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飛翔と大魔王

飛翔と大魔王②

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「というわけで、ここの問題はこれが答えであるな」
「スゴい……流石は大魔王」
 夜8時頃 某ファミレスにて勉強をしている男女の姿があった。
 そして、その席から二つほど離れた席では……
「昴さんと一緒にいるときはあんな感じなんですね~……由依さんといるときもあんな感じですか?」
「う~ん、わたしといるときはもっと好き勝手しているというか……悪ガキって感じ?」
「なるほど~……わたしの知っている大魔王さんとも少しイメージが違いますし、大魔王さんのキャラがイマイチわかりませんね~」
 先程勉強をしていた二人は大魔王と暁昴で、彼らから少し離れた席で二人の観察をしているのは、雛田由依と青葉栞であった。
 彼女たちは作戦通り大魔王の生態観察を行っているのだが……大魔王が悩みを抱えているかはもちろん分からないが、大魔王の人柄が見れば見るほどわからなくなってい二人だった。
 二人はもう一度昴たちの席に意識を持っていくと、二人とも楽しそうに会話をしていた。
「ふふ、大魔王さんは相変わらず面白いね。……何か悩んでいることとかないの?」
「「(ストレートに聞きすぎでしょ!)」」
 二人は昴のあまりの発言に机に頭をぶつけてしまった。
「何か音がしなかったか……?まあよい、我には悩みなど無いぞ。なんたって大魔王であるからな!……っと、もうこんな時間か……すまぬが次の客人との約束があるのでな……我はここで失礼するぞ」
 大魔王はそう言ってファミレスを出ていった。
 「大魔王さんは悩んでいることは無さそうですね」
 昴が先程の席から二人が座っていた席にやって来ながらそう言った。
「「聞き方が下手すぎ!」」
 二人は見事にそう突っ込んでいた。

「えっ~と、次は栞の番だっけ?」
 由依が栞にそう訪ねる。
「はい!わたしですね!……ちゃちゃっと済ませてきますよ~」
「頑張って」
「はい!それでは行って参ります!」
 栞は無駄にキレイな敬礼をしてからファミレスを出ていった。
「そんなに、わたしの聞き方下手だった?」
 栞がファミレスから出て二人きりになると昴がそわそわしながら質問してきた。
「……すばるんは頑張ったよ……うん……」
「そんな残念な子を見るような目をしないで!」
 彼女たちもそんな会話をしてから栞を追いかけることにした。


 今回、彼女たちが考えた作戦は……それぞれが大魔王と話してそれとなく悩んでいることが無いか聞いてみて、その様子を残りの二人が見て大魔王の様子におかしなところが無いかチェックする……というものだった。
 そして、最初に昴が名乗りをあげたのだが……結果は見ての通り玉砕してしまい、次は栞が調べることになった。








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