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大魔王ディザイア=スプラウト=ノート

大魔王ディザイア=スプラウト=ノート⑦

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「ガハハ!若人の諸君!元気にしていたかな?ワレだ」
 どこかの誰かさんのようなことをいっているのは当然、わたくしこと赤城飛翔でございます。
 いやぁ、前回は中々良い話だったんではないでしょうか……それにしても雛田さんはやりますね~彼がモタモタしているうちに大魔王さんに告白だなんてよっぽど彼女の方が主人公見たいですよ!
 お気づきの方もいるかもしれませんがわたくしが出てきたと言うことは……今回は本当の主人公が出てきますよ!最近彼の出番が無いからわたくしも出番が少ないという被害が……

「それでは、まさかの告白?の場面からですかね……どうぞ!」



『わたし、大魔王さんのことが好きなの……だから飛翔君とは付き合えない、ごめんね』  
 俺は彼女に告白をするとそんな風に断られてしまい……
 ジリリーー!!!謎の音がしたかと思うと視界が歪み俺は吸い込まれてしまった……すると、見覚えのある天井が見えてきた。
「はっ!……何だ夢かぁ。危ない危ない、由依に振られたのかと思ったぜ!本当、嫌な夢だったなぁ……しかもよりによってアイツに由依をとられるなんて……」
 ……何だか自分で言ってて悲しくなってきた。さっさと朝御飯でも食べて作戦会議にいこう!早く何とかしないとアイツが消えちまうかもだからな……
「なんだこれ?」
 朝飯の準備をしようとベットから降りるとポケットからメモ帳を落としてしまった。(……何でメモ帳なんだ?いつもはメモ帳の切れ端なのに、もしかして書くことが多かったのかな?てか、このメモ帳可愛らしすぎるだろ!アイツついにそっち系にも目覚めたのか?)
 そう、ポケットから落ちたメモ帳はピンクで可愛いキャラクターがプリントされている女の子が好きそうなものだった。俺が少しエセ大魔王のことを心配しながらメモ帳を開いてみると……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 飛翔へ
 雛田由依に告白された。
 よく考えると俺もアイツのことけっこう好きなのかなぁって思ったから付き合うことになった。今はアイツの気持ちには勝てないけどその内アイツが引くくらい好きになる予定だ。飛翔も応援してくれると助かる。
 一応今回の問題はアイツのお陰で何とかなった。たぶん今日開かれる会議で由依の方から説明してくれるだろ。
 それと、このメモ帳なんだが、アイツが記念にって言ってうるさくってな……恥ずかしいとは思うが無くさないようにしてくれ。
 それじゃあ……メッセージありがとな。俺もお前と同じ気持ちだよ。
 これからもよろしく。
 新生恋の大魔王ディザイア=スプラウト=ノートより
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 メッセージにはこんなことが書かれていた。
 ……そっか、アイツは消えなくてすむのか……由依には感謝しないとだなぁ。それに、アイツも俺と同じ気持ちだったんだな……何だか少し気恥ずかしいな……
「さて、昴や栞はまだ心配してるだろうからな、早く行って教えてあげないと!」
 俺はまだ寝ぼけながら朝食の準備を済ませパンをかじりながらテレビを見ていた。
『本日の占い!残念なから12位はおとめ座のあなた……片想い中の人に好きな人がいたことがわかりショック!これにはお姉さんもキツすぎてフォローの入れようがないよぉ、そんなあなたのラッキーアイテムはピンクのメモ帳!今日から気持ちを切り替えて頑張ってね!……たぶん無理だけど!それではよい一日を~』
「この占いコーナー相変わらず適当だなぁ……まあ、お姉さん可愛いからいいけど」
 俺は自分がおとめ座なことなども気にせずのんびりと準備を終わらせた。
「それじゃあ、いつものファミレスにいくか!」
 元気よく扉に手をかけた時点でさっきまで寝ぼけていた頭がようやく覚めたようで色んな情報がフラッシュバックしてきた。
 ……あれ?何か重要なことをスルーしてる気がする……なんだっけ?占い……はいつも通り適当だったし、メモ帳……はアイツの問題が解決したこととピンクになってたくらいで……ん?
 俺はようやく最重要事項を思いだし慌ててメモ帳を開く。
「…………」
 信じられないことが書いてあったのでもう一度よく目を開いてからメモ帳を見る。
「あああーーー!!!由依と大魔王が付き合うだとーーー!!!」
 俺はあまりのショックに扉に頭をぶつけまくるがそんなことで書いてる内容はもちろん変わらない。
「……夢じゃないのか……ファミレス行きたくないなぁ~」
 俺がやっぱりもう一眠りしようかと思うとチャイムがなった。
「はいはい、誰ですか?本日俺は営業停止してますよ~」
「なに言ってるの?早くファミレスに行って作戦会議だよ!」
 俺が扉を開けると昴がいて腕を引っ張って連れていこうとする。
 俺はショックで力も入らないので昴にファミレスに連れられてしまった。
 ……いきたくねぇ~!
 俺は心の中で道中何度もそう叫んでいた。
 
 
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