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第四章 彼が半透明になる前は【テオドール視点】
49.もう逃げてくれるなよ
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試験の結果、テオドールはララの実力を思い知らされることになった。全ての木剣が、彼女が言った通りに壊れたのだ。
(わずかな誤差もないとはな)
折れた木剣には悪いが感動すら覚える。最後の方は回数を数えるのが楽しくなってしまった。
様々な分野を学んできた方だが、見ただけで物の劣化具合を正確に言い当てる人間なんて初めて出会った。
ララ・オルティスの実力は本物で、異常だ。
「確か共同スペースにいるって言ってたな」
薪のようになった木剣を拾い集め、ララの元に急ぐ。自分の口角が上がっていると気付き、表情を引き締めた。
共同スペースに到着したテオドールはすぐにララを見つけた。柔らかそうなミルクティーベージュの髪は目を引く。それに女性の局員は彼女だけだった。
何やら作業中のようだが結果を報告しよう。折れた木剣を片付け、ララに向かって三歩進んだ。けれどもそこで動けなくなった。彼女の表情を見たからだ。
(笑ってる、のか……?)
心を掻っ攫われるような、柔らかくて綺麗な笑みだった。もし天使が微笑んだとしても、彼女には敵わないだろう。……なんて、出来上がった酔っ払いみたいな感想を抱くほどの衝撃である。初めて見たララの笑顔は、暴力的な魅力に満ちていた。
「――作業中のララには話しかけられないだろう?」
ヘンリーに肩を叩かれ、我に返った。ララに見惚れていたとバレているようだ。
「今ね、残りの木剣を修理してくれてるんだ。そっちの試験結果はどうだった?」
「聞かなくても分かっていらっしゃるのでは」
「ララが間違えるわけないからねぇ」
「……オルティス伯爵令嬢は、天才というやつですか」
「いいや、違うよ」
否定したヘンリーが、ララの方を見て目を細める。
「そんな簡単な言葉で、あの子の努力は語れない」
最大級の賛辞のように思えた。羨ましいほどに、真っ直ぐな。
「彼女はいつから魔道具に触れているのですか?」
「七年前からかな。まだ十歳だった。朝から晩までずーっと何かを作ってたよ。グラント卿は十歳くらいの頃、どんな風に過ごしてた?」
「包帯を巻く練習をしようと患者の手足を縛り上げたり、大泣きする弟を注射器片手に追いかけ回したりしてました」
「とんでもなく悪いお子さまだね」
「幼かったもので」
「一歩間違えたら死人が出てるよ」
「父にこってり絞られてからはやってません。今考えると大馬鹿ですが、家督を継ぐために俺も必死だったんです」
「そういうところは、あの子と同じだ」
どこがだ? とテオドールは眉を顰める。
「グラント卿とララは生い立ちや性格は全然違うけど、その瞬間を一生懸命に生きてるところはとても似てる。そう思ったから会わせたんだ」
ヘンリーの茶色い瞳には、自分が知らない自分が映っている。勝手に分析されたことは気に食わないが、評価自体に悪い気はしなかった。
「どうだい、ララと仲良くできそう? 今のところ嫌がってるようには見えないけど」
「え」
言われてみれば、ララに対する嫌悪感が全くない。なぜだろう。彼女が美しいからという理由は、自分に限ってはありえないと思うのだが。
「……現段階では、なんとも」
歯切れの悪い答えしか出せなかったテオドールに、ヘンリーはのんびりとした声で「そっかぁ」と返す。
「本当に相性が悪いようなら言ってね」
「ご配慮いただきありがとうございます」
テオドールの返事を聞いたヘンリーは片手を上げて去っていった。一人になったテオドールは近くの椅子に腰掛け、離れた場所からララの様子を眺める。
しばらくすると、ララが辺りを見回し始めた。どうやら作業が終わったようだ。テオドールの姿を確認したララは急いで立ち上がり、木剣が入った箱を抱える。
そのままこちらに歩いてくるかと思いきや、十歩ほど離れた位置で立ち止まった。
(遠くないか?)
不自然な距離に困惑する。しかしララはその場で話し始めた。
「グラント卿、試験お疲れ様でした」
「あ、ああ。ありがとう」
表情から結果を察したのか、彼女は特に何も聞いてこなかった。
「まだ使えそうな木剣を何本か削り直してみました。芯の位置を調整したので、以前のものよりは長持ちすると思います」
「そうか、助かる」
箱を受け取ろうと踏み出すと、ララは同じだけ後ろに下がった。そして隣の作業台に箱を置く。
「こちらに置いておきますね」
「……分かった」
テオドールが再び前に進むと、その分ララは後ろに下がる。二人の距離は、縮まらない。
「なぜ逃げる」
「へ? あまり近寄らない方が良いかと思いまして」
「もしかして女性が苦手だと聞いたのか?」
「グラント卿は女性が苦手なのですか?」
「……知らなかったみたいだな」
「はい」
ヘンリーが事情を説明したのかと思ったが違ったようだ。
「じゃあどうして近寄らない方が良いなんて思ったんだ?」
「グラント卿なら、私の噂をご存知かと」
「あー……」
(そっちか)
距離が近いと、呪いの噂を知るこちらが不快な思いをすると考えたようだ。彼女にこの話題を振ったのは無神経だった。触れられたくなかっただろうに。
自分の言動を悔いたテオドールが顰めっ面で髪をかきあげる。するとララが慌てたように口を開いた。
「あ、あの! 気になさらないでください。呪われていないことを証明できない私が悪いので」
「は? いや、君が悪いわけじゃなくて俺が」
「気味が悪いわけじゃない? そんな、呪いなんて聞いたら誰でも怖いに決まっています」
「いや、だからそうじゃなくて」
「ご安心ください。私、嫌われるのは慣れていますので」
遠くから「今後もこの距離を保ってお話しさせていただければ」と言うララを見て、テオドールは理解した。
彼女に対して嫌悪感を抱かなかったのは、自分が避ける前に向こうが避けているからだ。ララは決して自分から距離を詰めて来ない。拒絶されてきた過去があるから。きっとそれが彼女にとっての普通なのだ。
テオドールとしても、寄って来られない方が好都合。そのはず、なのだが――、
(気に入らない)
他者を遠ざけるララも、彼女を拒絶したこの国も、ララを女性という記号で見ていた自分も、彼女に誤解されたままの自分も、気に入らない。
「俺は君の噂や体質に、微塵も興味がない」
ララに聞こえるように、はっきりと大きな声で告げる。視線を逸らさず、彼女だけを見て。
するとララはきょとんとして、「微塵も、ですか?」と尋ねてきた。
「ああ。興味があるのは、君が捜査局の助けになってくれるかどうかの一点だけだ。確かに色々あって女性は苦手だが、君の噂を理由に避けたりしない」
彼女は実力を証明してくれた。頼む前に木剣の修理もしてくれた。その事実さえあれば充分だ。
「俺の言葉に嘘偽りがないことを証明する。俺は絶対に君を拒絶しない。だから君も、――もう逃げてくれるなよ」
テオドールはこの時、初めて自分の意思で女性に近付いた。ララは戸惑ったように眉尻を下げているが、後ろには下がらなかった。
たった数歩の距離が、非常に長く感じる。
自分よりかなり小柄なララの前まで来て、妙な緊張に襲われた。
彼女を励ますには、知らないことが多すぎる。彼女を喜ばせるには信頼が足りない。自分にできるのは、ただ本音を、話すだけ。
「ララ・オルティス伯爵令嬢」
こんなことなら、女性を口説く練習でもしておけば良かった。
「俺は、――君と一緒に、仕事がしたい」
なんてことない、ただの協力要請。
色気も魅力も、何もない。他の女性に言ったなら、きっと幻滅されただろう。
けれども次の瞬間、花が咲いたようにララが笑ってくれたから。
これが自分たちの始まり方だったのだと、そう思った。
(わずかな誤差もないとはな)
折れた木剣には悪いが感動すら覚える。最後の方は回数を数えるのが楽しくなってしまった。
様々な分野を学んできた方だが、見ただけで物の劣化具合を正確に言い当てる人間なんて初めて出会った。
ララ・オルティスの実力は本物で、異常だ。
「確か共同スペースにいるって言ってたな」
薪のようになった木剣を拾い集め、ララの元に急ぐ。自分の口角が上がっていると気付き、表情を引き締めた。
共同スペースに到着したテオドールはすぐにララを見つけた。柔らかそうなミルクティーベージュの髪は目を引く。それに女性の局員は彼女だけだった。
何やら作業中のようだが結果を報告しよう。折れた木剣を片付け、ララに向かって三歩進んだ。けれどもそこで動けなくなった。彼女の表情を見たからだ。
(笑ってる、のか……?)
心を掻っ攫われるような、柔らかくて綺麗な笑みだった。もし天使が微笑んだとしても、彼女には敵わないだろう。……なんて、出来上がった酔っ払いみたいな感想を抱くほどの衝撃である。初めて見たララの笑顔は、暴力的な魅力に満ちていた。
「――作業中のララには話しかけられないだろう?」
ヘンリーに肩を叩かれ、我に返った。ララに見惚れていたとバレているようだ。
「今ね、残りの木剣を修理してくれてるんだ。そっちの試験結果はどうだった?」
「聞かなくても分かっていらっしゃるのでは」
「ララが間違えるわけないからねぇ」
「……オルティス伯爵令嬢は、天才というやつですか」
「いいや、違うよ」
否定したヘンリーが、ララの方を見て目を細める。
「そんな簡単な言葉で、あの子の努力は語れない」
最大級の賛辞のように思えた。羨ましいほどに、真っ直ぐな。
「彼女はいつから魔道具に触れているのですか?」
「七年前からかな。まだ十歳だった。朝から晩までずーっと何かを作ってたよ。グラント卿は十歳くらいの頃、どんな風に過ごしてた?」
「包帯を巻く練習をしようと患者の手足を縛り上げたり、大泣きする弟を注射器片手に追いかけ回したりしてました」
「とんでもなく悪いお子さまだね」
「幼かったもので」
「一歩間違えたら死人が出てるよ」
「父にこってり絞られてからはやってません。今考えると大馬鹿ですが、家督を継ぐために俺も必死だったんです」
「そういうところは、あの子と同じだ」
どこがだ? とテオドールは眉を顰める。
「グラント卿とララは生い立ちや性格は全然違うけど、その瞬間を一生懸命に生きてるところはとても似てる。そう思ったから会わせたんだ」
ヘンリーの茶色い瞳には、自分が知らない自分が映っている。勝手に分析されたことは気に食わないが、評価自体に悪い気はしなかった。
「どうだい、ララと仲良くできそう? 今のところ嫌がってるようには見えないけど」
「え」
言われてみれば、ララに対する嫌悪感が全くない。なぜだろう。彼女が美しいからという理由は、自分に限ってはありえないと思うのだが。
「……現段階では、なんとも」
歯切れの悪い答えしか出せなかったテオドールに、ヘンリーはのんびりとした声で「そっかぁ」と返す。
「本当に相性が悪いようなら言ってね」
「ご配慮いただきありがとうございます」
テオドールの返事を聞いたヘンリーは片手を上げて去っていった。一人になったテオドールは近くの椅子に腰掛け、離れた場所からララの様子を眺める。
しばらくすると、ララが辺りを見回し始めた。どうやら作業が終わったようだ。テオドールの姿を確認したララは急いで立ち上がり、木剣が入った箱を抱える。
そのままこちらに歩いてくるかと思いきや、十歩ほど離れた位置で立ち止まった。
(遠くないか?)
不自然な距離に困惑する。しかしララはその場で話し始めた。
「グラント卿、試験お疲れ様でした」
「あ、ああ。ありがとう」
表情から結果を察したのか、彼女は特に何も聞いてこなかった。
「まだ使えそうな木剣を何本か削り直してみました。芯の位置を調整したので、以前のものよりは長持ちすると思います」
「そうか、助かる」
箱を受け取ろうと踏み出すと、ララは同じだけ後ろに下がった。そして隣の作業台に箱を置く。
「こちらに置いておきますね」
「……分かった」
テオドールが再び前に進むと、その分ララは後ろに下がる。二人の距離は、縮まらない。
「なぜ逃げる」
「へ? あまり近寄らない方が良いかと思いまして」
「もしかして女性が苦手だと聞いたのか?」
「グラント卿は女性が苦手なのですか?」
「……知らなかったみたいだな」
「はい」
ヘンリーが事情を説明したのかと思ったが違ったようだ。
「じゃあどうして近寄らない方が良いなんて思ったんだ?」
「グラント卿なら、私の噂をご存知かと」
「あー……」
(そっちか)
距離が近いと、呪いの噂を知るこちらが不快な思いをすると考えたようだ。彼女にこの話題を振ったのは無神経だった。触れられたくなかっただろうに。
自分の言動を悔いたテオドールが顰めっ面で髪をかきあげる。するとララが慌てたように口を開いた。
「あ、あの! 気になさらないでください。呪われていないことを証明できない私が悪いので」
「は? いや、君が悪いわけじゃなくて俺が」
「気味が悪いわけじゃない? そんな、呪いなんて聞いたら誰でも怖いに決まっています」
「いや、だからそうじゃなくて」
「ご安心ください。私、嫌われるのは慣れていますので」
遠くから「今後もこの距離を保ってお話しさせていただければ」と言うララを見て、テオドールは理解した。
彼女に対して嫌悪感を抱かなかったのは、自分が避ける前に向こうが避けているからだ。ララは決して自分から距離を詰めて来ない。拒絶されてきた過去があるから。きっとそれが彼女にとっての普通なのだ。
テオドールとしても、寄って来られない方が好都合。そのはず、なのだが――、
(気に入らない)
他者を遠ざけるララも、彼女を拒絶したこの国も、ララを女性という記号で見ていた自分も、彼女に誤解されたままの自分も、気に入らない。
「俺は君の噂や体質に、微塵も興味がない」
ララに聞こえるように、はっきりと大きな声で告げる。視線を逸らさず、彼女だけを見て。
するとララはきょとんとして、「微塵も、ですか?」と尋ねてきた。
「ああ。興味があるのは、君が捜査局の助けになってくれるかどうかの一点だけだ。確かに色々あって女性は苦手だが、君の噂を理由に避けたりしない」
彼女は実力を証明してくれた。頼む前に木剣の修理もしてくれた。その事実さえあれば充分だ。
「俺の言葉に嘘偽りがないことを証明する。俺は絶対に君を拒絶しない。だから君も、――もう逃げてくれるなよ」
テオドールはこの時、初めて自分の意思で女性に近付いた。ララは戸惑ったように眉尻を下げているが、後ろには下がらなかった。
たった数歩の距離が、非常に長く感じる。
自分よりかなり小柄なララの前まで来て、妙な緊張に襲われた。
彼女を励ますには、知らないことが多すぎる。彼女を喜ばせるには信頼が足りない。自分にできるのは、ただ本音を、話すだけ。
「ララ・オルティス伯爵令嬢」
こんなことなら、女性を口説く練習でもしておけば良かった。
「俺は、――君と一緒に、仕事がしたい」
なんてことない、ただの協力要請。
色気も魅力も、何もない。他の女性に言ったなら、きっと幻滅されただろう。
けれども次の瞬間、花が咲いたようにララが笑ってくれたから。
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