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彼女の失われた青春
彼女の失われた青春⑥
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場面は再び戻ってファミレス……
「それにしても、その助けてくれた男子は変な奴だなぁ……3中にそんな奴いたかなぁ?ちょっとその男子が誰か気になるな」
どうやら赤城君はわたしを助けてくれた男子が気になるようで、話題はその男子のことになっていた。
「さあ……誰なんだろうね?そう言えば赤城君はあのとき夏祭りに行ったの?」
「う~ん……夜のことだから俺には分からないけど行ってると思うぞ」
赤城君は昼と夜に人格が入れ替わるらしく……赤城君は昼の人格で、夜の人格は大魔王さん?と言う人らしい。そして、人格が入れ替わっている間の記憶は分からないらしいので赤城君自信は夏祭りに行ったことが無いらしい。
「……それじゃあ……赤城君が覚えてる訳ないよね……」
わたしはそう呟いていた。
「けど、もしかしたらエセ大魔王が覚えてるかもだし、聞いてみたら?」
(って!聞こえてるんだ……)
「あっ、うん……そうするよ……」
「それにアイツも変わり者だから、その男子と仲良かったかもだしな!」
赤城君はそんなことを言いながら、うんうんと頷いている。
「……そ、そうだねぇ~聞いてみるよ~」
……い、言えない!実はその男子が赤城君……じゃない、大魔王?だったなんて……わたしは赤城君のことがその、す……す……だと思っていたのに、大魔王さんにも惹かれていたなんて……軽い女みたいで言えない!
話題が一段落したので赤城君がこう切り出してきた
「それで、昴はその日から記憶が残らなくなったのか?」
「たぶんね……昴は夏祭りのこと全く覚えてなかったから……」
わたしは少し俯きながら答えた
「けどさ、夏祭りまでの記憶があるんだから親友のままでいられたんじゃないの?」
「……わたしも昴もあのときはそう思っていたの……けど……」
「何かあったのか……?」
「うん……赤城君はさ?……昴と話しているときに傷付いたこと……とかない?」
わたしは確認のためにも赤城君に聞いてみた。
「まあ、最初はな……こっちが覚えていてあっちが全く覚えていないのは、何て言うかツラいし……そのうち全部忘れちゃうんじゃないかって不安になるしな……
けど、今はそうでもないかなぁ……忘れているんなら教えてやろう!って思うし、何度でも思い出を作ればいいや!って思うかな?……う~ん、俺もよくわかんね」
赤城君は少し困った顔をしながらそう言った。(……本当に赤城君はスゴいよね……)
「……わたしもそんな風に考えられたらよかったのかもね?……当時のわたしは、ただ自分が悲しいって思うだけで……昴も傷付いてることに気づけなかったの……だから、昴の悩みを解決出来なかった……」
そうして、わたしは……わたしだけが知っている、わたしと昴の一番辛かった思い出を語りはじめた
「それにしても、その助けてくれた男子は変な奴だなぁ……3中にそんな奴いたかなぁ?ちょっとその男子が誰か気になるな」
どうやら赤城君はわたしを助けてくれた男子が気になるようで、話題はその男子のことになっていた。
「さあ……誰なんだろうね?そう言えば赤城君はあのとき夏祭りに行ったの?」
「う~ん……夜のことだから俺には分からないけど行ってると思うぞ」
赤城君は昼と夜に人格が入れ替わるらしく……赤城君は昼の人格で、夜の人格は大魔王さん?と言う人らしい。そして、人格が入れ替わっている間の記憶は分からないらしいので赤城君自信は夏祭りに行ったことが無いらしい。
「……それじゃあ……赤城君が覚えてる訳ないよね……」
わたしはそう呟いていた。
「けど、もしかしたらエセ大魔王が覚えてるかもだし、聞いてみたら?」
(って!聞こえてるんだ……)
「あっ、うん……そうするよ……」
「それにアイツも変わり者だから、その男子と仲良かったかもだしな!」
赤城君はそんなことを言いながら、うんうんと頷いている。
「……そ、そうだねぇ~聞いてみるよ~」
……い、言えない!実はその男子が赤城君……じゃない、大魔王?だったなんて……わたしは赤城君のことがその、す……す……だと思っていたのに、大魔王さんにも惹かれていたなんて……軽い女みたいで言えない!
話題が一段落したので赤城君がこう切り出してきた
「それで、昴はその日から記憶が残らなくなったのか?」
「たぶんね……昴は夏祭りのこと全く覚えてなかったから……」
わたしは少し俯きながら答えた
「けどさ、夏祭りまでの記憶があるんだから親友のままでいられたんじゃないの?」
「……わたしも昴もあのときはそう思っていたの……けど……」
「何かあったのか……?」
「うん……赤城君はさ?……昴と話しているときに傷付いたこと……とかない?」
わたしは確認のためにも赤城君に聞いてみた。
「まあ、最初はな……こっちが覚えていてあっちが全く覚えていないのは、何て言うかツラいし……そのうち全部忘れちゃうんじゃないかって不安になるしな……
けど、今はそうでもないかなぁ……忘れているんなら教えてやろう!って思うし、何度でも思い出を作ればいいや!って思うかな?……う~ん、俺もよくわかんね」
赤城君は少し困った顔をしながらそう言った。(……本当に赤城君はスゴいよね……)
「……わたしもそんな風に考えられたらよかったのかもね?……当時のわたしは、ただ自分が悲しいって思うだけで……昴も傷付いてることに気づけなかったの……だから、昴の悩みを解決出来なかった……」
そうして、わたしは……わたしだけが知っている、わたしと昴の一番辛かった思い出を語りはじめた
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