45 / 64
第1章
その44 レニウス・レギオンは、おれだけのものじゃないけど。おれは、レニと嫁だけのものらしい。
しおりを挟む
44
「婚約者だって!?」
ルーナ姫が?
「どうしてなんだ。《呪術師》!」
おれという伴侶がありながら!?
思わずおれは声を荒げてしまった。
「おや、リトルホーク。おめでとうと言ってはくれないのか?」
グラウケーが扮した《呪術師》の、冷ややかな水精石色の目に心臓を一打ちに射貫かれて。
とたんにおれは動くことも呼吸することもできなくなった。
精霊の力か。
まるで全身が氷になったみたいだ。
沈黙が、あたりを支配した。
それとも、凍り付いているのは、おれの周囲だけなんだろうか。
「お姉さま。お人が悪いですわ」
張り詰めた空気を破ったのは、ルーナリシア公女だった。
……お姉さま?
「彼、固まってらっしゃいますわ。お顔の色もすぐれませんし」
ふんわりと、柔らかく薫り高い白薔薇のような笑みを浮かべる姫。
おれは再度、自問する。
……お姉さまだって!?
それは、当然ながら、成人男性である《呪術師》のことではなさそうだと、おれは、安堵とも苦痛ともつかない混乱の中で、つぶやく。
「えっと。お姉さまって?」
「リトルホーク。わたくしのこともルーナと呼び捨てにしてくださいとお願いしましたから、わたくしも、あなたさまをリトルホークと呼ばせていただきますわね。安心してくださいませ。《呪術師》さまとの婚約は偽装ですわ」
満面の笑みをたたえて、ルーナは、言った。
「もっとも、成人したあかつきには、良き日取りを選んで、わたくしが精霊の国に嫁ぐことには変わりはありませんけれど」
「どういう意味だ?」
「それが『世界の意思』の条件だからです」
おれの疑問に答えたのは、レフィス・トールだった。
「我々、世界の意思の代行者である精霊が、一つの国家をえこひいきしているというのは、対外的にも示しがつかない。このエルレーン公国首都シ・イル・リリヤに、精霊の養い子にして愛し子レニウス・レギオンが、養い親の精霊たちとともに滞在し、魔導師協会と、魔法を学べる学院を立ち上げた。他国からみれば『なぜ精霊が一国家に肩入れするのか?』ということになる」
さらに言い添えたのは、《呪術師》。
「だから、見合った対価をエルレーン公国の大公は『精霊』に提供していると、国内外に明確に示す必要があった。それが公女ルーナリシアとレニウス・レギオンの婚約だ。我々としても、儚き人の身に、精霊の奇跡の技を与える見返りとして、それくらいの条件は、つけてもおかしくないだろう?」
「もっともらしいことを言う。つじつま合わせだろ?」
「無知蒙昧なる人間たちには、ちょうどいい口実だ。公女はいずれ遠からず人の世界を離れ精霊の国に赴き、伝説の『聖女』となる。人間としては死ぬのと同じ。彼女のために挽歌が詠われ、物語が語り継がれるだろう。エルレーン公国繁栄のための人身御供のようなものと、人々に憐れまれながら」
「わたくしとしては、願ったり叶ったりですけどね」
公女は、いたずらっぽく笑った。
「どうせ王侯貴族の子女の婚姻など政略の駒。今回のお話しがなければ大臣たちは、レギオンかガルガンド、さもなくばサウダージ共和国か、最悪の場合グーリアに差し出せなどと言いかねませんでした。どうせなら恋した御方のところに嫁ぎたいですもの。こうなって、わたくしは幸せ者ですわ!」
「こ、恋って」
このときのおれ、リトルホークは、間違いなく、ひどく間抜けな顔をしていたと思う。
「なぜって、わたくし……」
公女さまは、頬をバラ色に染めた。
「グラウケーさま……精霊のグラウ・エリスお姉さまを一目見たときから、夜も眠れないくらい心から深くお慕いしておりましたもの! 《呪術師》さまも、ものすごく素敵ですけど。お姉さまのほうが何倍も素敵で……っ!」
「えっ……そこ?」
「何を意外そうな顔をしているのだ、リトルホーク」
少々不機嫌そうに《呪術師》(グラウケーが扮しているほう)が、言った。
「人生経験の豊富な私のほうが、未熟なレニウス・レギオン本人より魅力的なのは当然のことだろう」
「人生? 精霊なのに? いやそれ、公衆の面前で言っていいのかよ」
ここにいるのは魔導師協会の学院の生徒達だけだけどさ。
「問題ない」
《呪術師》が、片目をつぶった。
俗っぽい仕草が、似合わねえぇえ!
「情報は遮断してある。生徒達には、我々が何を話しているのかはわからない。そのためにコマラパ老師を呼んで、臨時の講義をしてもらっている」
あれ?
ほんとだ、いつのまに。
コマラパが大食堂の中央テーブルに来てる。
思いっきり不機嫌そうだな。
さぞかし急に呼びつけられたんだろう。
おれと《呪術師》と、ルーナリシア姫と、『おれの嫁ルナ』であるカルナック、それにラトとレフィスだけは、透明なカーテンのこちら側にいるような感じで、生徒達とコマラパのいる側とは隔てられていた。
向こうの音声も聞こえない。ってことは、こちら側の会話は漏れていないな。
「リトルホークっ」
そのときムーンチャイルドが小さく叫び、行動を起こした。《呪術師》の手を振り切って飛び出したのだ。
細っこい腕をひろげて、無我夢中でおれに抱きついて。
「おまえの、だからな!」
胸に顔をうずめて、言った。
「……ムーンチャイルド?」
しばらくして、おれの嫁は、顔をあげて、
「《呪術師》は、おまえだけのものじゃないけど。おまえは、おれのものだし。おれは、おまえのものだから。五年前に婚姻の儀を結んだ時から、そう決まってるんだからっ!」
濡れたようなつやつやの真っ黒な目で、おれを見上げる。
「だから、どこへも行かないって言って。もうずっと、ここに。おれのそばにいてくれるって、約束して……」
うわぁ。
何だよこの愛らしい生き物は。
もうどうしたらいいのか。
わからない。
おれはムーンチャイルドを、ただ、強く抱きしめる。
抱きしめていると、何もかも、どうでもよくなる。
がっついてキスしなくても、その先のこととか、いいや。
このままで。
時間を忘れて、抱き合っていられたら。
「でもさ。《呪術師》は、おれだけのものじゃないって……? ルーナリシア姫との婚約は偽装なんだろ?」
「え。あっ……」
嫁は、あわてて口を両手で押さえた。
失言した、という感じだ。
あとで、ちゃんと問いたださなくてはいけないな。
《呪術師》の本体、レニウス・レギオン本人にだ。
そのとき。
ごほん、と。
低い、咳払いが聞こえた。
「取り込み中、悪いが」
声をかけてきたのは、コマラパだった。
「そろそろ午後の授業を始めなくてはいかん。それか、今日は自主訓練にするか? わしとしては、生徒達はまだ、指導者がいなくては危なくて魔法を使わせられんがな」
苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。
急に呼び出されて大食堂に来てみれば、何やら《呪術師》とおれリトルホークが、トラブってて。
あげくに、
コマラパの実の愛娘であるムーンチャイルドこと、カルナックと、おれが、抱き合っているのを目撃しているのである。
そりゃ不機嫌にもなるよな……。
「婚約者だって!?」
ルーナ姫が?
「どうしてなんだ。《呪術師》!」
おれという伴侶がありながら!?
思わずおれは声を荒げてしまった。
「おや、リトルホーク。おめでとうと言ってはくれないのか?」
グラウケーが扮した《呪術師》の、冷ややかな水精石色の目に心臓を一打ちに射貫かれて。
とたんにおれは動くことも呼吸することもできなくなった。
精霊の力か。
まるで全身が氷になったみたいだ。
沈黙が、あたりを支配した。
それとも、凍り付いているのは、おれの周囲だけなんだろうか。
「お姉さま。お人が悪いですわ」
張り詰めた空気を破ったのは、ルーナリシア公女だった。
……お姉さま?
「彼、固まってらっしゃいますわ。お顔の色もすぐれませんし」
ふんわりと、柔らかく薫り高い白薔薇のような笑みを浮かべる姫。
おれは再度、自問する。
……お姉さまだって!?
それは、当然ながら、成人男性である《呪術師》のことではなさそうだと、おれは、安堵とも苦痛ともつかない混乱の中で、つぶやく。
「えっと。お姉さまって?」
「リトルホーク。わたくしのこともルーナと呼び捨てにしてくださいとお願いしましたから、わたくしも、あなたさまをリトルホークと呼ばせていただきますわね。安心してくださいませ。《呪術師》さまとの婚約は偽装ですわ」
満面の笑みをたたえて、ルーナは、言った。
「もっとも、成人したあかつきには、良き日取りを選んで、わたくしが精霊の国に嫁ぐことには変わりはありませんけれど」
「どういう意味だ?」
「それが『世界の意思』の条件だからです」
おれの疑問に答えたのは、レフィス・トールだった。
「我々、世界の意思の代行者である精霊が、一つの国家をえこひいきしているというのは、対外的にも示しがつかない。このエルレーン公国首都シ・イル・リリヤに、精霊の養い子にして愛し子レニウス・レギオンが、養い親の精霊たちとともに滞在し、魔導師協会と、魔法を学べる学院を立ち上げた。他国からみれば『なぜ精霊が一国家に肩入れするのか?』ということになる」
さらに言い添えたのは、《呪術師》。
「だから、見合った対価をエルレーン公国の大公は『精霊』に提供していると、国内外に明確に示す必要があった。それが公女ルーナリシアとレニウス・レギオンの婚約だ。我々としても、儚き人の身に、精霊の奇跡の技を与える見返りとして、それくらいの条件は、つけてもおかしくないだろう?」
「もっともらしいことを言う。つじつま合わせだろ?」
「無知蒙昧なる人間たちには、ちょうどいい口実だ。公女はいずれ遠からず人の世界を離れ精霊の国に赴き、伝説の『聖女』となる。人間としては死ぬのと同じ。彼女のために挽歌が詠われ、物語が語り継がれるだろう。エルレーン公国繁栄のための人身御供のようなものと、人々に憐れまれながら」
「わたくしとしては、願ったり叶ったりですけどね」
公女は、いたずらっぽく笑った。
「どうせ王侯貴族の子女の婚姻など政略の駒。今回のお話しがなければ大臣たちは、レギオンかガルガンド、さもなくばサウダージ共和国か、最悪の場合グーリアに差し出せなどと言いかねませんでした。どうせなら恋した御方のところに嫁ぎたいですもの。こうなって、わたくしは幸せ者ですわ!」
「こ、恋って」
このときのおれ、リトルホークは、間違いなく、ひどく間抜けな顔をしていたと思う。
「なぜって、わたくし……」
公女さまは、頬をバラ色に染めた。
「グラウケーさま……精霊のグラウ・エリスお姉さまを一目見たときから、夜も眠れないくらい心から深くお慕いしておりましたもの! 《呪術師》さまも、ものすごく素敵ですけど。お姉さまのほうが何倍も素敵で……っ!」
「えっ……そこ?」
「何を意外そうな顔をしているのだ、リトルホーク」
少々不機嫌そうに《呪術師》(グラウケーが扮しているほう)が、言った。
「人生経験の豊富な私のほうが、未熟なレニウス・レギオン本人より魅力的なのは当然のことだろう」
「人生? 精霊なのに? いやそれ、公衆の面前で言っていいのかよ」
ここにいるのは魔導師協会の学院の生徒達だけだけどさ。
「問題ない」
《呪術師》が、片目をつぶった。
俗っぽい仕草が、似合わねえぇえ!
「情報は遮断してある。生徒達には、我々が何を話しているのかはわからない。そのためにコマラパ老師を呼んで、臨時の講義をしてもらっている」
あれ?
ほんとだ、いつのまに。
コマラパが大食堂の中央テーブルに来てる。
思いっきり不機嫌そうだな。
さぞかし急に呼びつけられたんだろう。
おれと《呪術師》と、ルーナリシア姫と、『おれの嫁ルナ』であるカルナック、それにラトとレフィスだけは、透明なカーテンのこちら側にいるような感じで、生徒達とコマラパのいる側とは隔てられていた。
向こうの音声も聞こえない。ってことは、こちら側の会話は漏れていないな。
「リトルホークっ」
そのときムーンチャイルドが小さく叫び、行動を起こした。《呪術師》の手を振り切って飛び出したのだ。
細っこい腕をひろげて、無我夢中でおれに抱きついて。
「おまえの、だからな!」
胸に顔をうずめて、言った。
「……ムーンチャイルド?」
しばらくして、おれの嫁は、顔をあげて、
「《呪術師》は、おまえだけのものじゃないけど。おまえは、おれのものだし。おれは、おまえのものだから。五年前に婚姻の儀を結んだ時から、そう決まってるんだからっ!」
濡れたようなつやつやの真っ黒な目で、おれを見上げる。
「だから、どこへも行かないって言って。もうずっと、ここに。おれのそばにいてくれるって、約束して……」
うわぁ。
何だよこの愛らしい生き物は。
もうどうしたらいいのか。
わからない。
おれはムーンチャイルドを、ただ、強く抱きしめる。
抱きしめていると、何もかも、どうでもよくなる。
がっついてキスしなくても、その先のこととか、いいや。
このままで。
時間を忘れて、抱き合っていられたら。
「でもさ。《呪術師》は、おれだけのものじゃないって……? ルーナリシア姫との婚約は偽装なんだろ?」
「え。あっ……」
嫁は、あわてて口を両手で押さえた。
失言した、という感じだ。
あとで、ちゃんと問いたださなくてはいけないな。
《呪術師》の本体、レニウス・レギオン本人にだ。
そのとき。
ごほん、と。
低い、咳払いが聞こえた。
「取り込み中、悪いが」
声をかけてきたのは、コマラパだった。
「そろそろ午後の授業を始めなくてはいかん。それか、今日は自主訓練にするか? わしとしては、生徒達はまだ、指導者がいなくては危なくて魔法を使わせられんがな」
苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。
急に呼び出されて大食堂に来てみれば、何やら《呪術師》とおれリトルホークが、トラブってて。
あげくに、
コマラパの実の愛娘であるムーンチャイルドこと、カルナックと、おれが、抱き合っているのを目撃しているのである。
そりゃ不機嫌にもなるよな……。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】
男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。
少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。
けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。
少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。
それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分の初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。
その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。
そこには残酷な現実が待っていた――
*他サイトでも投稿中

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる