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生徒会のお仕事

生徒会のお仕事③

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「本当に、俺も出ないとなんですか?」

 俺は、放送室で最後の足掻きを見せていた。

「何言ってるんだ。ヒナのアイデアなんだから出るに決まってるだろ?何より、わたしがお前と出たいんだ!」

 会長は、腕を組んでうんうん頷いている。

「もうすぐ、始まるので準備お願いしますね。……ヒナも頑張れ!」

 扉の前で和泉さんが、連絡をしてくれた。……俺は、出るだけで別に頑張りませんよ……
 和泉さんが、小さく手を振っているので、一応手を軽く挙げて返事をしておく。

「さて、楽しもうじゃないか!」

 会長さんは、放送が楽しみすぎてソワソワしている。

 そろそろ、放送が始まるだろう。最初と最後の挨拶は、会長さんがしてくれるらしい。俺の仕事は、悩み相談(どうでもいい意見のやつ)に返事を会長さんと交互に言い合い、それぞれの相談に個人的な感想を少し言うだけらしい。まあ、頑張って下さいとか無難なことを言えばいいだろう。

「はい!間もなくスタートです。5秒前、4……3……」

 和泉さんが、カウントを始める。……ただの学校放送だから、別にカウントとかしなくていいんだけどね。俺がラジオ番組作ろうなんて適当なことを言ったから、みんな変に気合いが入ってるよ……

 俺がそんなことを考えているとカウントも終わり、いよいよ放送が始まった。


「ハッハッハ~!放送室は、生徒会が占拠した!心して聞きな、ヤローども~!……そんなわけで、今日から毎週水曜日の昼休みは、生徒会のラジオ番組が校内限定で始まるよ~!それじゃあ、自己紹介!わたしは、ラジオマスターこと、D.J.ミヤコだよ~!そして、アシスタントのヒナだ~!」

 ……この人なにやらかしてるんだ~!!!一応お悩み相談の返事を出すんだろ?てか、ツッコミどころが多すぎるわ!……

「ヒナ!なにボーッとしてるんだ?お前も自己紹介しなきゃだろ」

 会長さんが、何も無かったかのように俺の肩をトントンしてくる。

「アシスタントのヒナです。それなりに頑張ります」
「サンキューヒナ!それじゃあ、早速お便り読んでいくよ!ラジオネーム二年一組佐藤……」
「ちょっと待った~!それ、普通の名前じゃねえか!言ったらダメだろ」
「え?ダメなのか?」

 会長さんは、キョトンと首を傾げている。

「ダメだろ……じゃない、ダメですよ。本名のときは、匿名とかにした方がいいんじゃないですか?一応、悩み相談の返事ですから」

 つい、タメ語になってしまったが、一応説明はできただろう。

「コホン!気を取り直して、ラジオネームシュガーさんからのお便りです!」

 ……もしかしなくても、佐藤……砂糖……シュガー、じゃないだろうなぁ……

「えーと、なになに~?……『僕は、朝パン派なのですが、最近バターに飽きてしまって、何をパンに塗ろうか悩んでいます。何か、オススメがあったら教えてください』だそうだ!なるほど~……ヒナは、朝なに派なんだ?」

 ……メチャクチャどうでもいい悩みだなぁ。てか、会長さんは、なに話広げようとしてるの?……
 会長さんは、俺が何派か気になるようでニコニコしながら待ってる。仕方ないから答えてあげるか……

「俺もパン派ですね」
「お!そうなのか!わたしは、ごはん派なもんでな……ヒナがパン派ならシュガーさんにオススメを教えてやってくれ」
「そう言われてもなぁ……あっ!カロリー気にしないんだったら、食パンの上にマヨネーズをかけて、最後に和風だしの粉末をパラパラっとかけて焼いたやつがうまいぞ」
「なるほど~シュガーさんも是非試してくれ!」
「へぇ~……今度やってみよ」

 後ろで和泉さんが、そんなことを呟いている。……和泉さんもパン派だったのか。どうでもいい情報を知ってしまった。……

「さて、次のお便りはヒナの番だな。頼んだぞ!」
「はいはい、わかってますよ」

 どうせ、次のも変なこと書いてるんだろうなぁ。

「えーっと……ラジオネーム厚揚げさんからのお便りです。『わたし、合唱部に入っているんですけど、大会前なのに雰囲気がよくありません……みんなで心を一つにして練習を頑張るべきだと思うんですが、どうしたらみんなの心を一つにできますか?』……」


 ……え?何この真面目な相談。こういうのは、学校新聞に載せるべきじゃないの?……
 
 
 
 
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