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彼の夏休み
彼の夏休み①
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「はーい!お久しぶりでございます。」
いつも通り軽く挨拶をしているのはわたくしこと赤城 飛翔でございます。
いやぁ、今回から季節は夏に変わるのですがこちらはまだ春なので季節感を全く感じませんね~……もう少し1学期の話をすればよかった……
取り敢えず、おさらいコーナーと行きますか。前回までのお話で彼女たちの過去の問題は大体解決しましたかね……それと、彼が少しずつハーレムを築き始めているような……?もしかしたらハーレムエンドも夢じゃない!?
「それでは、様々な問題を解決した彼らの夏休み……まあ、新たな物語をどうぞ!」
ピンポーン!……ピンポーン!ドアのチャイムが鳴り響く……
ピンポーン!ピンポーン!ピンポン!ピンポン!ピン!ピン!ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!…………
夏休みが始まってから早一週間が経ち、今では日常化していた昼までの睡眠をバカうるさいチャイムに邪魔されて俺は起きた。
「うるさ~い!誰だよ!こんなにチャイム鳴らすバカは!」
俺はそう言って家のドアを開けるとそこには……
「……あっ!ダーリンたらおっそ~い!約束のデー……」
「……」
俺は目の前の光景を見なかったことにして、ドアをそっと閉めようと
「ちょっと!何で閉めるんですか~!今日はわたしとデートするって約束してたじゃないですか~?」
片足を玄関に差し込みこれ以上ドアがしまらないようにしながら青葉さん……いや、変態が訳のわからないことを言っていた。
「いや、俺は一生お前とデートしないって固い決意をしてるからそれはありえないだろ」
「まあ、デートは嘘ですけど飛翔君の断り方ひどくないですか?……それより!今日の予定忘れたんですか?」
今度は変態の癖にちゃんと質問をしてきた。
「う~ん、悪いけど全然覚えてないなぁ」
「全く……飛翔君が勉強を教えてって言うからわざわざ教えに来てあげたのに、まさか頼んでいたことを忘れるなんて……オロオロ」
変態さんは下手くそなウソ泣きをしている。(……少し思い出した……確かにそんなことをこの前遊んだときに言ってた気がする……)
「あぁ~何か思い出した。確か夏休みの宿題を手伝ってもらえんだっけ?」
「やっとですか~。……それと、宿題は手伝いませんよ?そんなんだから、成績悪いんじゃないですか?」
「うるさいやい!まあ、いいや少し汚いけど上がってくれよ」
俺はあまり片付いていない部屋に栞を案内してあげた。
「まあ、そこら辺で座ってろよ、飲み物はお茶でいいか?」
「あっ!はい!お気遣いなく~!」
青葉さんはそう言いながら、何やらキョロキョロしている。
「そんなに珍しい部屋でもないし何キョロキョロしてるんだ?」
俺は注いだお茶をテーブルに置きながら行動がいつもより少しおかしい栞に言った。
「いやぁ~わたし男の子の部屋なんて初めて入るもんで……ちょっと落ち着かないと言いますか……そう言えば飛翔君はここで独り暮らししてるんですよね?」
「まあ、そうだな~家の両親は写真家やってるからさ、海外に行ったりと忙しいから俺だけここに残って独り暮らしだなぁ」
……俺の両親はかなりアクティブでアマゾンで一ヶ月キャンプしたり一年間日本に帰ってこなかったり……そんなこともあって俺は中学校時代からこのマンションを借りて独り暮らしをしている。それなりに儲かっているらしいので仕送りも充分にあるし困ることはあまりない。
「すごいですね~!わたしは独り暮らしなんて出来ないですよ~!……それじゃあ、恒例のエロ本探しから……」
変態さんは、俺のベットの下やクローゼットの中を物色しだした。
「お前は変態か!エロ本探しは女の子がやることじゃないだろ!……全くそれよりも早く勉強教えてくれよ」
「……仕方ないですね……見つけてしまっても空気が重くなるだけですし、今度昴たちと一緒に探しに来ますよ!」
(……お前はここに何をしに来てるんだ)
「はぁ、まあいいや……それでさ、ここの問題が分からないんだけど……」
少し脱線してしまったが、ようやく勉強会が始まった。
「お前変態なのに頭はいいよなぁ~」
「失礼な!こう見えてもわたしは学年一位の成績を誇るんですからもっと誉めてもいいんですよ~!」
「はいはい、スゴいねー」
「全然嬉しくない誉め方ですね……」
そう、なぜ俺がわざわざこんな変態さんを家に呼んだのかと言うと、コイツが学年一位というまさかの勉強できるやつだったからだ。中身は残念だが本当に勉強ができる様で、かなり俺の勉強も捗り(俺が頼んで結局宿題も手伝ってもらった)時間はあっという間に過ぎていった。
「そろそろ暗くなるけど、帰らなくていいのか?」
外も少しずつ日が沈んできており勉強もある程度は進んだので俺はそう言ったのだが
「え~!泊めてくれないんですか~?……せっかくお泊まりセット持ってきたのに……」
「お前!やけに大荷物だなぁって思ってたけど……それ、お泊まりセット入ってるのかよ!てか何泊まる気満々なの?俺は一言も泊まっていけなんて言って無いぞ!」
俺は栞のあまりの行動力に突っ込んでいた。
「今日のわたしの目的は飛翔君と勉強することですからね~!あっ、もちろん夜の方のべ……」
変態さんがよからぬことを言い出したので、無理矢理追い出した。
「じゃあな……それと今日は助かったよ。……まあ、またいつでも遊びに来な」
「それじゃあ今から!」
「だから、帰れよ!どんだけ泊まりたいんだよ恐えーよ!……それじゃあな」
「もう……恥ずかしがりやさんなんだから……」
変態はわざとらしくそんなことを言ってようやく、帰っていった。
「全く……アイツが学年一位とかおかしいだろ」
俺はそう呟いて部屋に戻ろうとしたのだが……
「おい……どうなってんだ?……何で夜になってるんだよ……!?」
栞との謎のやり取りが長かったせいか辺りはもう、暗くなっていた。……そう、もう夜だ。……にも関わらず、俺はまだ俺のままだった……(……夜なのに何でアイツと人格が入れ替わらないんだ?どうなってる?)
結局この日、俺は人格が入れ替わらなかった……
人生初めての夜は何だかとても心細かった……
いつも通り軽く挨拶をしているのはわたくしこと赤城 飛翔でございます。
いやぁ、今回から季節は夏に変わるのですがこちらはまだ春なので季節感を全く感じませんね~……もう少し1学期の話をすればよかった……
取り敢えず、おさらいコーナーと行きますか。前回までのお話で彼女たちの過去の問題は大体解決しましたかね……それと、彼が少しずつハーレムを築き始めているような……?もしかしたらハーレムエンドも夢じゃない!?
「それでは、様々な問題を解決した彼らの夏休み……まあ、新たな物語をどうぞ!」
ピンポーン!……ピンポーン!ドアのチャイムが鳴り響く……
ピンポーン!ピンポーン!ピンポン!ピンポン!ピン!ピン!ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!…………
夏休みが始まってから早一週間が経ち、今では日常化していた昼までの睡眠をバカうるさいチャイムに邪魔されて俺は起きた。
「うるさ~い!誰だよ!こんなにチャイム鳴らすバカは!」
俺はそう言って家のドアを開けるとそこには……
「……あっ!ダーリンたらおっそ~い!約束のデー……」
「……」
俺は目の前の光景を見なかったことにして、ドアをそっと閉めようと
「ちょっと!何で閉めるんですか~!今日はわたしとデートするって約束してたじゃないですか~?」
片足を玄関に差し込みこれ以上ドアがしまらないようにしながら青葉さん……いや、変態が訳のわからないことを言っていた。
「いや、俺は一生お前とデートしないって固い決意をしてるからそれはありえないだろ」
「まあ、デートは嘘ですけど飛翔君の断り方ひどくないですか?……それより!今日の予定忘れたんですか?」
今度は変態の癖にちゃんと質問をしてきた。
「う~ん、悪いけど全然覚えてないなぁ」
「全く……飛翔君が勉強を教えてって言うからわざわざ教えに来てあげたのに、まさか頼んでいたことを忘れるなんて……オロオロ」
変態さんは下手くそなウソ泣きをしている。(……少し思い出した……確かにそんなことをこの前遊んだときに言ってた気がする……)
「あぁ~何か思い出した。確か夏休みの宿題を手伝ってもらえんだっけ?」
「やっとですか~。……それと、宿題は手伝いませんよ?そんなんだから、成績悪いんじゃないですか?」
「うるさいやい!まあ、いいや少し汚いけど上がってくれよ」
俺はあまり片付いていない部屋に栞を案内してあげた。
「まあ、そこら辺で座ってろよ、飲み物はお茶でいいか?」
「あっ!はい!お気遣いなく~!」
青葉さんはそう言いながら、何やらキョロキョロしている。
「そんなに珍しい部屋でもないし何キョロキョロしてるんだ?」
俺は注いだお茶をテーブルに置きながら行動がいつもより少しおかしい栞に言った。
「いやぁ~わたし男の子の部屋なんて初めて入るもんで……ちょっと落ち着かないと言いますか……そう言えば飛翔君はここで独り暮らししてるんですよね?」
「まあ、そうだな~家の両親は写真家やってるからさ、海外に行ったりと忙しいから俺だけここに残って独り暮らしだなぁ」
……俺の両親はかなりアクティブでアマゾンで一ヶ月キャンプしたり一年間日本に帰ってこなかったり……そんなこともあって俺は中学校時代からこのマンションを借りて独り暮らしをしている。それなりに儲かっているらしいので仕送りも充分にあるし困ることはあまりない。
「すごいですね~!わたしは独り暮らしなんて出来ないですよ~!……それじゃあ、恒例のエロ本探しから……」
変態さんは、俺のベットの下やクローゼットの中を物色しだした。
「お前は変態か!エロ本探しは女の子がやることじゃないだろ!……全くそれよりも早く勉強教えてくれよ」
「……仕方ないですね……見つけてしまっても空気が重くなるだけですし、今度昴たちと一緒に探しに来ますよ!」
(……お前はここに何をしに来てるんだ)
「はぁ、まあいいや……それでさ、ここの問題が分からないんだけど……」
少し脱線してしまったが、ようやく勉強会が始まった。
「お前変態なのに頭はいいよなぁ~」
「失礼な!こう見えてもわたしは学年一位の成績を誇るんですからもっと誉めてもいいんですよ~!」
「はいはい、スゴいねー」
「全然嬉しくない誉め方ですね……」
そう、なぜ俺がわざわざこんな変態さんを家に呼んだのかと言うと、コイツが学年一位というまさかの勉強できるやつだったからだ。中身は残念だが本当に勉強ができる様で、かなり俺の勉強も捗り(俺が頼んで結局宿題も手伝ってもらった)時間はあっという間に過ぎていった。
「そろそろ暗くなるけど、帰らなくていいのか?」
外も少しずつ日が沈んできており勉強もある程度は進んだので俺はそう言ったのだが
「え~!泊めてくれないんですか~?……せっかくお泊まりセット持ってきたのに……」
「お前!やけに大荷物だなぁって思ってたけど……それ、お泊まりセット入ってるのかよ!てか何泊まる気満々なの?俺は一言も泊まっていけなんて言って無いぞ!」
俺は栞のあまりの行動力に突っ込んでいた。
「今日のわたしの目的は飛翔君と勉強することですからね~!あっ、もちろん夜の方のべ……」
変態さんがよからぬことを言い出したので、無理矢理追い出した。
「じゃあな……それと今日は助かったよ。……まあ、またいつでも遊びに来な」
「それじゃあ今から!」
「だから、帰れよ!どんだけ泊まりたいんだよ恐えーよ!……それじゃあな」
「もう……恥ずかしがりやさんなんだから……」
変態はわざとらしくそんなことを言ってようやく、帰っていった。
「全く……アイツが学年一位とかおかしいだろ」
俺はそう呟いて部屋に戻ろうとしたのだが……
「おい……どうなってんだ?……何で夜になってるんだよ……!?」
栞との謎のやり取りが長かったせいか辺りはもう、暗くなっていた。……そう、もう夜だ。……にも関わらず、俺はまだ俺のままだった……(……夜なのに何でアイツと人格が入れ替わらないんだ?どうなってる?)
結局この日、俺は人格が入れ替わらなかった……
人生初めての夜は何だかとても心細かった……
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