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第4話 武器コンテストと忍者
12.2回戦・第1グループ
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まず第1グループの試合が開始された。
ちなみに俺は第2グループ、あの鎧兜は第3グループである。
ステージ上にゴーレム1体対参加者7人でバトルが行われる。制限時間は15分。
事前登録した武器以外を使う、武器が破壊されてしまう、他の参加者を意図的に攻撃した場合、ステージから落ちてしまうと失格になる。
早い者勝ちでゴーレムのコアを破壊した者の勝ち。誰も破壊できなければ、1番ダメージを与えた者が勝ち抜けとなる。
「ていやー!」
「はぁっ!」
「そい!」
職人や冒険者達はそれぞれの自慢の武器に魔力を込め、斬ったり突いたりしているが全然ダメージが入らない。
「ま”」
ゴーレムの鳴き声と共に拳が振り下ろされ、ステージの床のタイルが破壊される。
正直スピードは遅いので、避けるのは簡単だろう。だがこちらもダメージを与えられなければ意味が無い。
「この野郎……これならどうだ!」
冒険者の青年が槍に風のエレメントを巻き付かせるように纏わせ、それで全力でゴーレムの胸を突くが――バキっと乾いた音と共に槍の柄の部分が折れてしまう。
「あっ」
『はいお疲れ様でしたー。失格の方は迅速にステージから降りて下さい』
「とほほ……」
そして15分が経過するが、始まる前と比べて傷が全く付いていないように見える。
『ここで終了ー! 判定は……これは厳しい。皆さん失格です! 計測できるほどダメージが入ってません!』
「ふざけんな! 去年だってヒビくらいは入ったんだぞ!」
「こんなん人間には無理だろ!」
「オレはずっと準備してきたんだぞ!」
『皆さんお気持ちは分かりますが落ち着いて下さ――あれ?』
「オースイマセン! アナタの剣、ちょっと借りますネー」
ウルフが文句を言っていた冒険者の剣を拾うと、何度か素振りを行い――。
「フム」
ゴーレムへと向き合い、一瞬にして姿を消し――ゴーレムの胸元を突いていた。
剣は深々と突き刺さり――コアを破壊した。
と、同時に剣の方も折れてしまった。
「ま”ァ!?」
ゴーレムは手足と身体がバラバラと崩れ、そのまま倒れてしまった。
「おっと……出来がイマイチですネー。耐久も弱く、魔力反発も抑えられていない。ウム、来年もガンバってくだサーイ」
『な、なななんと! ウルフ様が参加者の剣を使って倒してしまった!』
「今のは剣の出来がイマイチなのでちょっと本気出しました。素晴らしい武器であれば、もっと楽に倒せマース」
『これは残りの参加者にはヒントになったのか!? 第1グループの皆さんが、もしこの結果に不満があるならまたゴーレムご用意しますが!』
「いや、いいです……」
「来年頑張ります……」
「ハイ、ガンバってくだサーイ」
ウルフは上機嫌に審査員席へと戻っていった。
何者なんだろうか……。
ちなみに俺は第2グループ、あの鎧兜は第3グループである。
ステージ上にゴーレム1体対参加者7人でバトルが行われる。制限時間は15分。
事前登録した武器以外を使う、武器が破壊されてしまう、他の参加者を意図的に攻撃した場合、ステージから落ちてしまうと失格になる。
早い者勝ちでゴーレムのコアを破壊した者の勝ち。誰も破壊できなければ、1番ダメージを与えた者が勝ち抜けとなる。
「ていやー!」
「はぁっ!」
「そい!」
職人や冒険者達はそれぞれの自慢の武器に魔力を込め、斬ったり突いたりしているが全然ダメージが入らない。
「ま”」
ゴーレムの鳴き声と共に拳が振り下ろされ、ステージの床のタイルが破壊される。
正直スピードは遅いので、避けるのは簡単だろう。だがこちらもダメージを与えられなければ意味が無い。
「この野郎……これならどうだ!」
冒険者の青年が槍に風のエレメントを巻き付かせるように纏わせ、それで全力でゴーレムの胸を突くが――バキっと乾いた音と共に槍の柄の部分が折れてしまう。
「あっ」
『はいお疲れ様でしたー。失格の方は迅速にステージから降りて下さい』
「とほほ……」
そして15分が経過するが、始まる前と比べて傷が全く付いていないように見える。
『ここで終了ー! 判定は……これは厳しい。皆さん失格です! 計測できるほどダメージが入ってません!』
「ふざけんな! 去年だってヒビくらいは入ったんだぞ!」
「こんなん人間には無理だろ!」
「オレはずっと準備してきたんだぞ!」
『皆さんお気持ちは分かりますが落ち着いて下さ――あれ?』
「オースイマセン! アナタの剣、ちょっと借りますネー」
ウルフが文句を言っていた冒険者の剣を拾うと、何度か素振りを行い――。
「フム」
ゴーレムへと向き合い、一瞬にして姿を消し――ゴーレムの胸元を突いていた。
剣は深々と突き刺さり――コアを破壊した。
と、同時に剣の方も折れてしまった。
「ま”ァ!?」
ゴーレムは手足と身体がバラバラと崩れ、そのまま倒れてしまった。
「おっと……出来がイマイチですネー。耐久も弱く、魔力反発も抑えられていない。ウム、来年もガンバってくだサーイ」
『な、なななんと! ウルフ様が参加者の剣を使って倒してしまった!』
「今のは剣の出来がイマイチなのでちょっと本気出しました。素晴らしい武器であれば、もっと楽に倒せマース」
『これは残りの参加者にはヒントになったのか!? 第1グループの皆さんが、もしこの結果に不満があるならまたゴーレムご用意しますが!』
「いや、いいです……」
「来年頑張ります……」
「ハイ、ガンバってくだサーイ」
ウルフは上機嫌に審査員席へと戻っていった。
何者なんだろうか……。
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