セカンド人生は動く鎧になって冒険者生活!?

ゆめのマタグラ

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第2話 ギルド登録は大変だ

5.桜の騎士

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「いくぞ化物!」
 
 ”私”は気合を入れる為に叫んだ。

 触手のようなものが身体に纏まり付いているが不快感は無い。むしろこれを通して暖かいモノが身体の中に流れ込んで来る。
 鎧が私の身体に合わせて縮んだのだろうか。動かすのにも支障はない。
 いや、支障はないどころか――。
 
「絶好調だ!」
 
 地面に刺さっていた愛剣を拾い、魔力の炎を剣に纏わせる。
 そのまま私はビーストへ向かって一撃を浴びせる。
 
「遅いッ!」
 
 奴の防御は間に合わず、左腕を2本斬り落とす。
 即座にビーストは後ろへ飛んで距離を取る。
 距離を取ったということは――。
 
「しゅぅぅぅるぅぅ、ぶるぉぁぁぁぁぁぁ!」
 
 一瞬で息を吸い、口から魔力が込められた糸を吐き出して来た。本来なら魔力を乗せた斬撃でも切断は難しいだろう。
 だが今の私は、負ける気がしない。
 
「――桜火、」
 
 自分の中に、魔力とは違う存在があるのが分かる。
 それがどういうものかは分からないが、私はそれを解放するのに躊躇はしない。
 
「一閃ッ!」
 
 まるで自分が斬撃そのものになったように感じた。
 ビーストの攻撃も、景色も、空間も――一瞬にして駆け抜けた。
 
「ぎ、る、ぅ、あ……」
 
 白い巨躯に桜色の斬撃の線が入り――真っ二つになり、崩れ落ちた。

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