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羽は恋の音を奏でた。
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「恵、好きだよ。」
「恵、行かないで。捨てないで。」
「恵、ごめんなさい。」
「ほんとに好きなのは恵だけだよ。」
うるさい、俺の名前を呼ぶな。
俺の好きな笑顔で、好きだなんて言うな。
俺が許せないって知ってるんだろ?
だからそんなずるいこと言うんだろ?
俺はずっと2番目じゃねえか。
本命かもしれねえけど、でも、1番じゃねえだろ。
なんで、俺はこんなやつと付き合っちまったんだろうな。
「恵、ごめんね。愛してるよ。」
愛ってなんだよ。お前の言う愛ってなんだよ!
信じられない。女なんか信じられない。
澄ました顔して俺のこと裏切るんだろ。
だったら、その前に俺が捨ててやる。
深入りしてもっと好きにならないうちに捨ててやる。
「恵、私はやっぱりあなたがいいの…。」
泣くなよ、羽奏…。
ここで目が覚めた。
あぁ、夢だった。
時計は2:15をさしている。
まだまだ夜だ。
「絶対たつのせいだ。
あいつが羽奏の話なんかするから。」
俺は羽奏と別れた時から、笑顔を心がけた。
最初は羽奏に何にも気にしてないって示すつもりだったが、いつからか本当の自分を見せるのが怖くなった。
樹也の前でしか本当に笑えなくなっていた。
かなはきっと俺のことを変えてくれる。
羽奏が俺を変えたように。
かなともっと話したい。かなに触れたい。かなをもっと愛したい。
ねぇ、かな。
俺は今、君が好きだと気づいたよ。
「恵、行かないで。捨てないで。」
「恵、ごめんなさい。」
「ほんとに好きなのは恵だけだよ。」
うるさい、俺の名前を呼ぶな。
俺の好きな笑顔で、好きだなんて言うな。
俺が許せないって知ってるんだろ?
だからそんなずるいこと言うんだろ?
俺はずっと2番目じゃねえか。
本命かもしれねえけど、でも、1番じゃねえだろ。
なんで、俺はこんなやつと付き合っちまったんだろうな。
「恵、ごめんね。愛してるよ。」
愛ってなんだよ。お前の言う愛ってなんだよ!
信じられない。女なんか信じられない。
澄ました顔して俺のこと裏切るんだろ。
だったら、その前に俺が捨ててやる。
深入りしてもっと好きにならないうちに捨ててやる。
「恵、私はやっぱりあなたがいいの…。」
泣くなよ、羽奏…。
ここで目が覚めた。
あぁ、夢だった。
時計は2:15をさしている。
まだまだ夜だ。
「絶対たつのせいだ。
あいつが羽奏の話なんかするから。」
俺は羽奏と別れた時から、笑顔を心がけた。
最初は羽奏に何にも気にしてないって示すつもりだったが、いつからか本当の自分を見せるのが怖くなった。
樹也の前でしか本当に笑えなくなっていた。
かなはきっと俺のことを変えてくれる。
羽奏が俺を変えたように。
かなともっと話したい。かなに触れたい。かなをもっと愛したい。
ねぇ、かな。
俺は今、君が好きだと気づいたよ。
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