胴体を穿つ。
コアを失ったゴーレムはそのまま地面へと崩れ落ちた。
『なんというスピード決着! ちなみに解説しますと、ゴッチン殿の”ムシャムドウ"は、一見は鎧に見えますがその全てが武器! この鱗のような鎧も刃で出来ています! いやー凄い! 』
「昔から奴は主張しておった。人が武器を使うのではなく、人が武器そのものとなり戦う姿が美しいと……その完成形がアレか」
「いやアレってセーフなん?」
「審査員が認めてるんだしセーフなんじゃないの?」
◇◆◇◆◇◆◇
『それでは決勝の準備が整いましたので、ゴッチン殿、テッカン殿とヨーイチ殿、ダイアー殿はステージまでお越しください!』
俺とテッカンさんがステージに上がると、既にゴッチンとタイアーは到着していた。
「……ふん」
こちらを一瞥するだけで、特に何も言ってこないダイアー。
ゴッチンは目をつむり、何かを考えているように見える。
「ふぅ……」
「なんじゃ緊張しとんのか」
「結局あんまり活躍出来ていない気がする……」
「気にするな。お前はよくやった」
『さぁ全員出揃いました。ではこれより決戦投票前の最後のアピールタイムを――』
「ちょっと待った!」
その大声を発した人物に一瞬で会場の注目は集まる。
ゴッチンだ。右手を上げ、審査員席の前で立ち止まる。
「アピールタイムの代わりに、決戦御前試合を所望する」
会場全体がざわめく。
こんな事は前代未聞なのだろう。
『おおっとゴッチン殿からのいきなりの提案だ!』
「その理由をお聞きしても?」
副団長のウォルコットがゴッチンへと尋ねる。
「理由は明白じゃ。あの魔道ゴーレムは弱すぎる。弱すぎて、儂の自慢の武器がその性能を十全に発揮出来ておらん」
『おぉーっと我々運営サイドへの苦情だ!』
「偶然にも小奴らは全員冒険者でもあるので、戦うのは問題ないじゃろ」
その提案に、審査員達は好意的な反応をした。
「ほー。あの鎧刀とやらはさらなる機能があると! それはちょっと見てみたいですね」
「確かに……素材もあの伝説の八竜を使ってらっしゃるのに、相手が不足していた感はありますね」
口々にそんな事を言い出す。
MCは困ったように、黙って聞いていたウルフに助け舟を求める。
『ええっと、どうしましょうウルフ様』
「――イイでしょう! 時間も押してますし、ワタクシは3人同時バトル形式を提案しマース!」
「それで構わんが……テッカンとそこの若僧はどうだ」
「儂は構わんぞ」
「ボクもです……むしろチャンスを頂いて嬉しく思います」
『話がまとまったので今一度ルールを確認します! 今からステージで15分1本勝負、3名によるバトルを行います! 武器の完全破壊、ステージからの落下、その他試合続行不能と判断とした場合は敗北とします。また、登録された武器以外の道具や魔法の使用は禁止です……よろしいですね?』
「はい」「おぅ」「あぁ」
とそれぞれ返事をする。
『では、皆様お待たせしました。ただいまより、決戦御前試合を行います!』
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